プロローグ
なろう初心者ですがよろしくお願いします。
人がいない静かな夜の道。この道は普段から高校から帰宅するために通る道。さらに周りは普段と一部をのぞいて変わらない街並みだ。しかし私はそんな夜道を必死な思いで走っていた。
「もう、何なのよ一体!?」
鳴り響く足音を聞いて私は静かに少し振り向く。
なぜそんなに必死に走っているのか、それは後ろから私よりも少し大きい牛のような化け物がこちらに向かって歩いて来てるからだ。信じられない気持ちを押し殺し、私は再び前に向いて走ることに集中する。
しかもその化け物、歩くのがものすごく速い。さて、何故普通の女子高生である私がこんな状況になったのか……それは数時間前まで遡る。
今日は普通に考えて,いつも通りの日常だった。朝も遅刻せずに登校し、クラスの友人とも楽しく話す。授業中もしっかり先生の話を聞いて………ふとその時、いつも寝ている男性を思い出す。
ほんといつも寝ているわね………
私は学校が終わり、放課後友達と話し終わった時はもう夕方になっていた。友達は急用を思い出したらしく、ごめん、という一言を言い残し、教室から慌てて出て行く。友達が教室から出て行くのを見送ると、友達と同じよう家に帰ろうと鞄を背負い帰宅しようとする。するとその瞬間、突然私に頭痛が襲ってきた。
「いたっ……」
私は一瞬ふらつき風邪かなと思いつつ、気にせず背負いかけの鞄を背負う。その瞬間に私は帰りのホームルームが終わっても、今だ眠り続けている隣の男子に目を向けた。私はまたかと思いつつも彼をちょっとした気遣いで起こすことにした。
「もう帰りのホームルーム終わってるよ」
「………すまん、悪いがもう少し寝かせてくれ」
彼とは特に親しくもないが、なんか気になって起こしてしまう。……確実に向こうは大きなお世話だと思っているに違いない。
「そっ、なら鍵よろしく」
私は彼が眠っている机の上に教室の鍵を置き、教室を後にした。
さていつもなら家に帰るのだが、今日は母からの頼みで夕飯のおかずを買いにスーパーへ向かうことになっている。めんどくさいと思いながらも、私は今夜買う食材と財布の中を確認してスーパーへ向かった。
「ありがとうございました」
私はいつも聞くお馴染みの店員のセリフを聞き、スーパーを出る。今日買った食材はそんなに多かったがちょっとした工夫で袋一つでまとめることが出来た。
ふっ厳しい戦いだった………なんてね。
私はそんな小さな喜びを感じながら、帰り道を進んでいく。この時間は主婦や学校が終わった学生が集まるためスーパーの近くは相変わらず人が多い。まぁなにより駅の近くであることが大きいんだろうけど。この街の駅は周辺の駅よりも大ききく沢山のテナントが入っているデパートやショッピングモール、それに映画館などあり人が集まる施設が密集している。
ふとそんなことを考えていると目の前の信号が赤になり止まる。信号が青に変わるまでの時間を潰そうとスマフォの電源を付けた………その時。私にまた強烈な頭痛が襲って来た。先ほどの教室での軽い頭痛とは違う。あまりにも強烈な頭痛に思わず目を瞑り、地面に膝を突いてしまう。さらに突然何か大きな音が耳元になり響く。時間が少し経ち頭痛が治ると私は目を少しずつ目を開けていった。
するとさっきまで周りにいた人は一人もおらず、ゆっくりと振り返るとそこには…………
茶色く二本の角を光らせ牛のような形をしており、しかし二足で立っている赤い目をギラつかせる化け物が私を見ていた。
そんな流れで、私は今その化け物から必死で逃げている。しかし走りながら思ったんだけど、いくら夜だとしてもあまりにも人がいなさすぎるような……。
私は周りに人がいないという状況に異常を感じながら、化け物から逃げるために走り続けた。
追いかけられて数十分、いくら私が元陸上部だったとしても限界がある。しかし呼吸が荒くなりながらでも私は必死に走った。しかし…………
「◾️◾️◾️!!!!」
「嘘!?」
後ろの化け物が大きな鳴き声を上げた瞬間、私は思わず前方に転んでしまった。
「あっ」
しかし、慌てて転んでから顔を上げるもすぐ目の前にその化け物は迫って来ている。
ああ、私死んじゃうのか…。
ふと、頭にお父さんの顔や、お母さんの顔、友人の顔が思い浮かぶ。そして何故か、あの隣の席の男子の顔も思い浮かんできた。
……あぁ最後にお別れの挨拶くらいしたかったな。
化け物の手が私に向かって伸びてくる。
私は死を覚悟し、目を瞑る………その時。
「◾️◾️◾️!!」
突然目の前から何かが潰れたようなグシャっという音と、聞こえるはずのない化け物の悲鳴が聞こえた。
えっ………
私はおそるおそる目を開ける。するとそこには、学生服を着ていて現実に存在しないような銀色に輝く剣を持っている男がいた。
しかしよく見ると、彼の着ている制服が私の通っている高校の男子の制服だと分かる。
あの牛のような化け物の方を見ると真ん中から半分になって切断されていて、突然黒い粒となって消えていった。私はもうよく分からないことだらけで、頭が混乱し立ち尽くす。そんな中、目の前にいる男は振り返り、私に手を差し出してきた。
「大丈夫か?」
そこで私は彼と目が合う。その顔は私の知る人物。
その男は隣の席でいつも授業中、休み時間机の上で昼寝をし続けて先生に怒られている問題児。友達も少なく、他クラスにはいるらしいが、基本一人で行動する男………『遠藤龍太』がそこにいた。
この瞬間から、私の日常は非日常へと関わっていくこととなる。
次もプロローグですが明日投稿します。
2024/11/12 更新
すごい久しぶりなので読み返しながら一から見直します