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メタトーク!!~Metafiction~

 極道鶏という、また三歩歩いたら忘れちゃいそうなけったいなキャラクターが登場してしまった。彼についての調査は引き続き行われるということで、僕らは解散することにした。ま、僕がしたことっていったら伊織に電話かけたぐらいだけどさ。


「ただいまー」


「おかえりー」

 帰る場所におかえりを言ってくれる人がいることは良いことだ。度会の両親も早く見つかるといいな。



――



「最近さ、私の出番少なくない?」


「へ?」


「いやさ、どっかの台風(笑)生徒会長よりかはマシだと思うよ? あの子が一番輝いてたの幼少期じゃんか、ピークすぎてるじゃん。ババアじゃん」


「何言ってるの?」


「でもさ、考えてみてよ!! この世界の主人公は誰なのかを!」


「……?」


「タイトル見なさいよタイトル!」


「タイトルって何さ?」


「タイトルったらタイトルよ!! ワンピースとか夜王とかみたいな作品の名称よ!!」


「ゴメン、何言ってるかさっぱり……」


「この世界は『姉が過去からやってきた。』って作品の世界なの!」


「えっ!?」


「つまりは、私が過去から未来に来たことでストーリーが始まった訳じゃん! なのにさ、ここんとこ私がいなくても成り立つ話ばかりじゃん!! 何のために過去から来たのさ! 私の過去から来た設定活かせてないじゃないの! いくら食材が良くてもそれを調理する人間がダメじゃ不味い物しか作れないじゃん!」


「あの……、何かあったの?」


「こう君さ、一度振り返ってみよ。四月からこれまでを。そして考えてみて、私がどれだけ活躍したかを」


「なにそれ?」


「姉が過去からやってきた。」


「作品を作品の中で批評するの!?」




――



「……、ヒロイン伊織だね……」


「どっからどうみても伊織ちゃん推しじゃないの! タイトル変えなさいよ! 『生徒に手を出した教師だけど質問ある?』って!」


「何その2チャンのスレッドみたいなタイトル!?」


「実際そうでしょうが! 私脇役じゃん! こう君と伊織ちゃんのラブコメの脇役じゃん!」


「異議あり! この作品のどこにラブコメ要素があるというのさ! ラブコメの定義ってさ、鈍感野郎が事件とかに巻き込まれて美少女に何故かアタックされるもんじゃん!」


「自分自身をもっかい見つめ直せやあああああ!!」


「いやいや、ラブ薄いじゃん!! 読む限りじゃ変人たちに振り回されるコメディじゃん!」


「1ミクロでもラブ要素入ってたらラブコメよ!!」


「ラブコメ要員別にいるじゃんか」


「ハーレム伊藤のこと? あれ後で気づいたけど、下の名前誠じゃなくて良かったよね。誠なら間違いなく人気キャラになれたのに」


「悲しみの向こうへとたどり着けるの!?」


「しかし彼は伊能系バトルラノベ主人公じゃん」


「伊能系バトルラノベってなに!? 測量バトルでもすんのか!?」


「異能よ異能! アルターとかブリューナクみたいなものよ」


「アルターは有名だけどWA4は割とマイナーな部類に入ると思う」


「まあ、あれだ。細けぇことは気にすんじゃねぇぞ?」


「あのシーン初見は泣くんだけど後々見たら笑えるんだよね」


「そのうち私達も使えるんじゃない?」


「止めとこ。多分ジョジョのパクりになりそうだし」


「ってなんの話をしてんのよ! 今私達はラブコメか否かについて議論してるのよ!」


「これはギャグコメディだろ」


「ラブコメよラブコメ! 恋愛要素とハッピーエンドがあればラブコメよっ!」


「いや……、ここからバッドエンドに行くかもよ?」


「へっ?」


「ほら、学園物かと思ったらいきなりJAMが流れるぐらいの異世界バトル物になったゲームあるじゃん」


「峰子さんが貸してくれた奴ね……、あれトラウマなんだけど」


「マミったもんね」


「マミったね」


「もしかしたら僕たちも明日目が覚めたら異世界にいるかもしれない」


「で、何故か主人公はチートと」


「あの作品異世界に行った上に逆行したのにフルボッコだからなぁ……」


「多分こう君すぐ負けるよね」


「ラノベ主人公にありがちな実は喧嘩が強い設定は僕にはないからね」


「DQNABCにやられてたじゃん」


「先生がみんな喧嘩が強いなんて思うなよ?」


「大体悪役ってのは律儀なのよね。どこかの極道先生しかり、時代劇しかり個別でかかってくから負けるんだよ」


「まあ負けたら話終わるけどさ」


「その辺のバランスが難しいのです」


――


「そもそもこれハイテンションギャグコメディだし」


「の割にテンション低い方が多かったりする」


「うおおおお! テンションあげてくぜぇ!!」


「あげぽよおおおおおお!!」


「……」


「……」


「変だな」


「変だね」


「突っ込みの時ぐらいはテンションあげてるよ?」


「それじゃあ絵が付いたら多分銀魂みたいになるよ?」


「新八ボイスで再生されるからね」


「脳内再生厨乙」


「いいじゃん。イメージしやすいよ?」


「人それぞれだよ」


――


「毎度のことだけど、私たちの話って脱線するよね」


「そういうもんじゃない? ブレーンストーミングってやつかな?」


「ひとつの話題から次の話題に話をつなげるやつ?」


「ひらめきが重要なのです」


「一時のひらめきで生まれたかくれんぼが鏡の世界という超展開につながったのはさすがに引いたよ?」


「しかもなんかまた出てきそうな気がする」


――


「メタだねぇ」


「メタってるねぇ……」


――


「んあ?」

 気づくと布団の中で寝ていた。まさかの夢落ち……?

「すぅ……すぅ……」

 なんでこの人はここで寝てるんだ……。ま起こすのも可哀想か。

「しかし変な夢だったなぁ……、僕らの生活が小説になっているなんて」

 つーかどこまで夢なんだ? 鶏男は……、

「夢じゃないよな……」

 枕元にはヤクザの写真。ああそうですか、探偵云々はリアルですか。

 朝の日差しを受けようとカーテンを開ける。

「わー今日もいい天気……」


『……』


「……」

サッ

「いやいやいやいや!! 気のせいだよなあ、窓の外に忍者が張り付いてるなんて」

 さて、もう一度……。

「わー今日もいい天気」


『……、ふっ』


「忍びだああああああああああああああああああああああ!!」

 今ふっって笑ったよな!? 鼻で笑われたよな!?

「こう君うるさいよ、朝っぱらから何してるの?」

 僕の絶叫を目覚まし代わりにして、姉さんも起床する。

「何でそこで寝てんの!? じゃなくて外に忍び! 忍びがっ!!」

 忍んでないけど忍びが!!

「はぁ? 何言ってんの? 寝ぼけてるなら顔洗ったら?」

 お願い信じて!!

「みて!! 窓の外見て!!」

「窓の外って何が……」


『……ふっ』


「忍びだああああああああああああああああああ!!!」

 平和な郊外に忍びがあらわるっ!!

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