本国での宴…の前に
「フロワ様ぁっ!痛っ!え?何で?」
幼女様を見た途端にテンション爆上げだった松田が速攻でファムにボコられる。
…リア充死すべし。まぁロリロリんな奴に惚れられてる奴見てもなんとも思わんけどな。
…ただ、もし、松田を嫉妬で攻撃していたのがディアだったら内心で冗談交じりにふざけるのでは済まさん。ディアを嫉妬とか、悲しい、寂しい思いをさせた阿呆は俺が直々にボコす。
ディアを泣かす奴は殺すんだ。
…はっ!少々危険な思考に陥っていたな…最近ディアは俺に懐き過ぎて嬉しいんだよなぁ~はにかんだ笑顔とか最こ…
「…だ・ん・な・さ・ま?」
何か…可愛い笑顔で目が笑ってなくて、冷気が出て来てる…それも不味いが、それより引くのは…
「…ハッハ…ハハ…旦那様…?」
「…この前婚約したのをもうお忘れかしら?」
ハハハハハ…俺の中での悪夢の始まりみたいなもんだ。忘れるわけないじゃん。
「何だかとても酷い事を考えてる気がするけどいいわ。…【光の英雄】」
「ごっはぁっ!だ、旦那様の方で、旦那様がいいです…」
そっちの方が何千倍もマシだ!
「そ、そう。じゃ、旦那様。…ぅ…旦那様。本国で賞与が行われるから帰るわよ?」
「…あ~そっか~…怠いなぁ…」
なんか頬の少し朱が入った幼女様の言葉にげんなりする。付き合いは大事なのはわかってんだけどなぁ…どうも苦手って言うか…逃げてって言うか…
「旦那様。…側室は、ダメ。よ?」
「ハッハッハ!血の結びつきなんざ糞喰らえなんでね!勿論俺は側室なんてとらない「ディアも!?」」
ディアが急に跳ね起きた。
「ディアか~おっきくなったらな~?」
ハハハハハ!これが大きくなったらパパと結婚する~って言われた時の父親の心境か~!
最っ高にハイってやつだぜ!幼女様の睨み顔も何のそのだ!
「じゃ、じゃあ!【精霊様】に約束してくれる?」
「い~ぞ~?」
―――あによ?また呼んだわね?最近めっきり呼ばなかったから結構契約排除できたのに…―――
【光の精霊】を呼んだ。何か知らんがディアが用事あるらしいからな。
「ひ、ヒラツカ?私の目の前で堂々と浮気する気…?」
「ん~何が~?」
―――相当酔ってるわね~…んじゃぁ、今の内に契約破棄の手順をちょっと進め…やったぁ!流石私!一蓮托生で死ぬのは破棄完了…んにゃ?何か…信仰者がいる…?―――
幼女様がジト目+キレかけで、平塚は胡乱な目で、ディアが光り輝く平塚の周囲に対して跪き、光の精霊は平塚との契約を弄っている間に光の精霊がディアをじっと見た。
―――…流石、獣…何をしてこの子を誑し込んだの?吐きなさい!―――
「んぁ?誑し込んではないぞ?うん。」
「せ、精霊様!私と、この方との道を見守り、下さいませんか?」
―――ん~…穢れ無き心の願い…ね。でもなぁ~これアッ君の信者だし…でもアッ君はちょっとお仕事に出かけてるからな~…ん~…ま、いいでしょ。後で引き継げば…【汝が道に幸あれ】!―――
【光の精霊】の詠唱と共にディアを中心とした部屋の中、特にディアの体が一際大きな光を放つ。
―――正直~、こんなケダモノと愛を誓っても、勿体ないと思うけど…まぁ信仰心は頂きま~す。きゃっ♪ラッキー。これでふと思われた程度じゃ飛ばなくて済むわ~じゃ、こんな所に用はなし!ばっぁあ~い!―――
早口でまくしたてられて【光の精霊】は消えた。
「や、やったよぅご主人様!見て!見て!」
残された面々が呆然、もしくは我関せずと酒をかっくらう。またはお折檻状態の中、ディアが自身の左手の薬指に輝くリングを平塚に見せつける。
「認められたよ!ディアもっともぉっと頑張るね!」
「無理はしないでな?お父さん、ディアが怪我する方が嫌だからな?」
「お父さん…?ディア、ご主人様の子供じゃないよ…?」
今更ながらアルコールが体を回ってかなり酔ってしまった平塚にそんな正論は通じない。ディアの華奢な肩をバンバン叩くと子供はもう寝る時間だと寝かしつけた。
「…ヒラツカ。話がある。」
そしてハイパー幼女様が怒りで平塚の頭を小さなおててを氷で大きくしてアイアンクローし、平塚の手足を氷漬けにすると別室に引き摺って行った。
頭、いや全身を冷やされ酔いも覚めて行く平塚は別室で幼女様にベッドに放り投げられてようやく復活を遂げた。
「…何やってんだ俺…」
そしてすぐに凹んだ。これで推定年齢10歳の子供と婚約が確定している状態で更に精神年齢2歳の本気幼女を愛人に貰うことを決めたロリぺド野郎になったということに気付いたのだ。
(…いや、室町後期から安土桃山時代じゃ政略結婚で2歳とかの婚姻があった。俺は…俺はそれよりマシなはず。)
そう思わずには正気を保てそうになかったのでそう思うことにして目の前の美幼女様…怒れる美幼女様を見た。
(あ、アレ?何か…何か逆らっちゃ駄目な気がするぞ…?アレ?何でだ…?)
「…領地が広がったわよね?」
「はっ!」
「…貴族がいっぱいいたわよね?」
「その通りでございます!」
「…ドレス選びに付き合ってもらうから。」
「喜んで!」
何故かまったく逆らえない雰囲気を纏った幼女様相手に平塚は完敗し、その後各地を前にパレードで使った白馬に二人で跨って移動して、本国のパーティーに来ていくドレスを見繕った。
最終的にはご機嫌が直った幼女様は平塚と一緒に凱旋パレードを行い、そしてパーティーにもずっと一緒に居続け、最終的には落ち着いたという。
逆に平塚はいつも自分で嫌ってあまりかかわりたくないと思っている貴族連中にすら同情するような、そんな厳しい視線をぶつけ続けていた幼女様にいい年して怯えつつ過ごしたという。
ここまでありがとうございます。まだ、続きます。




