初配信!(後編)
「んじゃ、行きますよー!強破!」
:いったーー!!!
:地下3階層のモンスター呆然で草
:流石ですっ!ご主人様ぁ!
「次は地下4階層へ!強破!」
<地下4階層>
「っ!状況は...」
法子さんが深呼吸して首に刀を当てており、一人のお姉さんも膝をついて攻撃を受けていて、さらに中性的な子が食べられそうになっている。
「間に合えっ..!雷龍!」
雷龍とは、電気でできた龍を10秒間自在に操る規模の大きい《《魔法》》だ。魔力もかなり消費するためあまり使いたくない魔法。俺が使える魔法スキル2つのうちの1つ。
アイアンキメラを一掃して、法子さんの方を見る。もう、覚悟を決めた顔をしている。急いで近づいて、首に当てられていた剣を握って割る。
:Sランクモンスター3体倒すのに4秒強って...
:剣がーー!!!
:真っ二つならまだしも握った所粉々なんですが
:あれ...?でも、その剣って確か...
今はコメント欄は無視して、
「馬鹿野郎!何やってんだお前っ!」
戦いを諦めていた法子さんにお説教だ。
「いいか!命を簡単に「ぁ..おばあ様の形見の剣がっ...」.....えっ。」
.....え、俺、形見の剣を割っちゃったの...?
「..グスッ....」
泣いちゃった!!!どどどどうしよう。とりあえずここから出ないといけない。またモンスターが寄って来るかもしれない。何より、今あるポーションではここまでの重傷は治療できない。
「アッ...とっ、とりあえずダンジョンから脱出しましょうか!」
そう言って、法子さんを抱える。そして意識を失っている....女の子?も抱える。そして最後に
「お姉さん?大丈夫ですか?いろいろ聞きたいことがあるんでしょうけど、まずはここを出ましょう!」
「え、えぇ。」
「もう大丈夫ですからね!俺に掴まってください!」
ちょこっと袖を握るお姉さん。え、かわいい。ラブコメとかでよく見る展開だが、破壊力高すぎる!!!
「あ~、あのー、一気に地下1階層まで出るのでもっとガッツリ掴まってほしいんですが...」
「お母さん!恥ずかしいのは分かるけど早く!」
「そ、そうよね。え、えーい!」
思い切り抱き着いてくるお母さん。....えっ、見た目20代なんですが!?お姉さんだと思ってたよ!
:<あーちゃん>ねぇ..何鼻の下伸ばしてるの?
:どうやって一気に上に行くんだ?
:必要だからってご主人様に抱き着くのはっ..チッ
:...いつかご主人様が背中刺されるのに500円
「しっかり掴まってくださいね!」
さっき開けた穴もなくなっている。ならもう一度開けるまで!
「雷龍!」
:4枚抜き!?
:もはや何してもご主人様だしなぁで納得できそう
:...あれ?でも魔法禁止って
:あ
:あ
:2回使ってるんだが
キニシナイ、キニシナイ
<地上>
「ふう...地上に着きましたよ!救急車も着いてますし、ここでお別れですね!視聴者の皆さんもここでお別れです!またリベンジしに来ますので!さよなら~。」
:お疲れ~
:法子ちゃんお大事に!
:次も仕事を抜け出してでも見に来ますっ!!
配信を終わらせ、救急隊員に後は任せて帰ろうとすると、
「あの!」
法子さんが剣を抱いて俺を呼んでいる。アッアッ、形見の剣折ったんだった。それについて怒ってるんだろう。本当にごめんなさい。
「あ、剣の事ですが、あとで謝罪しに行きますので!お礼も大丈夫ですっ!」
「えっ、ちっ、ちがっ!」
「本当に申し訳ございませんでしたー!」
急いでその場を離れる。先ほどコメント欄を見たとき
:<田中清二>後で協会本部に来い。
田中清二さんとは日本の探索者協会のトップだ。怒るととても怖いので逆らわないようにしている。この人に怒られて泣かなかった人はいないという逸話もあるレベルだ。
直感的に急がないとまずいと思ったので、全速力で向かう。本部は東京なのに...
<協会本部>
「ゼェ....ハァ....オエッ....つ...着い...うっ」
陸では走り、海では雷龍を連発して東京に急行した。雷龍は自分にまとわせると素早さが3倍くらいになるのだ。おかげで10分程度で着いた。もう魔力はほぼ残っていない。
「よう誠一、ようやくついたか。」
「呼んだ..のはぁ.....そっちでしょう...」
「早速だが、会議室に来い。説教だ。」
あ、終わった。




