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異世界不本意戦争記  作者: 枯木人
立身編
11/102

部屋でゆっくりしようと思ったけど…

 奴隷解放を行って部屋に転がり込んだんだが…まぁ部屋は俺と松田の分の二部屋で男と女で分ければいいか。と思っていたらディアが俺から離れない。


 くっそムカつく目を松田が俺に向けてきたがディアは離れると不安になるようなので仕方なくディアを俺の部屋で引き取ることにする。幸いベッドは大きいので触れないで済むし、奴隷解放したからディアも俺を視界に入れてれば大丈夫だろうし安心してゆっくりできる。

 …はずだったんだが…


『なぁ…俺風呂行きたいんだが…離してくれないか…?』

『やだ。お風呂なら一緒行く。』

「…お前俺に散々ロリコン犯罪者とか言ってたけど…」

「黙れ…」

「オーケー。…まぁ言わなくても自覚してるだろ。」


 ずっと袖をつかんで離さないディア。ファムと一度離れて冷静に自身にとってロリ道とは何かを考え直しに来ている松田が五月蠅くてゆっくりできない。


「…そういえばお前アイデンティティが崩壊するぐらいなのに何でファム買ったんだ?」


 ロリとは肉体か、精神かと五月蠅い松田に訊いてみた。すると松田は軽く答えた。


「まぁ…ファム…いや、あの一族が生きているとバレたら確実に居場所を追及されるから見破った人に絶対に買ってもらって自身の精一杯の奉仕で満足させるから一族は見逃してもらうつもりって言うから…」

「…変態め。」

「…?いや、手を出す気はないぞ。ロリとは愛でるものであって悲しませるものではないしな。」

「あっ…そ。」


 松田と話しているとディアがごそごそと俺の前に座って俺の手をシートベルトのように絡ませる。…くっ…胸が…マーラよ去れっ!


『何の話してるの?』

『…こいつの主義について。』

『へ~…』


 興味なさそうだ。そんな感じに他愛もない話をしていると部屋の前に人の気配がした。


「…誰だ…?」


 俺が警戒しているとノックされた。


「…本日よりヒラツカ様のお付きになりましたモルドーモと申します。入ってもよろしいでしょうか?」

「…あぁ。」


 渋い男の声がして俺の部屋に老紳士が入って来た。ディアはその姿を見て俺の後ろに隠れる。


「…そちらの方は…」

「養い中の子供だ。出来ればあまり脅かさないでやってくれ。」

「…畏まりました。」


 とりあえずお付きと言うのだから上から目線で言った方がいいんだろうな~と思った俺はぞんざいな口調で言っておいた。そしてモルドーモは松田の方を見る。


「これはこれは…今松田様の方にもお付きの者が行っておりますがこちらにおられましたか…」

「えぇ…部屋に戻った方がいいですかね?」

「是非そうしてください。彼女も喜びます。」

「わかりました。」


 松田は丁寧な口調で受け答えをすると部屋から出て行った。…そう言えばこいつは初対面の奴には丁寧口調だったな…(幼女除く)

 そんなどうでもいいことを考えているとモルドーモと名乗る老紳士が話を切り出した。


「…さて、明日より姫様の護衛に当たられるわけですが…その前にヒラツカ様。」

「ん?っ!」


 気付くと目の前にフォークが迫って来ていた。俺はそれを避けるとディアに当たりそうだったので掴んだ。


 ―――ちょっと!敵!?じゃあ殺していい!?―――


 そうすると何故か光の精霊が来た。


「フム…姫様がお見込しただけありますな ―――ちょっと実家てんに帰ると何契約とかしてるんだってお母さんに怒られたりしてむしゃくしゃしてるのよ――― ですがこちらには気付かれなかったようですな ―――八つ当たりだけど敵ならいいわよね!―――」


