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しゅーだんくんれん

「さぁて、これから戦争の訓練に入るが……まず、大前提として部隊訓練だからお前らの部下を呼んでくること。」


 個人訓練を終え、軽く戦闘をした後友情を確かめ合っている平塚と松田に対してタナトスはそう言った。対して、


「……え、どうやってですか?」

「……これから俺が割と全力で壁をこじ開ける……? 何か今俺の加護を持ってる誰かが【魔神大帝】様と対立した気が……取り敢えず加護打ち消しておくか。何か怖いし。まぁそんなわけで、次元の狭間を開けるから30分以内に全員この場所に引きずり込め。」


 話が横道にそれる人だなぁと思いつつも平塚と松田は言う通りにする。


「場所はここに来た時の場所ですか?」

「……その辺は知らない。だって、この世界創ったの俺じゃないし……というよりもねぇ、俺は武と死を司ってる神であって万能神じゃないの。だから経済学とかほとんど覚えてない。数百年で教えてもらったこと忘れた。えーと、何か神の見えざる手辺りからインセンティブ辺りまではうろ覚えしてるけど……」

「本当に初歩的ですね!」

「たがわっ!」


 空からヴェネチアンマスクを被った女性が舞い降りてきた。そしてタナトスの上に舞い降りるとヒールで彼を踏み躙りながら優雅に一礼をする。


「あら、魅了し掛けましたね。全く……未熟な坊やだことで。しっかりしなさい。私はオーナー以外の男が言い寄ると滅ぼしますからね?」

「ど、退いて……」

「……ふむ。まぁオーナーの敵に力を貸していたことには既に気付いて加護を打ち切っている状態ですか、でしたらいいです。おそらくあの方から罰ゲームを下されるだけでしょうし……」


 二人の会話の間に空間が割れ、その向こう側にこの空間に来るまでは見慣れていた景色が広がっていた。平塚と松田がそれを見てどうしようかと思っていると淑女がまだ居たのかという視線を向けながら告げる。


「全員お連れしなさい。少しだけまとめて面倒を看て差し上げます。」

「は、はい!」

「精霊の子に頼めば楽に呼べるはずですから、30秒で支度して10分以内に集合してくださいね。では用意スタート。」


 平塚達は急いで外に飛び出した。





 平塚と松田が精霊女王の力を借りて連れて来ることができたのは彼らの本隊に居たベルフェナンド、リーゼ、ジャック、カシザワ、ゴンザレス、親方の6人だった。

 それに、フロワとディア、そしてファムが自主的に付いて来て……現在、松田の下でファムとマリアという小悪魔らしい幼女が修羅場を迎えている。


 ついでにヴェネチアンマスクをかぶった美女がディアとマリアを交互に見てその形の良すぎる鼻で笑うと「キャラ被ってますね」と嘲笑し、何か大変なことになっていた。


「アキ様? 元気になられたのはとても良いことですが……少々、ヤンチャが過ぎるかと……思いませんか?」


 修羅場を撮影しているマスクを当てた美女。説明もなく集められた部下たちに平塚が説明をしているとどこかに行っていたタナトスが帰って来た。


「……あら? 何か悪いことをしたんですか?」

「……俺の加護を持ってた奴が何か【魔神大帝】様に喧嘩売ったから監督責任を問われて折檻受けてた……」

「……喧嘩を売ってた、そうですか……その喧嘩買いましょう。」

「違う! 俺は全く以て無実です! ほら、発行された免罪符!」


 どこもかしこも大変だなぁ……と平塚が呑気に見守っているとディアが袖を引いていた。


「……あの悪魔とディア、似てる?」

「え、全然……」

「よかった。じゃあ大丈夫。」


 全然似ていないのに何を言っているのだろうと思いつつそろそろ訓練に入りたい平塚は気配と存在感を消している松田にファムとマリアの仲裁に入るように頼んだ。


「……え、無理なんだけど。逆に訊くけどお前行けんの?」

「いや、これはお前以外どうしようもないと思うんだが……」

「いや、でもここは逆に当事者じゃない方が割り込むのは楽な気が……」

「どうでもいいからさっさと殺し合いを始めようじゃないか! あぁん?」


 松田が逝くのを拒否しているとリーゼが勝手に話を進めた。それにより不承不承と言った態で争いは止み、全員がタナトスとその場にいた女性を見る。


「何ですか。修羅場はもう終わりですか?」

「こっからが修羅場なんだろ大将? あんた強ぇんだってな?」


 好戦的な視線を向けるリーゼ。それを適当に受けた女性は少し考える素振りを見せて首を振った。


「……まぁ、あなた方を世界ごと一瞬で塵にする程度には。今回はあなた方の世界で最も強い人間、最も賢い人間程度に能力を抑えて戦いますので安心して挑んでください。ではルール説明から。」

