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姉が過去からやってきた。  作者: ゴリヴォーグ
南雲姉弟と氷上姉弟
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生徒会長狂想曲~Ehara box~

 クイズです。うちの学校の生徒会長は誰?


「麻生先輩でしょ?」

「いおりんはぁはぁ」

「ええ!? 伊織じゃないの!?」


 正解は?


「俺だよ!!!」


 すんません。一般の方は立ち入り禁止なんですけど……。


「俺は生徒会長だ!!」


 ええーっ!! 冗談はよし子さん。


「ギャグが古いんだよ!! 生徒会長だって、ほらっ! 腕章!」


 これ、偽者ですね。


「本物と偽者ってあるの!?」


 まあ冗談はこの辺にしておいて……。本当に生徒会長ですか? よくてクラスの選挙管理委員みたいな顔してますけど……。


「どんな顔だよ!!」


 地味。


「ストレートだなぁ! 二文字で終わらせやがったよ!!」


 普通。


「一文字増えて三文字だ!!」


 ノーマル。


「まだあんの!? しかも一文字ずつ増やす意味あるのか、それ?」


 仕方ないじゃないですか。普通生徒会長ってもっとなんと言うか、オーラがあるじゃないですか。あなたにはオーラが無いというか……。


「庶民派会長ってことだよ」


 探偵学園の三郎丸君みたいというか……。


「まさかの東大!? 生まれて初めてだよ、三郎丸君に似てるなんて言われたのは」


 初めてを……、頂いちゃいましたね。


「何それ卑猥!!」


 会長は卑猥と。


「そこだけメモすんなや!!」


 会長×三郎丸と


「何勝手にクロスオーバーさせてんだよ!! そろそろファンに怒られるぞ!?」


 女子のたしなみです。


「頭に腐るってつくだろそれ」


 まあそれは良いとして、なにやら会長さんから連絡があるそうなのですが……。


「ようやく本題に入ったか……。えーと、生徒の皆様こんにちわ! 生徒会長の江原です!」


 天野です。


「あんたただの放送部だろうが!! 邪魔しないでくれる!?」


 えー、気の短い生徒会長でしたね。


「なに終わらそうとしてるんだよ!! 俺の用はまだ始まってすらないの!!」


 じゃあさっさと言えよ。授業はじまるだろカス。


「逆ギレ!?」


 えー、一向に進まないんで私から。本日の放課後より、次年度生徒会長選挙の立候補を受け付けます。われこそはっ、と思う方は気軽に生徒会質まで来てください。会長の財布が厚いです。


「なに勝手に進めてんだよ!! そう言うことです!! 来週の水曜日まで受け付けていますので、学校を良くしたいと思う方、学校を盛り上げたいと思う方はぜひとも立候補してください!」


 内申書の点数がほしい方も歓迎です。


「あんたは黙ってろ!!」


 以上生徒会長からの報告でした。



――



「生徒会長ですか? 拒否します」


「まだ何も言って無いじゃん!!」

 生徒会長選挙。それはどこの学校にもある行事だが、学校によっては熱の入り具合が違うだろう。我らが御崎原高校はと言うと、毎年一人候補者が出ればいいぐらいの弱小行事である。基本的に他薦が多いのも、そのような別に誰でも良いんじゃねっ? という風潮のお陰とも言える。


