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第11話

訓練


(一応はさすがだな親父っ、そう簡単には訓練でも当たってもくれねえって訳か。まあ、そうじゃなきゃ困るってもんだよなっ。)


陵司は童顔には似合わない野性的な笑みを浮かべ、細かいステップから懐に入るべくよく鍛えられた脚力で踏み込んでいく。のらりくらりと逃げようとしていた勇司はそのスピードに危機を察知し、床を蹴り慌てて距離を取って全身の力を使って繰り出されるボディフックを避けていた。


(今のは当たったらまずかったぞ、今特技とか使ってないよな?そういやコイツ小さい時からむやみやたらに鍛えてた気がするな。筋トレ好きなんてどこからそんなDNA入ったんだか。)


自らよりリーチのない陵司に対し前蹴りを放つがその攻撃はあっさり射程距離を見切られ、前に出された勇司の足は横から軽く叩かれスッと距離を取られる。


訓練室では陵司と勇司による模擬戦が行われていた。軽く手を合わせた段階で陵司が異常とも言えるほど戦い慣れている事に勇司は気付く。


(我が子ながら何戦こなしたっつうレベルを超えてるな。下手したら俺よりも戦い慣れてるんじゃねえか?アイツの特技の賜物ってやつか。)


余裕の肉弾戦を見せる陵司はロングコートの前を開け動きやすい態勢をとると、平均よりも少しばかり低い身長をグッと更に縮めるように構え、口角を上げる。


「なあ親父、特技使ったほうがいいんじゃねえか、このままじゃ負けちまうぞ?」


「うるせーな、模擬戦なんていうのは勝つ負けるじゃないんだよ。大事なのは、・・・どう成長するかだな。」


「・・・もう親父は育たないんじゃねえか?遅咲きって感じでもないだろし。」


「・・・まぁとにかくだ、リクエスト通り特技を使ってやるよ。陵司、お前も使うんだぞ。じゃないと育たないからな。」


そう言うと勇司は煙草入れを取り出し、陵司はロングコートの中に裸で入れている年季の入った駒の一つを握りしめる。

その駒は陵司が産まれた瞬間から一緒であった一枚であり、そして特技の生命線であった。


(さてっ、やるか。我が王さん、出番ってやつだよ。)


勇司と陵司による模擬戦は軽い手合わせから入り、ここから特技を使った本格的な戦闘が始まるのであった。




バタバタしていた為短めですが更新です。


主人公の特技を出し惜しみしてる訳ではなく、細かい設定を煮詰めてないため次話に持ち越してみました。

申し訳ありません。

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