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終章 旅立ち
ギィィィッッッ…………。
“都”への扉を開け、彼は小さな声で呟いた。かあさま、行ってきます―――と。
「……あれ?」
弟以外、傍には誰もいないのに声が聞こえた。何処か耳に馴染みのある、ややハスキーな男性のボイス。
―――そら、行って来い。母親が待ってるぞ?
「誰……?……あ」
「兄様?どうしたの?」
幼い同行者に見られたくなくて、目から零れ出る物を慌てて袖で拭った。
どうしてだろう。やっと約束通りハワードさんに会いに行ける。希望に胸は満たされているのに……何故かとても、とても切なかった。