 なんて言ってるか分からない。超被って聞こえる。


「…ちょっと別々に喋って…」


 ―――こいつを永遠に喋れなくすればいいのね!―――


「違う違う!えーとモルドーモ?ちょっと待ってろ。今光の精霊と会話中。」

「!?今…何と…」


 ―――あ~バラしたわね~まぁいいわ。私の偉大さを知るがいいわ!―――


「?何言って…ってうおっ!」


 俺の左手が突如輝きだし部屋が昼間より明るくなった。それを見てモルドーモが感激している。


「おぉ…これだけの量の光…人間の魔力には到底不可能な技…精霊様がいらっしゃるのは本当のようですね…」


 跪いているモルドーモを半眼で見ていると光の精霊様がドヤ顔で俺の眼前にやって来た。


 ―――どーよどーよ!精霊信仰もないド田舎から来たあんたは分からないみたいだけど私ってば偉いのよん!―――


「…へ~」


 ―――この国は氷の精霊の信仰を主にしているみたいだけど私はこの大陸全土で崇められてるのよ!―――


「凄い凄い。」


 ―――フフ~ンそうよ。私は凄いのよ!―――


 何かに満足した様子の彼女は八つ当たりしに来たのをすっかり忘れて実家てんに帰って行った。


「…はぁ。危うくこの部屋に雷が落ちるところだ…モルドーモだっけ、気を付けてくれ。」

「はっ!」

「後これ。」


 俺は飛んできたフォークとフォークを投げた後おそらくディアを狙ったであろうゴム製のナイフをモルドーモに返す。


「…これはこれは…気付かれておりましたか…光の精霊様にも見込まれておられる方を見定めようとは私も愚かな真似をしましたな…年は取りたくないものです…」

「…まぁ当たったら痛いだろうからディアを狙うのは止めてほしいが…まぁ護衛だしそうだよな…」

「ホッホ…護衛の経験もおありでしたか…失礼しました。」


 腰を深く折るモルドーモ。


「それではこれより明日からの業務内容についてご報告させていただきます。」

「はいはい。」

「…まずは国境騎士団の視察です。その為朝の9時に出発ですが…」

「…ですが?」

「姫様のご希望で8時から朝食を一緒に取るようにとのことです。」


(…めんどくせぇ…代わりに松田を送ってやろうか…?)


 流石に鬼過ぎるかと思った俺は止めておく。高給取りなのだ。多少頑張る予定はあった。


「そして戻って参りましたら書類を整理する姫様の警護。それをヒラツカ様がやると決めた時間までやってもらうのが明日の業務となっております。

「…それだけ!?」

「えぇ。」


 すっくな!…いや、警護の時間次第か…でもアレだよな。俺がいいって思うまでだよな…逆に怖いんだけど…


「後は明日、姫様が直々に仰るでしょう。それでは失礼します。」

「え?あ…はい。」


 モルドーモは出て行った。(次からモルドーと呼ぼう。モが邪魔い)そうするとディアが涙目で俺の方に寄って来た。


『…どうした?』

『ナイフ…飛んできた…人間怖い…』


 …あーいかん。さっきのやつだ。止めたから大丈夫と思ってたがそんなことなかった。


『…じゃあもう寝るか。』

『お風呂…入ってみたい…奴隷商会じゃ体拭くだけだったから…』


 時間に解決してもらおうと思っていた俺だったがディアは風呂に入りたいようだ。


『あーじゃあ行って来い。そう言えば俺も大分汚いな…』

『一緒に入ろ!一緒!一緒に!』

『………む…り。』


 30代の俺としては自制心がかなり鍛わっているんだが生憎肉体は10代思春期まっただ中で性欲滅茶苦茶ですので!


『うぇ…?駄目なの…?一人だと怖い…ご主人様来て…』


 くっ…これだから美少女ってのは…くそっ!断れねぇ!


『分かった…』


 この後俺はこの世界に来て一番精神力を使ってついでに体力も使い果たした。が、その甲斐あって手は出していない。ベッドも一緒でしがみ付かれて色々柔らかいものが当たってかなりやばいことになっていたが俺は耐えた。頑張った。

 だが幸運にも・・・・精神が風呂場で疲れ切っていた俺はその後、寝れるわけないだろ!と思っていたが寝ることに成功した。

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