シュラバ・ラ・バンバ~Woman wars~
やあ。先日は大変だったよ。なんと言っても会って欲しくなかった2人が鉢合わせしてしまったのだからね。
――
「……っ!」
「……?」
「ぅ……」
文面だけ見ると誰が誰か分からないだろうから解説すると上から、理名ちゃん、姉さん、入野ね。
「姉がいるのは知ってたけど姪っ子がいたなんて私始めて聞いたわよ!」
「そりゃああん時ゃ話題にあがらなかったんだもんな。当然ちゃ当然だけどね」
「そうだけどっ! あなたホントに何者?」
「何者って……、こう君のお姉ちゃんd……、じゃなくて姪っ子だよ。」
「姪っ子ねぇ……」
「英語にしたらNiece」
「分かってるわよ! アナタ私を馬鹿にしてんの!?」
「いや、そんなつもりはないんだけど、煽りがいがあるなあって」
「思いっ切り馬鹿にしてんじゃないの!! 初対面の相手にいきなり煽り耐性0とか言われたの生まれて初めてよ!」
「……、うふっ、初めてを、頂いちゃいましたね」
「何で赤面すんのよ!? 言い慣れてないなら無理して言わなくても良いじゃない!」
「うう……、理名ちゃんもう止めようよぉ……」
「ダメよ恵里佳! 負けられない戦いが今、そこに!」
収集つくのか、これ?
「負けられない戦いがあるのはよーく分かったからな、帰ってくんないかな。他の客の邪魔になるだろうが」
「「「「すんません」」」」
とりあえずここを出よう。話はそれからだ。
「会計はしていけ」
ですよねー。
――
会計を済ましてアントワネットを退席する。当分出禁食らったな、こりゃ。
「あれ? 理名ち……香取達は?」
「今更なおしても遅いですよ。もう僕みたく下の名前で呼んであげたらいいと思いますよ? 香取さん達は帰って行きましたよ。何でもまだ挨拶を済ましてない所があるって言ってました」
どうやら局地的に訪れた超大型台風は過ぎ去ったようだ。外には台風一過というに相応しくきれいな夕日が出ていた。
「なあ南雲先生、香取と知り合いだったみたいだけどどういうことだ?」
加納先生が尋ねてくる。僕は香取との関係をみんなに話した。ファーストキスの件の強制されたが……
「そんな……、こう君は9年も前にあの女の色香に騙されていたというの?」
「お前のファーストキスが小学生に襲われたって……、プクク、ちょー受けるんですけどー」
「こう君の唇は私のものなの! 上書きしてやるう! 舌入れてアップロードしてやるう!」
「ちょ、姉さん止めてよ!」
「人目なんか気にしない気にしない!」
「人目とかそんな問題じゃあねえよ!! だ、誰か助けてええええええ!!ヘルプミー! SOS!」
「今日もまた誰か、南雲のピンチー」
「歌うんじゃねえよ! 誰かって言っときながら思いっ切り名字出てんじゃねえか!」
「世界を、大型台風で巻き上げる、先生が大好きな香取理名の団」
「何その強引なネーミングセンス!? しかもあの子ならやりかねないから怖いんだけど!!」
「隙ありっ!」
「うわああ!丁寧な映写も出来ないスピードで唇を奪われたあああ!」
「へっへーん! これでこう君のセカンドキスは貰ったわよ!!」
「ゴメン、それ多分セブンスキスぐらいだと思う」
「へっ?」
場の空気が凍っちゃいました。ザ・フリーズ。そして時は動き出す。
「ええええええええええええ!!!! どういうこと!? ねえこう君どういうこと!?」
「そ、そんなに強く絞めないで、ギブキブっ!」
「どういうこと!? あっ、そっか。セカンドからシックスまでは人工呼吸だよね? マネキン相手にお姉ちゃんとする日のことのために練習していたんだよね! そうだよね!?」
「人工呼吸は……、ノーカン……ゲフッ」
「じゃあ誰が相手よ! そんな泥棒猫地球の裏側にいてもとっちめてやるわよ!」
「いや、360°先にいるからね……」
「360°? 一周してんじゃ……、ねえ早苗、」
「どうして逃げようとするの?」
「いやあ、忍○まみたいんで」
「ちょっと面貸してもらおうか」
「ひいいいいいい!!」
「先生、趣味悪いですね」
「ほっとけ」