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姉が過去からやってきた。  作者: ゴリヴォーグ
僕と周りの女性たち
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クラスメイトは変わり者ばかりでした~Fantasy of the class~

「えっと、伊藤拓也です。中学の時はテニス部に所属してました。今んとこは特に入りたいクラブはないっす。後、良く普通とか田中太郎とか呼ばれますがあまり言われるのは好きじゃないです。そんなに普通ですかね?」

 普通です。これといって特徴がないですね。中肉中背、平々凡々って言葉がピッタリですよ。

「そんなに普通が嫌なら髪型を鞭髮にしたらいいじゃん。別に校則に鞭髮を禁ずる項目はないし、それにラーメ〇マンみたいで良いんじゃないか?」

「嫌ですよ! 今日日そんな髪型いませんよ!」

「亀田家三男」

「昔の話だろうが!!」

「はい、次」

「スルーするなよ、おい!」

 こいつはツッコミ体質か。僕とキャラが被るな。しかし本当にラノベの主人公みたいなやっちゃな。



――



「チョリース! 東中から来た古村潤平で~す! 中学の時はクラブとかしてませんでしたー! 好みのタイプは清純な子で~す。今彼女いないんで誰でもジャンジャン来てくんろ!」

 中学時代の写真より進化してねえか? 髪はメッシュを入れているのか金髪に赤色が混じっており、制服も盛大にはだけている。しかも無意味に指輪も沢山ある。なんつうか、チャラ男という言葉がこれ以上似合う人間いんのか?

「なんすかなんすか~、盛り上がり悪くね?」

 初っ端からそんだけチョケられたら周りは反応に困るだろ。

「ノリ悪いなぁ、も~。そんなんじゃこん先やってけないじゃぁ~ん」

「君もバッテリー切れすんなよ。それに君は中学の時野球部にいただろうが」

「あん?」

 中学の時はクラブをしてなかったというのが気になって言ってみたのだが、どうやらあまり触れていい話題じゃなかったようだ。その証拠にさっきまでチャラけた雰囲気とは一変してこちらを睨む。

「せんせえ、それ別人じゃね? だって俺野球大嫌いだし。だせえじゃんか、丸坊主とか。時代はバンドっすよバンド」

 その場でエアギターをしてバンドを強調する。このまま続けても埒があかないな。

「まあ君がそう言うのならそうなんだろう。悪かったな、んじゃ次の人」

 どうやらコイツは一筋縄ではいかなさそうだ。



――



「え、えっと、西邑歩です。そ、そのえっと……」

 自己紹介が恥ずかしいのだろう、モジモジして緊張しているその様には庇護欲が駆り立てられる。

「そ、その……よろしくお願いしましゅ!!」

 緊張のあまり噛んでしまう。それをまた恥ずかしがる彼はまさに可憐なツルペタ少女だ。

 しかし騙されてはいけない。何を隠そう実は彼女ではなく彼なのだ。最近は彼のような子を男の娘と言うらしい。なんつうか峰子さんが気に入りそうだ。中性的を通り越して女性的、もしかしたらこのクラスの誰よりも女の子らしいのかもしれない。

「せ、先生、僕の顔に何かついていますか?」

「いや。うちの理事長に気に入られそうだなって」

「ど、どういう意味でしょうか?」

 一言で言うなれば、萌。



――



「氷上睦です。よろしくお願いします」

 随分シンプルな自己紹介だな。他にないのか?

「特に無いもんはねえんだよ。性別男、これで文句ねえか?」

 んなもん見たら分かるがな! 西邑君が言うならまだしも君どっからどうみても日本男児だろうが!

「んだよ、まだ言わなきゃなんねえの? んじゃ好きな食べ物はプリンとモンブラン。座っていいか?」

 あっ、意外と味覚は子供だったりして。後出来るだけ教師には敬語使ってね。

「善処しとく」

 なんでこんなに偉そうなの?