「言ってくれるねぇ? 期待させてもらうからねぇ……?」


 平塚は青い顔になっているタナトスを見てマズイことになっているんじゃないかと思いつつ女性のルールとも言えない説明を聞く。


 要するに2倍の兵力を与えて何でもしていいから女性に合格と言わせれば訓練終了。言わせることが出来なければ帰れないというルールだった。


「……それって、元の世界に帰った時にズレとかは……」

「ないです。あったらその秒数分だけこの小僧(タナトス)の首を横にずらすことを約束してもいいですよ?」

「是が非でも止めてやる。安心して挑め。」

「……何か、変な人たちだねぇ……」


 ジャックの苦笑いとともに吐き出された本音にタナトスが微妙に反応したが女性が制したので何も言わずに止まった。


「では、質問と言うほどのこともないでしょうが何かありますか? 面倒なので始めますね。」


 質問を訊くだけ聞いて答えさせずに女性は消えた。その次の瞬間、平塚たちの背後に大量の人々が現れた。


「おぉ……どこからこんなに……?」

「あの方々神様らしいからな……取り敢えず突っ込むのはもう面倒だし止めた方が良い。ホンット、疲れるからさっさとクリアするべきだ。お前ら協力……」


 平塚が編成を考えるために現れた人々の数などを考えていたその時だ。向こう側から大量の武装集団。しかもご丁寧にこちら側と色違いの集団が迫って来ていた。


「うえっ?」


 こちら側はまだ編成も終わっていないのにもう来るか!? と平塚が焦っているとその様子を見ていたタナトスが呆れたように声を漏らす。


「……兵は拙速を貴ぶ。まぁ初歩中の初歩だが……これ、無理だろ……性格悪いのが要るんだなこの世界……一応口出しするなら目の前の集団はお前らより後に生み出されたデータだな。まぁこの世界の中だと何回死んでも大丈夫だから安心して今回は死んでくれ。」

「いや、死にたくないだろ! こっちも整ってないが相手も条件は同じらしい! 数はこちらが多いんだ。全軍矢を番えろ! 迎え撃て!」

「……それが定法なんだけどねぇ……」


 白兵戦になる前に矢によって相手を倒すのは当然の行動だ。ただし、統制の取れていない状態で完全に出遅れ、攻め立てられる側になった者たちが散逸的に放つ矢にどれほどの意味があるだろうか。

 命令を下してからの兵の動きを見て平塚は苦虫を噛み潰したような顔をする。


「……田楽狭間みたいなもんか……いや、情勢を立て直すために一度退くか?」

「判断が遅いな。今の時点で退いたら撤退じゃなくて兵たちの目には逃亡にしか写らないぞ。まぁ大人しく死んどけって。次があるんだし……」

「さっきから死ね死ね五月蠅いですね……こっちは生きるために頑張ってるんですから少しお静かに願いますよ!」

「まぁ死の神だし。」


 そんな言葉遊びをしている間に敵兵は猛烈に迫り来て平塚達の軍勢にぶつかった。結果は大敗。訓練はリスタートとなる。




ド・マーゾ・ベルフェナンド

 変態。でも有能。


リーゼ

 戦闘狂に近い。赤銅色の短髪で、少し丸顔。キツメの顔立ちの美人・巨乳


ジャック

 食事以外にやる気のない天才。全体的に色素が薄く、極々薄い鶯色の髪をしており、常に眠そうな顔をしている小柄な男性。


カシザワ

 良い感じの不良モドキ。風貌はガラの悪い茶髪の高校生。基本軍服を着崩している。まだ中学生の病を抱えているようだ。


 ゴンザレス

 強そう。金色の長い髪、歴戦の強者を思わせる傷だらけの顔。強大なパワーを持っていそうな褐色の筋肉の鎧をまとった筋骨たくましいオカマ。


 親方

 大工の棟梁。年齢不詳。本名不詳。前方から円形に禿げ気味でスキンヘッド。人のいいおっさんという風貌で青髭が濃い。


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