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姉が過去からやってきた。  作者: ゴリヴォーグ
時をかけた姉、深層のご令嬢、台風を巻き起こす女
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天文部の女神~I feel the heroine has changed recently~

「僕たち体操部は現在男子8人女子10人で毎日活動しています! 体を動かすのが好きな人や初心者も大歓迎です!!」

 体操部主将と思わしき生徒は助走をつけずにその場でバク転を成功させる。頭打たなくてよかったなあ。打ったら勧誘どころじゃなくなるもんな。

 さて、三つ巴の好きです宣言から一夜が明けた今日、新入生は体育館にてクラブ紹介を受けていた。それなりの進学校だとか吹奏楽の名門校として名が知られている崎高だが、吹奏楽以外のクラブ活動も活発だ。例えば、藤堂先生が顧問をする柔道部は、インターハイの常連であり、5年前にはオリンピック強化選手も出したぐらいだ。普段は生徒たちに嫌われる藤堂先生も、柔道のこととなると実績も出しているため文句が言えなくなる。

 もちろんクラブ紹介は我らが天文部も例外ではない。先代のOBたちから脈々と流れるクラブの精神や伝統を守り続けるため、なんとしてでも新入生を獲得したいのだ。

「先代って天文部まだ創部二年目じゃないですか。それに卒業された先輩方もやりたい放題されてましたし、精神も伝統も有ってないようなものじゃないですか」

 しかし部長様は余りやる気がない。というのも、

「天文部は僕と先生の癒しの場ですから」

 と伊織がいうように、ある種の聖域と化している。

「ただのイチャツキ部屋じゃないの……」

 と某物理教師は言うが、そんなことは……あるね、存外に。

「新入部員入らなかったら廃部だぞ。するとどうなる? 伊織の煎れるお茶が飲めなくなる。」

「いつでも屋敷に来てくださればお入れしますよ?」

「恐れ多くて行けねえよ。家庭訪問も別のところで行ったじゃんか。その時はお手伝いさんが応対してくれたけど。それに他のクラブの顧問にまわされる」

「それは困りますね。理事長に金色のお菓子でも渡しましょうか?」

「買収スンナ。あと峰子さんは金には困ってないぞ」

「じゃあ花澤○菜の直筆サイン」

「……その手があったか。ってもうすぐ出番だぞ。新聞部の後に天文部の紹介だからな」

「まあ先生が必死そうなんで軽く行ってきますね」

 そう言って伊織は待機場所に移る。


「――スクープが欲しい方、この学校を裏から牛耳りたい方は是非とも新聞部へ! ペンは剣より強し!」

「新聞部の紹介でした! 次は天文部の紹介です」

 なかなかに反骨精神旺盛な新聞部の紹介が終わり、放送部のアナウンスを受けて伊織が壇上に上がる。


「みなさま、ご入学おめでとうございます!! 天文部部長の麻生です! 天文部は現在部員が私しかいませんが、南雲先生のご指導の下日々緩やかに活動しています。さて、ここでみなさまにクイズです。現在正座は全部で何個あるでしょうか? もしその答えが知りたい人は天文部に遊びに来てください! 以上で紹介を終わります。御静聴、ありがとうございました」

 やれば出来るじゃないか。後は新入部員を待つだけだ。興味を持ってくれるといいけど。

 


――



「ゴメン、まさかここまで凄いと思わなかった」

「僕の神演説のおかげですよ」

「いや、演説云々より……」

 放課後僕らを待ち受けていたのは、見事に男、男、男……。その多くが明らかに星なんかじゃなくて伊織目当てな気がする。いや、そうだろう。

「俺なんて星を見てあげぽよおおって感じぃなわけよ、もうデネブアルタイルベガなんて余裕すぎてやべええわ、サイコクラッシャーって感じよ」

 古村みたいなやつがほとんどじゃねえか!! そしてこいつぜってー分かってねえよ! ソニックブームでもしてあげぽよってとけ!!

「チョゥリース!! って南雲せんせぇじゃねえの、なんでいんのさ! ひょっとして入部希望だったりぃ?」

 チャラ男代表古村が僕に話しかけてくる。

「悪かったな、顧問なんだよ。お前こそなんで天文部なんだよ」

 野球部じゃないのかと言おうとしたが口を噤む。どうも野球部は禁句らしいからな。

「いやいや俺ほど天文部が似合う男もそうそういないっつーの。てかもう星を見るために生まれてきたって感じ?」

 ボールを投げるための間違いだろ。


「どうする? こういっちゃ何だが殆どが伊織目的で来てるぞ」

「好意を向けられるのは嬉しいのですがこれは少し……。そうですね……。僕も先生との時間を邪魔されるのは不本意ですし……、そうだ!!」

 閃いたっ! と言わんばかりに声を上げる。頭の上に豆電球が輝いてそうだな。

「入部テストをしましょう!!」

 

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