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スキキライ死んデレら  作者: OBOn


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2/6

好きの定義、条件について

この世界に死んだ方がいい人間ランキングがあるとするのならば、永久不動なNO.1はきっとずっと私で。

それは他の人のためとかいうだけじゃなく、自分のためにも死んだ方が良くて。

こんなにうじうじくだらない他の人からみたら笑い話みたいなことを本気で笑えずに何度も何度も考えては「死にたい。死んだ方がいいよ。何言ってんだよ」と誰にも聞こえないくらい小さな声で呟くくらいなら絶対この世から消えて全てを終わらせてしまった方が楽なのに。

平和であることに身を委ねて何も努力をしようとしない。

そのくせ人が頑張ってるのをみると凹む。

それに触発されるんじゃなくて、ますます自分がダメなやつなんだなと再認識する。


一人になりたい時に限って周りに大きなゴミがいる。

散らばって汚い言葉をデカい声で投げかけてきて本当に死ね。

お前らに言うことなんてない。

はやく消えろ。

それでも一人は寂しい。

だから私もついでに死ね。

もう何も考えたくない。

二度と馬鹿げた思考ができないように私の部屋には何もない。

香りが好きだったヘアミストや色がシルエットが好きだったブラウスも何年か前、ゴミに全部出した。

スマホも捨てた。

学校に行く時以外には家からは出ていない。

このまま死にたい。

なのに、ごちゃごちゃと流れて溢れてうるさい思考が止まらない。

全部知らない。

あぁ、ダメだ。私、また死のうと考えた。


いや、いいのか。いいんだ。そうなのか。


もうどっちかわからない。


何も喋りたくないのに、口からぽろぽろ独り言がこぼれ出る。

大体、「死ね」とか「死んだ方がいい」とかそういう類の言葉。

何も考えたくないのに、頭の中は死でいっぱい。

無表情でいたいのに、勝手に口角が上がる。

立ち止まってしばらく休んで考えごとをしたいのに、門限までには家に帰らなくてはいけない。


何もしたくない。

どうせ何も受け入れられない。

私を受け入れてくれる人なんていなくていい。いない方がいい。

いたら私はその人に依存してぺちゃんこに押し潰して壊してしまう。


私の心なんて死ねばいい。

優しい人だけが生きればいい。

その中には私は含まれるはずもなくて。

それでもそこに含まれてほしいと願う自分の姿がとんでもなく気持ち悪くて。

…言いたいことがまとまらない。

こんなことを考えたいんじゃない。


そんなことを考えた学校でのお昼休み。

やはり教室は居心地が悪い。

休み時間中は教室から出て特にどこへ向かうでもなく歩くのが一番だ。


てくてくてくてく。


…誰とも関わらないのが一番やっぱり心の衛生を保つことができる…。


と目の前が突然白い煙で覆われた。


もくもくもくもくぱっ。


「好きです。僕と付き合ってください」

またか。

煙の中から姿を現した昨日友達になったばかりの幽霊の中村くんは今日も私に告白をしてきた。

「お断りさせていただきます。私たちは友達なので」

私はくるりと来た道を踵を返して一切振り返ることなくスタスタと早歩きで戻る。

「そこをなんとか」

「ダメです。私は人を好意を伝えてはいけないので」

それが私の信条。

「僕は坂原さんに好きって言ってもらえなくてもいいよ」

私は思わず立ち止まってしまった。

好きって言ってもらえなくてもいい…?

なんだそれ。

そんなの、ダメだろう。

おかしいよ。

「…ダメだよ。それは恋人じゃない」

「『好き』って言わないと恋人じゃないの…?」

「…」

「『好き』って言葉が恋人であることを証明するの…?」

「…わかんない」

そんなことを言われても私はわからない。

好きって伝えられるのであれば、伝えられた方が嬉しいだろうに。

少なくとも私は…。


ハッとした。


私は言われたいのか…?

そんなバカな。誰に?どうやって?

こんな私を誰が愛す?

私は誰にも愛されない。

私も誰も愛さない。

それが私の人生。それが私が辿り着く答え。

「僕は坂原さんが好きだよ」

「…顔がでしょ?」

「うん」

「じゃあ…」

そんなものは本物の愛じゃない。

中村くんは私のことなんか心から愛していない。好きなんかじゃない。

そんな理由で好きになられても、揶揄われているようで不愉快だ。

「でも、僕は坂原さんの素直なところも素敵だと思った」

「素直…?私が…?」

「うん。素直」

「どこが」

「どこって言われると難しいけれど、昨日、坂原さんは本心で話してくれたよ」

「…本心なんて、私でも自分のことがよくわからないのに、中村くんにわかるわけないじゃん」

「わかるよ。坂原さんだって僕の『好き』っていうこの気持ちが本心だってわかっているでしょう?」


…本当はわかっている。中村くんは私のことが好き。私が一方的に拒絶しているだけなのだ。

本当は何か理由をつけて、中村くんを大怪我させる前に、かすり傷でもつけさせて追い返したいだけなのだ。

「幽霊の僕のことを理解してくれた。裏表がない。嘘はつかない。そんな坂原さんだから会話を交わしてても安心できる」

…それは自分の嫌いな一面。

あまり考えずに思ったことを口にしてしまう。

包み隠して言葉を扱えない。

そんな自己嫌悪促進機みたいなもの。

「それだけ…?本当にそれだけで好きになるに足り得るの…?」

「…人によって好きになり方は違うと思う。顔、声、接し方、性格、その他にも好きになる要因はたくさんあるしそのどれもが間違っていることなんてないと思う。ただ僕が坂原さんを『好き』になったきっかけが顔だっただけ。今、僕は坂原さんの素直な部分も好きなんだ。きっとこれからもっと他の部分も好きになり続けていくんだと思う」

私はもう何も言えなかった。

「坂原さんはさ、どうすれば、付き合ってくれるかな」

「さあ…」

わからない。

お読みいただきありがとうございます…✨

『好き』ってなんなんでしょうか…✨

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