――



「度会和久です。特にクラブはしていませんでしたが、趣味は料理です。一年間よろしくお願いします」


 ふむ、爽やかだ。正統派イケメンというに相応しい爽やかさだ。正統派イケメンってどんなイケメンなんだろ。

「ちなみに得意料理は?」

「得意料理は肉じゃがです」

「へ~、肉じゃがなんですか~。僕も好きだな……ってお見合いみたいだな」

「ははは、家庭的とは良く言われますよ」

 まあ家庭環境が環境だからな……。入学した日にアルバイト許可書貰って帰ったぐらいだしな。といっても許可も何も事後承諾にしか出来ないんだがな……。現段階で掛け持ちバイトをしているみたいだけど、学業に支障が出ないと言い切れない。どっかでフォローすべきなのかな……。



――



「すぅ……すぅ……」

 他人に興味を持たないのは別に構わない。しかしだな、

「すぅ……クジラ雲が飛んでるよぅ……すぅ」

 まだ入学したばっかだ。周りは知らない人ばかり、これからこのクラスで上手くやって行けるか不安になったりする時期じゃないか。その過程にクラスメイトの自己紹介がある。ファーストコンタクトは大切にして欲しかったんだが……。

「むにゃ……明後日の方向から5月19日が飛んできたよ……」

 一体なんの夢を見てんだ? もしもーし、起きてくださ~い。

「ほへっ? あれえ……わらひぃ……」

「やっと起きたか。今日は王様のところに行くんでしょうが」

「そういえばそうだよね……ぐぅ……」

 寝るなー!!

「小川優花さんです。皆さんよろしくお願いします」

 なんで僕が紹介しなならんのだ!



――



「あーはっはっはっは!! 恐れ戦くが良いわ!!」

「あ~! これだからお前はパスしたかったんだよ!! まず主語はどこだ主語は! 何に恐れ戦くんだよ! あれか?いきなり笑い出して厨二MAXな台詞を平然と言ってのけるお前に戦慄しろってか!?」

「厨二? はん、馬鹿にしないで貰える? そうやって自分の常識(ワールド)では処理仕切れない存在をまとめて厨二と言っちゃうなんて忘語病(ボキャ貧)じゃないの?」

「厨二病意外のなんなんだよ!?」

「クックックック……、私の真名(まことのな)は混沌《CHAOS》、万物を終焉(フィーネ)へ|導く唯一無二なる存在よ」

 見る度キャラがブレてるよな。厨二病ってのには変わりが無いけど、細やかな設定が浅い気がする。多分三ヶ月後には違うこと言ってそうだ。出来れば三ヶ月で完治して欲しいんだけどな……。


――



「高梨紗枝です。よろしくお願いします」

 名前だけの自己紹介。う~ん、他になんか無いか?

「必要ないです」

 バッサリだー!! 興味なさそうに言うと彼女は机の上に置かれた本を見はじめる。赤本?

「なんですか……」

 い、いや……、なんもないです。眼鏡の奥の冷たい瞳で僕を睨んだ彼女は、再び赤本に取り組みかかる。何となく成績がほとんど4だったのが分かった気がする。



――



「茅原和音です。特技はヴァイオリン。嫌いなものは体育です」

 高梨さんもそうだったけど女性陣はクールな人が多いな。陣内、てめえじゃねえよ、座ってろ。

 長く艶やかな黒髪、藍色の透き通る瞳が特徴的な高校生ながら世界中で活躍する天才ヴァイオリン少女。

「見た感じスポーツ出来そうなのに」

「出来ると嫌いは別です。先生は責任をとれますか?」

 妊娠した恋人みたいなことを言ってくる。そんな人いないんだけどさ。

「右腕と左指、合計40億、先生は払えますか?」

 40億? なんのこっちゃ?

「はぁ、私の右腕と左指にはそれだけの価値が有るってことです。ヴァイオリニストの商品価値はこの二つですから。突き指でもさしたらそれだけでコンサートが出来なくなりますので……。先日はアラブの石油王の誕生日パーティーの余興に演奏したのですが40億ポンッとくれました。だから私に体育をさすなんて自殺行為意外の何物でもない。理解頂いたかしら?」

