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異世界不本意戦争記  作者: 枯木人
スゥド王国戦~前編~
30/102

ニード山脈北部地域 第三戦・後編

 城一つに町6つ、砦11個。これ何だ?


 答え、俺らが4日で落とした場所の数。…もう…ね。ってか、ね。落としたって言ってもほぼ何にもしていない状態。

 悪徳貴族たちに虐げられていた農民たちが立ち上がってスゥド国から離反して『解放軍』が出来たんです。

 その攻勢たるは凄まじく、ニード山脈北部のスゥド軍はがったがた状態。特に年貢が重かったクトブルクは凄まじい。もう棺桶の中に片足突っ込んだ爺様から子供までスゥド国の紋章が付いた騎士を見ると襲い掛かってる。

 だから、クトブルクとは戦いって言うより着いたところで年貢減らすよ~って話と、ウチの領土だよ~って保証書を書けば終了。

 …アレ?俺…巡回に来てたんだっけ?


 そんなことを思っていたら、忠義の士が|悪徳領で最初に落としたレノウの正反対、スクースモレンって言う城塞都市ルノティアの東側から1000の兵力で攻めて来た。


 その辺は気を付けていたつもりで、斥候も放っていたが油断していたらしい。不意を打たれた。


 ルノティアにはギヨーム辺境伯とその奥方(予定)が居るし、城壁もかなり立派だ。兵糧もかなり貯めこんであるし、兵の士気はかなり高いということで一応問題ないとは思う。

 しかし、まともな実戦経験が乏しく、兵数がこちらの方が少ないという不安点もある。


 なるべく急いでクトブルクを落とそう…と思ってました。


 強行軍使うか…それとも1つ1つの場所での会談、及び降伏条件の交渉を後回しにするか…と悩んでいたところ。


 スゥド軍は『解放軍』と交戦。その際、忠義の士率いるスクースモレン軍内部で『解放軍』に寝返る者多数で乱戦に陥る。そこに辺境伯夫人へクド(予定)率いるルノティス駐在軍が突撃。


 結果、忠義の士を討ち取り、半数を討ち取った後、『解放軍』800と敗残軍400を連れてルノティアに帰ったそうな。


 …俺、こんなに楽してていいんかな?


 そんな感じで進んで行くと…クトブルク本領に着きました。そこで俺は出来ればいて欲しくなかった軍団の情報をディアから聞いた。


 鉄騎兵隊だ。俺が知ってる情報とはまた齟齬があるな…


「ちっ…面倒な…」

「んとね、100はいたよ?でっかくて、強そうだった。門前にバーッて並んでて色々警戒してた。」


 鉄騎兵隊。至る個所を鉄の防具で固めた馬と全身甲冑の人間が人馬一体となって襲い掛かってくる厄介な集団だ。

 前で戦えば馬にねられ、横に居れば人に殺され、後ろからでは追い付けない。


 『解放軍』の貧相な武装では攻撃手段もないという惨々たる有様だ。それはクリークの農民兵も同じこと。


 …まぁ、打つ手はあるんだけどね。定石だと落とし穴とかかな?まぁ設置させてもらえないだろうけど。


「…どうすっかな…真面目領主君との戦いのときの為に残しておきたいところだったんだが…ここで死んだら元も子もないか。…さて、使うと決めたはいいが…まだ扱いに慣れてないしな…」


 俺が困り顔でいるとディアが顔を近づけて訊いてきた。


「まっつんとへクドさんとディアを集めて【集合魔法】する?ディアの考えじゃこれしか手はないと思うけど…」

「…あ、魔法…そうか。その手があったか。」


 失念してた。ここファンタジックな所でした。俺の顔が晴れるとディアは喜んで続けた。


「えへ。ディア役に立った?すぐに呼びに行く?」

「…ディア。火の魔法って使える?」

「え、うん。」

「よし、じゃ…あの鉄騎兵は滅んでもらおうか…」


 作戦決定。


「…ディ…ディア、その顔のご主人様でも、好きだから…安心してね…?」

「…なぁ、一回鏡持って来てもらってもいいか?綺麗に写るやつ。そろそろ俺の顔がどうなってるか気になってきた。」



















「…全軍!来たぞ!愚かな侵入者どもを根絶やしにせよ!」

「「「「オォーッ!!!」」」」


 さて、見つかった。で、盛り上がっているところ悪いが…


「工作兵!」


 死んでもらうわ。


 俺の命令によって工作兵たちは袋を鉄騎兵に投げつける。それは鉄の防具に阻まれて一切ダメージを与えられない。

 そのお粗末な攻撃に相手が残忍な笑みを浮かべてこちらに襲い掛かってくる。そこで俺は隣にいるディアに命を下した。


「撃て。」

「【ファイアアロー】!」


 撃ったのは炎の矢が10本勢いよく撃ち出される魔法。因みにこれでも中位魔導師に認定されるそうな。


「恐れるな!魔法といえどもこの鎧の前では…」


 その声は最後まで聞こえることはなかった。俺の軍が投げた袋に火の粉が散るなり轟音と共に連鎖爆発を起こしたのだ。


「…あっぶね…目算ギリギリってところか…」


 熱風がこちらに吹き抜けるものの、爆発の直近にいた敵兵の死を確認。また、轟音によって馬が暴れて騎手を落としたり踏み潰したり、制御が利かなくなっている。


「オラ!行くぞ!人間を狙え!馬は放っておけ!」


 勿論この混乱を見逃すほど馬鹿ではない。黒色火薬程度じゃほとんど死んでないだろうしな。徹底的に潰させてもらう。


「…本当に、ご主人様凄いね…」

「ん?どうした?【古仙式・衝根撃】。」


 俺が鎧通し的な技を使って甲冑騎士を殺しているとディアがふとそう呟いた。


「…ご不浄を…にこにこしながら見てた時は本当に、ディア恥ずかしいことするのかな?って思ってたけど…」

「…ディア?何回も言ったが…それはない。俺にそんな趣味はない。いいな?無いんだ。」

「…必死だったから…でも、本当のことだったんだね!凄い!」


 よし、まだ誤解していたことについては置いといて、思わぬ副次作用があった。これはこれでかなりの収穫だ!


 この後、大爆発を聞いていた上、鉄騎兵隊が壊滅状態になったことを知った門兵の騎士が無条件降伏。

 真昼間と言うのに酒池肉林みたいな宴をして飲んだくれていた糞領主は状況把握も出来ずに「無礼者どもめが…衛兵!打ち殺せ!」とか言って衛兵に打ち殺された。


 その後、死体を外に張り付けておいた。消えたけどどうなったのかは知らない。


 これでクトブルク戦は終了だ。とりあえず中にまだ貯め込んでやがった財宝を一部ばら撒いて次に出ようか。




 因みに、忠義の士のところも重税でした。理由は他の所からの流民への対応。

 ルノティアは栄えているという事で、悪徳貴族の犬がうろうろしていた(実際はへクドの誘導)ので流民はあまりいませんでした。

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