しばしの休憩?アレ?これ…
一応、スゥド国との戦争は一旦お終いだ。富国強兵に努めましょう。
「…で、とりあえず諸問題の解決と行こうか。練兵だ!」
「いや、内政だと思うけどなぁ…」
ということで、俺と松田は現在互いにプレゼン中だ。松田が富国>強兵。俺が強兵>富国。
言い分としては、松田はこれからしばしの平穏が訪れるからいいじゃないか。兵たちも連戦で疲れてるだろうし、もうすぐ農業を開始する時期だから現代の知識を入れて高収入にしつつ休憩しようぜって話。
俺としては、スゥド国のニード山脈北部地域を併呑したことで強大化したクリーク王国を恐れて周辺国が襲い掛かって来るかも知れないし、元からこの辺りは穀倉地帯だから後回しでもオーケーだという話。
話し合いは平行線を辿っている。
「スゥド国寄りだった東のエスト国が頼る相手が居なくなったことで俺らを敵視してるって話がもう入ってただろ?」
「でも、地理的に考えて攻めて来れる地域は限定されるし、精々5000だろ?西も北も不穏な情報は入って来てないから大丈夫じゃね?それに、あんまり動き過ぎると元々いた貴族たちににらまれるぜ?」
…楽観論だけじゃなくて、一理あることも入ってるから妥協するしかない。ということで俺の部隊を結成することにしました。
ということで松田は王城で何か学者たちとの話し合いに、俺は外に部隊編成の思考をまとめに出かけました。
その途中、松田と別れてディアと歩いている所に幼女様が来て何かディアと言い争いをしているけど俺は忙しいので放っておく。
「まず副長か…」
俺の直属兵は1000人部隊にしようと思う。あんまりにも多いと警戒…下手をすると敵視されるから全兵力の20分の1のこれ位。
で、松田、フィロド卿、へクド・ギヨームコンビそれにファンテ君はそれぞれ別の役職についてるから任命するのは気が引けるっと。
ディアは…もっと自由に動いてもらいたいし、出来れば戦争自体に参加してほしくないから除いて…
「ん~…あ!」
そう言えばちょうどいいのが居た。位を上げるにはちょっと危険があってあげられないけどそれなりに有能…ってかかなり有能な奴が。
「ベルフェナンド君が居たや。」
確か一兵卒に落とされてたはず。唯一無二の親友はもう片一方しか残ってないけどかなり有能だ。説得して使おう。
「そうだそうだ。一回死にかけたし結構嫌いだけどまぁお互い様だしいいだろ。」
実家の試合じゃ殺し殺されってのは結構あったし、ベルフェナンド君に殺されそうになったヘイトもどっちかって言ったら言うこと聞かなかったあの村の馬鹿男に向かってるからそんなにムカついてないしね。
「なら決めた。」
「…ご主人様~ぶつぶつ独り言言ってるの変だよ~?」
言い争いを止めたディアに窘められたがまぁ自分でも思考をまとめたかったんだし仕方ない。大体独り言は癖みたいなもんだ。
王城の離れの一室に軟禁状態のベルフェナンド君の所に移動中にこんな独り言を言うようになった原因…過去のことを思い出す。
独り身が長いとな…自宅での会話相手がテレビになってな…それで…返事がない相手と喋るようになったら…うん。まぁいいや。
とか考えて今は何か婚姻状態だったと思ってディアと俺を挟んで反対側にいる幼女様を見るとご機嫌斜めだった。
「……ねぇ、旦那様?い・い・か・げ・ん・に・私の所に来たら?」
「今、忙しいです…」
…でも、独り身脱却…こんなロリロリ姫様で…いや、可愛いよ?綺麗だし、まぁ松田が礼拝場を作る気持ちも…それは流石に分からん。
けど、うん。美貌を誇っていいと思うくらいには可愛い…が、この歳の子と結婚は…
「…今日は、添い寝。」
「ディアが!ディアが!」
うっわ…2人そろうとマジ天使!拗ね気味の幼女様マジ可愛い!不穏なこと言ってるけど。無垢なディアも超かわいい!同調して倫理的にマズイこと言ってるけど。
「ウェルカム!そして死ね!」
「どっから湧いて出たぁっ!」
王城の学者と話していたはずの松田が実に良い笑顔と共に急に出現するとそのまま大振りのフックをノーモーションで決めにかかってきやがった。
が、俺は幸運にも滑ってしまったのでそれには当たらない。
「憎いよぉ…ディアちゃんどころかフロワたんまで誑し込んだこいつが憎いよぉ…」
「…ご、号泣するか…」
「秋彦さま…おいたわしや…」
何処からともなく現れたファムに慰められる松田…はいはいご馳走様ご馳走様。189歳のロリババアと末永くお幸せにな。
「…まぁ俺も後々に希望を持つとして、何してんだ?」
さっきまで泣いていたとは思えない顔つきで松田は立ち上がって俺に訊いてきた。寧ろこっちの台詞だと思いながら俺の要件を答えた。
「ベルフェナンド君を俺の直属部隊の副隊長にしようと思ってな。移動中。」
「それに、何で、フロワたんを、連れて行ってるのかな?見せびらかそうって?」
目が血走っていて引く。あの幼女様が俺の服を握って軽く引いてるくらいには怖いぞ。ここで下手な答えを返したら嫉妬に狂った松田に魔法攻撃とかされそうだ…
「そ、そんなことより、【黄昏の魔導師】は…」
「ごっはぁっ!」
あ、幼女様グッジョブ。君が俺の服を少し強めに引いて心なしか震える声で言ったその言葉は松田にクリティカルヒットだ。
「あ、お、ふ、フロワたん?その名前は…」
「【黄昏の魔導師】…ディアはもっと良い名前が付くように頑張るねご主人様!」
「がっはぁっ!」
おそらく、もっと有名になりたいというディアの純粋な言葉は痛々しい名前じゃないもっとマシな名前になるよ?と言う変換で松田の心を抉ったのだろう。
「…ふ、フフフ…大丈夫だ…ちょっと、ちょっと幼女成分が足りないだけだ。学者の中にロリロリしてるのが居ないのが悪いんだ…風呂に入ってないおっさんばっかりの部屋にいたから幼女成分が足りてないんだ…ちょっと、休憩…してくるよ…」
松田はボディにしこたま攻撃を喰らったボクサーの様な状態で去って行った。それでも幼女様にウインクして行ったことは…キモいな。
「…じゃ、行こうか…」
この後、幼女様の八つ当たりとも思えるような舌鉾で抉られたベルフェナンド君は弓を折られた精神的不安からか、間違った方向に覚醒して、幼女様…何か俺らに忠誠を誓ってくれた。
…このままいったら俺の軍が…いや、大丈夫だよね…?とりあえず、副長はドMだけど…
多分、能力的には使えるし!うん!ドM以外は多分大丈夫だから!少し幼い子供が好きになったとか…うん。
…気にしたら負けだ。俺は、勝つんだ…