「め、滅相もないです」

「ご理解ありがとうございます。皆様もどうかよろしくお願いしましゅ」

 あっ、噛んだ。

「こ、こっちを見るな!!」

 40億の天才だって蓋を開ければただの女の子だよね。



――



「南雲美桜です! 好きなタイプはこう……、南雲先生で私の嫁です!」

 教室がざわめきだす。目立つな……って言おうとしたが無駄だった。入学式で決闘騒ぎ起こしちゃったからな……。

「南雲さん! 先生とどういう関係ですかー!?」

 昨日僕にした質問を江井ヶ島は姉さんに投げる。江井ヶ島さんはゴシップ大好き今時Jkってやつか。

「こう……南雲先生は私のおとう『母親の弟おおおおお!!』」

「今弟って言いかけなかった?」

「気のせいだぞ~。江井ヶ島さんはおっちょこちょいだなあ~。ベルマークあげよう」

「わ~い、ベルマークだ~。これで1円分……って阿保かぁ!!」

「みなさんよろしくね~」



――



「二宮小町です!! 好きな科目は体育、嫌いな科目はその他全部です!! 趣味というか生業と言うかアレですけどボクシングやってます! って久しぶり! 南雲っち! 懐かしいなあ、いつ以来だろ?」

 小さな頃はいつもおやっさんの後ろでびくびくしていた小町ちゃんだったが、高校生になった彼女は垢抜けて活発な印象を与える。ショートカットと元気いっぱいなその姿はボーイッシュって言葉を与えたい。ホント西邑君と正反対だよな……。

「覚えててくれたんだ」

「とーぜんだよ!! どう? ボク雰囲気変わったでしょ?」

「まあね。最初名前を知るまで気付かなかったよ。理奈ち……香取といい人間変わるもんだな……」

「まああの親父とゴツいあんちゃんらに囲まれたらそうなるよ。お陰で色気はさっぱりだよ」

 色気がないと溜息をつくが、十分あるぞ? 特に鎖骨あたりが……。



――



「えっと……あの、その……」

『どうした渚!? 昨日練習しただろ!! 練習の通りしたらいいんだよ』

『そうよ渚ちゃん、周りのみんなはジャガ芋よジャガ芋、頭でっかちなジャガ芋よ』

「で、でも……」

『あ~、女々しいったらありゃしない!! てめーら耳ん中かっぽじってよ~く聞きやがれぇ!!』

『聞きやがれぇ!!』

『天が呼ぶ、地が呼ぶ、空を見ろ、星を見ろ、宇宙を見ろ!!』

『彼方からせまりくる!』

『『侵略者!!』』


「……」


「ってなんで途中からタロウが戦っているのぉ!?」

『わりぃわりぃ、ついテンションが高ぶっちゃって』

「うう……、これじゃ私侵略者だよぉ……」

『もう、マルクス=アウレリウス=アントニヌス! 泣かしてどうするのよ!』

『そ、そんなつもりはなかったんだエリー! それにお前だってノリノリだったじゃないか!!』

『なんですってぇ!?』

「二人とも私のために喧嘩しないで……」

『『(ちゃん)』』


「私……、頑張るからさ……。だから二人とも、仲直りしてね」

『エリー、なんつうか、悪かった』

『私も言い過ぎたわ……、マルクス=アウレリウス=アントニヌス』

「ま、まち……」

『頑張れっ! 渚!』

『負けるな! 渚ちゃん!』

「町田渚です! よろしくお願いいたします!」


『良く言った渚! これでエチ○ット爺さんも浮かばれるぜ!』

『おめでとう渚ちゃん!』


 パチパチパチパチ!!

 気が付けば彼女にあたたかな拍手の雨が降り注ぐ。それは一人の少女の勇気と二人の喋るお人形の絆の物語……。



「って茶番だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



――



「見ないで見ないで見ないで見ないで見ないで見ないで見ないで……」

 話し掛けたら呪われそうなのでスルー推奨。



――



「おいっ、起きなさい」

 出欠簿の平たい面で頭を軽く叩く。流石に角は鬼の所業だろう。

「ドイモイ!」

 何故か刷新と言う言葉と共に夢から帰ってくる。どんな夢見てたんだよ……。

「おはよう、クラリス」

「ふぇ? 私クラリスなの?」

 違うと思います。

「目が覚めて直ぐのところ悪いけど、今は自己紹介タイムなんだ。簡単でいいから何か頼む」

「ふぁ~い。え~と小川優花だよぉ。好きなものはウサギさん、将来の夢は飼育委員だよぉ。高校から何か新しくチャレンジしたいと思ってぐぅ……」

「って寝るなー!!」

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