表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰還勇者と超能力者  作者: 厨二王子
二章 呪われし妖刀と闇の魔法使い
31/54

28話 戦いが終わって

「ああー、一昨日はどうなるかと思いましたよー」


「まぁ、大変だったな。俺も無理しちまったし」


「あっ、まだどこか痛いところあります?」


「いや、お陰様で今日は元気だよ。ありがとな」


「それは良かったです!」


 あの闇の魔法使いとの戦いから二日が経過した。俺の体だが身体強化の『伍』を使った影響で体の負荷が出たが、加藤のおかげで特に問題なく回復することが出来た。どうやら彼女も成長しているようだ。あの男との戦いではいろいろ気になる……というか、心当たりはあることが沢山でてきたが今この場で気にしてもどうにもならないだろう。特に俺の情報を与えた魔法使いとか。ただ確信はいたれていないけどな。

 とにかく、今はいつも通り高校に登校し、教室に来て加藤に話し掛けられたところだ。

 それにしても、この加藤のドヤ顔がうざい、彼女に助けられたのは事実だが……。

 俺は少し調子に乗っている加藤にちょっぷすると自分の席に座った。


「おう、相変わらず仲がいいな。二人とも」


「松田か。クラスまで来るとはもう部活は終わったのか?」


「ああ、今日は朝練が早く終わってな。暫く顔見せてなかったし、少し話すか的な感じで」


「話ねぇ……」


 一瞬、今日までの魔物や闇の魔法使いとの戦いの日々を思い浮かべる。だが、さすがにそれを話す訳にはいかないだろう。


「加藤も久しぶり」


「おひさ」


 松田の言葉に加藤は笑顔で返す。ちなみに加藤と松田は面識がある。放課後、俺と加藤が校長室へ向かう途中に鉢合わせてしまったのだ。その時に松田に付き合ってるのかなどと聞かれたが、俺と加藤は真顔でそれを否定した。そんなこんなで一応面識はある。


「そういうお前こそ、なんかないのかよ。もう直ぐ試合なんだろ?」


「ああ、だから二人とも応援に来てくれよ」


「暇だったらなぁ」


 俺は机に肘をつきながら答える。最近は任務が多くて大変だからな。暇な時間も減っている。


「来週の日曜日だ。暇なら頼むぜ」


「ああ」


「私も行きます」


「ああ、ありがと」


 バスケの試合か。松田は中学校時代レギュラーだったが、今回もレギュラーだったな。というかあいつの試合、あまり見たことなかったことに気づいた。たまには見にいってやるか。こうして話は盛り上がるも、チャイムがなって加藤は自分の席に、松田は自分の教室に戻っていく。そして今日もまた朝のホームルームが始まった。






 放課後になると俺はいつもと同じように加藤と校長室に向かう。もやは日課になっていた。


「そういえば私、スポーツを直に観戦したことないなぁー」


「スポーツねぇ」


「龍太はなにかスポーツの経験は?」


「ないな。異世界帰って来てからは体を鍛えてたし。そういえば……」


「なに?」


「なんでもない」


 異世界でやったスポーツといえば、皆でやったサッカーを思い出した。ルールもシンプルだしボールとゴールがあれば出来たからな。途中からただの戦いになったが。さらに近くの山も消し飛んだんだっけ……。


 ……まぁ、今となってはいい思い出か。


「そんなことより着いたようだぞ」


「あっ、ホントだ。皆はもういるかな」


「さすがにこの時間にはいるだろう」


 校長室の前に着くと扉を開ける。そこには何故か服部を除いた全員がいた。


「なんか、服部がいないみたいだが?」


「まだ教室にいるのかしら?」


「あいつ、今日来てなかったすよ」


 会長の言葉に服部と同じクラスの佐藤が答える。


「昨日は来てたましたけど……」


「風邪かしら?」


「そういった連絡は来ていませんが」


 霧島が校長室にある電話を見て言う。集まりに出れない時はメンバーに連絡をするか、この電話に連絡をするこになっている。

 あの服部がそのことを忘れるなんて珍しいな。


「まぁ、後で連絡が来るかもしれないし、少し話しながら待ちましょうか」


「皆さん、お茶です」


「ありがとう。凛」


 霧島が皆にお茶を配る。会長に続き俺もお茶に口を付けた。


「そういえばあの時期ですね、会長」


「「あの時期?」」


 俺と加藤は二人そろって首を傾げる。他の皆は知っているようだ。


「二人は新人だから知らないののも当然ね。夏にちょっとした祭りのようなものがあるのよ。それの選考が近くて」


「選考……」


「そう。今年も頑張ったから選ばれるとは思うんだけど」


「で、それは一体」


「うーん、選ばれてたら話すわ」


「ケチ」


「だって、その方がいいじゃない。選べれなかったら恥ずかしいし」


 祭りねぇ。楽しければいいんだが。


「会長、本部から連絡です」


「そう、繋げてちょうだい」


 霧島が会長の指示を聞いてモニターを付けると、そこには見た目は子供、頭脳は大人のお馴染みである本部長が映っていた。

 やはり、妖刀の件だろうか。


『おう、繋がったようだの。いきなりで悪いが服部君はいるかね?』


「彩なら今朝から欠席でいないみたいで」


『そうか……』


「彼女になにかあったんですか?」


『正確には彼女にではないんだが……』


 本部長に明確な焦りを感じる。本部長は少し黙ると俺たちに告げた。


 _______彼女の故郷の村が魔神教団に襲撃にされたと。


 奴等が再び動き出した。

今回で二章は終わりで、次回は異世界sideです。その次に一週間空けて三章に移ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