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石田の場合

アニメを見たのなんて何年ぶりだ?

週末の夜や夏休みに、某有名どころの映画なアニメをテレビで見るのを除けば、記憶に浮かばない。


久々に集まった友人宅で酒を飲んでたら、仲間の1人がアニメの時間だとかでテレビをつけて。

面白かった。

アニメって子供向けという印象でバカにしてたけど。あれは子供はストーリーについてこれないんじゃないか?人間関係もドロドロ過ぎるし。キャラクター達やナレーションの言葉も、あんまり柔らかくない。難しくて意味の分からない子も多そうだ。

あとは映像も綺麗だった。

某有名どころも綺麗だとは思うが、それらとも違う綺麗さだと思う。

次回が気になり、それ以来、俺はアニメの続きを見るようになった。


第一期、だったらしい。

原作はずっと先まで進んでいるそうだが、アニメはクールがどうこうと友人が説明してくれた。分からん。

だが、人気がある為、恐らくは続きもそのうち放送されるであろうことは把握した。

待ちきれる気がしないと話したら、原作について教えてもらった。


小説を読むのも、何年ぶりになるだろう?

新聞すら読んでいない。仕事の資料やメール・SNS以外で文字を読むこと自体が久々な気がする。

メールで送られてきたURLにアクセスする。アニメは途中からの視聴であった為、序盤の流れや基本設定を知ることができ、作品への理解も深まった気がする。あれは、そういうことだったのか。

しかし、スマフォで読めるのは便利だと思ったが、目が乾く。コンタクトの人間に、こんなに目を酷使させんじゃねぇよ。


愚痴ったら、書籍版を紹介された。

先にそっち教えろ。


文庫サイズだったら言うことなしだったけど。にしても、スマフォより見やすいが分厚いなこれ。まぁ、躊躇なく購入した。とりあえず、1巻。話が面白いことは知ってるしな。

本屋にも久々に行った気がする。学生時代に参考書を見に行ったり、漫画買ってた頃に通ったくらいじゃねぇかな。懐かしい。

帰宅して……そうだな、寝る前に読むかな。


友人曰く、無料のあるし金を出させるのは気が引けたとか。

彼女も居なけりゃ、特筆した趣味もねぇ社会人にそんな心配すんじゃねぇよ。くっそ、彼女よこせ。

お前のオタ彼女の友人たちは遠慮するけどな。

そんな戯れ言を叩ける友人との関係は良好だとは思うが、誰かに勘繰られるような関係にもなりえない。やめてくれ、切実に。


1人暮らしも長くなってくれば、帰宅後の自炊も手馴れたもので。週末に炊き、小分けに冷凍しておいたご飯をレンジにかけたりとか。今朝、作った弁当の残りを取り出したり。あとは適当に肉と野菜を炒めてみたりとか。スープはインスタントで良いか。お湯を沸かそう。

沢山の品数がある食卓に憧れを抱きつつ。そんなに作っても食べきれないのは分かりきっている為、2~3品が基本だ。更に言えば、同じおかずが数回続くのは当たり前となっている。少量つくんの難しいんだよ。

あー…明日は焼き魚とか食いたい気分。今の旬って何だっけか。


食べ終えれば食器は水につけて。風呂はシャワーだけで済ます。

髪は放置。勝手に乾くだろ。その間、明日のYシャツにアイロンかけようか。

いつもの流れ。アイロンが終われば食器を洗い、水がある程度切れるまでは置いておく。

その間に明日の朝ごはんや弁当の支度。っと、明日はごみ出しの日か。まとめておかねぇと。

そうこうしていれば、就寝時間になる。

仕事鞄を定位置に置き、スマフォを取り出して目覚ましアラームをセットすれば充電器の上へ。

――そこで、本に気づく。忘れてた。


まあ、あと1時間くらいなら大丈夫か。時計を確認しつつ本を取り出し、食卓の椅子に座る。

ペラリとページをめくり、おさらいする。スマフォで読んだのと、ストーリーとしては大きく変わらないが、1ページ目から少し印象が違った。しかし、やはり紙媒体の方が読みやすい。

仕事でも、パソコンで打った文章を校正する際には印字した方が見やすく、ミスにも気づきやすいし。

ペラリと、また紙をめくる。読書が久しぶりの身ではあるが、読みやすくてさらさら進む。少し疲労を感じたところで顔を上げて。ちらりと時計に目をやれば、まだ30分程度。

少し考えて、今日はこのくらいにしておくかと本を閉じ――ようとしたところで、栞になるものを探す。

読書好きの妹は、本屋に行く度に栞を増やしていたような気がする。けど、その栞を使っているところを見たのなんて数えるほどじゃねぇかな。大抵は、メモ帳の端とか、ティッシュとか、レシートとか……ああ、ティッシュで良いか。

読み途中のページに指を入れ、ティッシュと入れ替えた。そのまま食卓机に本を置き、ベッドに体を沈めた。


そんな感じの生活を続けて、約1ヶ月。

本を読まない日もあったが、のんびりと読み進めて1巻の読了を迎えた。教えてくれた友人にメールで報告したら、「遅ぇ」の一言。ったく、口の悪いヤツだ。

1巻までだと、まだアニメでストーリーは知っている部分だった。アニメと小説とで展開の違う部分や、飛ばされた・付け足された部分もある為、それはそれで違いを楽しめたけどな。

明日の帰りにでも次の巻を買って帰るかと思いつつ、1巻の置き場所を悩む。

そういや、本棚ないんだった。これ、全何巻になるんだろう……?


1冊読み終える頃には、最新刊が発刊されて。追いつくどころか置いていかれそうな状況らしい。

作者さん、書くの早ぇよ。ゆっくり書いてくれて良いから。

だからといって、急いで読み進める気にもなれないけどな。


まったりと自分のペースで読み進め、アニメの続きに差し掛かる3巻の中盤に差し掛かる頃。

アニメの2期に関する情報がヤツから届いた。

原作で先まで読み進めようか、アニメと共に進むか悩ましいじゃねぇか、まったく。

少し悩んだが、アニメが始まったらきっと読むのは一時止まる。じゃあ、今のうちに読み進めておこう。でないと作者に置いてかれちまう。


ぱらり。今夜もまた、少しずつ読んでいく。この作品の最新刊まで追いつけた時、他の小説も読むようになるのか。

それはきっと、この後の出会い次第――。

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