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こじんれっすん

 ひらつかくんたちは、がんばりました。


「……見敵必殺!」

「よしよし。まぁ一騎当千まで持って行きたかったが……まぁ100人力でも十分だね。個人技は終わり。ここからが勝負だ……」


 血反吐を吐きながら凶剣のフォリーを模した敵5人と筋肉ダルマ80人程度の集団を倒すことに成功した平塚に対してタナトスと呼ばれた青年は満足気にそう言いつつ頷いた。


「はぁ……で、どうするんですか?」

「この場所に送り返された大将の傀儡のトップシリーズが1つ、クワトロシスターズの誰かを倒すに決まってる。……言っとくが、俺はアレに勝てないからな……多分大将の方で上限設定をかけてるだろうが……」


 個人戦闘後、大きく息をついた平塚に対してそう言うタナトス。肉弾戦を主体とする平塚はその手に持っていた宝剣を納めると魔導を主体として戦う松田の帰りを待つ。


「俺が口出しすると相手もそれに合わせて来るからな……疑問点についてはこれまで通り口出しするが、作戦内容は自力で考えてくれ。」

「丸投げってことですね……」

「そうだな。ちょっと松田の方の様子を見て来るから休んでろ。」


 平塚が何か言うよりも先にタナトスは消えた。それを見送ってから平塚はぼやく。


「キッツ……実家よりキツいとか、そうそうない体験だぞ……しかも俺より俺の体調に着いて詳しいとか……逃げ場がねぇ……」


 松田だけではなく平塚にも測量から知識を捻じ込み、体を酷使させては故障しない程度に休ませる。

 頭も体も果てしなく使わされた平塚は松田はどうなってるんだろうと思いつつしばしの休憩に少し歩いてクールダウンした後、横になった。





「ぬぐぁああぁぁぁあああぁぁぁっ!!!」

「お兄ちゃん、頑張って……!」

「アリエル……お兄ちゃんをこれ以上苦しめないでよ! お兄ちゃん! 私たちのことならもういいから……!」

「ぜぇったぃ……ぜっだい、あぎらべない……!ぶふぅぁあぁっ!」


 松田は幼女に囲まれて頑張っていた。天才が見せる、全力。これまで、この美幼女がたくさんいる世界に来るまでほとんど出したことのない全力だ。

 血を吐こうが、涎が出ようが、力を込め過ぎて屁が出ようが、カッコ悪いとか格好いいとかそんなの全て関係ない。


 松田は、目の前の全ての幼女を守るために、全力を出していた。


「ぬぐぁぁああぁぁっ!」


 断面2次モーメントの計算を失敗した時、タナトスは無表情に罰ゲームと称して目の前の幼女を失敗した計算通りの材料で作った橋に乗せて殺した。

 松田は怒った。激怒した。憤怒の形相で激昂のままにタナトスを殴ろうと激情に任せて襲い掛かったが、叩きのめされた。弱者は何も救えないと吐き捨てられてからは試練をクリアするために全力を尽くすだけの日々を過ごしている。


 これ以上、ここにいる子たちは減らさない……!


 松田を動かしているのはその一念だ。


「お、感心感心……ちゃんと、空を飛べているな。」

「ダナドズぅぅううぅぅっ!」


 神に対する敬意などない。怨念の籠る血走った目でタナトスを睨む。それに対して先程まで励ましていた幼女たちは松田のことなど興味なくなったかのようにタナトスの下へと移動していく。


「まぁ、そんだけ持続できてれば大丈夫。制空してしまえば基本的に戦況は有利に立つから。」

「終わったの?」

「はー疲れた……」

「……え?」


 松田だけがこの空気から取り残される。そんな彼の目に更なる信じられない光景が。


「てへっ♪おにーちゃん私の為に頑張ってくれてありがとね~?」

「マリーちゃん……?生きて……」

「うん。だって、あたしタナティックガールズだし。空飛べるもん。」


 瞬間、脱力。松田は重力様の力によって地面に叩きつけられた。


「ま~でも、すっごい頑張ってくれたからご褒美ね?」


 地面に倒れて何か色々な感情が混ざる目を幼女たちに慕われているタナトスに向けながら咽び泣く松田の方にそのマリーと言う幼女は近づいて


 唇を落とした。


「……! ……!? にゃっはぁ!?」

「アハハ。そんなに喜んでくれるなら小悪魔冥利に尽きるな~」

「これやわふんぎはわはばやばやばやばあばばば……」


 何かもうよく分からないが今は若干幸せな気分になってきた。それに対して目の前の幼女は褐色の肌に燃えるような赤髪。そして形状は蝙蝠の羽だが、つるぷにという触り心地の黒い羽と角を身に着けた状態になって妖艶に微笑む。


「ごめんね? 女の子は……嘘吐きなんだよ♡」

「最っ高ッス……!」

「かわい~……ねぇ、タナトス様。マリアこの子に付いて行っていい?」


 鼻血を流して喜んでいる松田を見てマリアは何か楽しくなってきた様子でタナトスにそう尋ねる。


「……あまり、よくないんだが……」

「何ケチ臭いこと言ってんだお前。こんな面白そうなのに。」

「え、【魔神大帝】さ……大将!?」

「……言い直すの遅すぎ。」


 理不尽にタナトスは地面に頭を捻じ込まれた。突如として再び現れた黒いローブをまとった創造神は歪んだ笑顔でマリアを見下ろす。


「ん~どれくらい能力を下げるか。まぁ……こんな感じかな。これでチート臭いことはなくして……正々堂々行こうね?」

「あ、は……はい……」


 マリアの頭を鷲掴みにして何かの調節を行った後、青年は松田に告げる。


「さて、連絡事項があったんだった。まぁ何だかんだあって地球に会社作ったんだけどそこに平塚小鳥ってのがいて、お前の相方の妹と判明したからこの世界に5歳くらいの姿で1日だけ飛ばすわ。」

「え、は、え?」

「まぁ、色々あったんだ。政界とか各国に対する駆け引きで古仙式?とかいう変なのの名前を借りると楽そうだったんでね。代わりに願いを叶えた。」


 先程から目まぐるしく情報がつぎ込まれて行く。流石の松田もパンクしそうになりながら何とか飲み込んで行く。


「え、あ……要するに、小鳥ちゃんが来るんですね……?」

「おう。この世界が消滅するエネルギーを利用してくる。だからもう少し後のことになるな。じゃ。……あ、そうそう。多分もう遭うこともないだろうが俺を見かけても多分覚えてないから話しかけんなよ。」


 そう言って創造神は消えて行った。その気配を感知してからタナトスが起き上がる。


「ふぅ。とばっちりで大変な目に遭うところだった……何で機嫌悪かったんだろうな……まぁいい。そろそろ戻って戦争の勉強だ。」

「マリーもおにーちゃんのこと支えてあげるよ。クスクス……」

「お兄ちゃんどこまでも頑張れそう!」


 この後、平塚と松田は合流し、マリーに騙されて平塚は松田をボコった後ようやく戦争の訓練に入った。





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