「だからって僕に振るのは関心しません。先生もいれて今日だけで15人に言われましたよ」

「いや、まだ僕何も言ってないんだけど……」

 自分がなるのが嫌なので、他薦という手段に出るわけで。スバリ人任せなわけ。

 例えば、今目の前でふて腐れている伊織とか。


「評価してくださるのは嬉しいのですが、私は会長になるつもりはありません。だってなったら天文部どころじゃなくなりますから」

「伊織さんの場合、天文部じゃなくて南雲先生だと思うけどな?」

 ボソッと言う山本。デビルイヤーは地獄耳だぞ。

「山本さん、何か言いました?」

 ほらね。

「言ってません!!」

 伊達に僕の心の声を読んではいないからな。陰口なんかするもんじゃない。


「とにかく、そういう事情で辞退します。それに、クラスにはもっと相応しい方がいますので。僕たちのクラスは彼女を擁立しますので」

「あー」

 そうだな。あの子がこんなイベント事を見逃すわけがないか。


「彼女なら学校を巻き込んで楽しいことをしてくれますよ」



――



「なぁ伊織?」


「どうしましたか先生」


「鏡の中にいたときだけどさ、僕に言いたいことがあるって言ってたじゃん。あれ結局なんだったの?」


「あ、あーそういやそんな事言いましたね……」


「どうした?」


「情けない話なんですけど、忘れちゃいました」


「なんだそりゃ」


「思い出したら言いますよ」


「んま、気長に待っとくよ」



――

 次の日



「南雲美桜はいるか……ってきゃああああ!!!」





「なになに、南雲を呼ぼうとして、間違えて男子の更衣を見てしまい、悲鳴を上げて思わずジェノサイドしてしまったと」

「だってぇ……、仕方ないじゃない!! 男の着替えなんて小学校以来見たこと無いわよ!! お父さんのだって見たこと無いのに……」

 さて、御崎原高校最悪のジェノサイド事件の犯人はというと、珍しくしょんぼりしている。いつもの彼女なら、

「着替えているほうが悪いわ!!」

 とか言いそうなのに。

「ぴ、ピュアなのよ!!」

「さよか。で、何の用があったのさ。僕が言付けておくけど?」

「それには及ばないわ。私の口から言わなきゃ面白くないもの」

 また何か企んでるな。悪戯を思いついた子供みたいな顔をしている。

「まあ楽しみにしといて!!」

 碌な目にあわないよね、絶対。



――



「南雲美桜はいるかしら!?」

「今授業中なんですけど……」

 そっちのクラスはどうか知らないけど、今うちのクラスは絶賛授業中じゃんか。なんでこうこっちの都合をスルーしちゃうかなぁ……。

「理名ちゃん、授業してるから邪魔だよぅ……、うう……、見ないでください……」

 ほら。入野もそういってんだからお引き取りください。


「理名ちゃん、アナタも懲りないわね! また決闘でも申し込みに来たのかしら?」


 あんたもレスポンスとるなああああ!!!


「決闘ねぇ? そうね、そう言われればそうなるわね」

 理名ちゃんは姉さんを指差し、


「南雲美桜!! 生徒会長選挙で勝負よ!!」


『……』


「理名ちゃん。ものすごーく言いにくいんだけど……」


「なにかしら? まさかこう先生が立候補するの?」


「んなわけあるか。あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけど、」




「一年生は会長に立候補できないんだよね」


ハズッツ?(嘘でしょ?)


ティンライク(ホント)

 なぜかハンガリー語で返答してしまう。買っててよかったポケットハンガリー語辞典。


「そ、それじゃあ……」


「君の不戦勝」

 理名ちゃんはワナワナと震えだし、


「だったらなんで立候補したのかわからないじゃないの!!!」

 なんとなくそんな気はしてたけど、生徒会長という椅子より、姉さんに勝つことのためだけに立候補していましたか。


「立候補取り消してくる……。失礼しました……」

「まだ授業中だからね、生徒会室開いてないよね」

 意気消沈モードで教室を出る理名ちゃんと、みんなに見送られて恥ずかしそうな入野。何故か可哀想になってきたぞ。



――

 次の日



「南雲美桜はいるかしら!?」

「なんで僕がいるときに限ってはせ参じるんだよおおお!!」

 前日どうして生徒会長に立候補したんだろ、私ってほんと馬鹿って感じだった理名ちゃんが、いつもの勢いをもって教室に乱入してくる。

「また来たの……?」

 流石に姉さんも呆れている。こいつのこの根性は他に活かせないのか?

「ふっふっふ、今日はビッグニュースを持ってきたわよ!!」

「はいはい、凄いねえ。帰ろうか」

「少しは興味ありそうにしなさいよ!! 私だけテンション高くてピエロみたいじゃない!」

 昨日は落ち込んでたから心配だったけど、どうやら杞憂に終わったっぽいね。えがったえがった。

「で、ビッグニュースってなに? それだけ言ったら帰ってもらえる?」

「歓迎されてないわねぇ……、まあ良いわ。南雲美桜!! よく聞きなさい!」


「今年から一年生も立候補できるようになったわ!!」


『……』


「なに言ってんの?」

「これを見て頂戴!!」

 理名ちゃんは一枚の紙を見せる。なになに……?


『生徒たちの自主性に期待するため、これまでは立候補が制限されていた一年生にも会長選挙への立候補を許可する。御崎原高校理事長、御崎原峰子……』


「理事長のお墨付きよ!!」


「なんでやねえええええん!!」

 峰子さんなに許可しちゃってんの!?

「へっへーん」

 理名ちゃんも理名ちゃんだ。昨日と今日で校則をひとつ変更しやがった!! 生徒総会まだ始まってないだろうが!!


「というわけで南雲美桜、会長選で会いましょう!!」

 満足したのか、理名ちゃんはこちらの返答も聴かずに帰った。どこまでも台風な子です。


「で、どうすんの?」

 姉さんはクラス中の視線を集める。まあ小川は相変わらず夢の中だが。


「ねえ、私これに出なきゃダメなの?」

 うわぁ、すっげー嫌そう。

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