502号室の男
本作は仮想で作られたフィクションの物語です。 実在する人物、事件などとは無関係です。
あたふたとジヘが「Adam's apple」に ヨンウを訪ねた時。
ヨンウが遅くなったからタクシーで
送ってあげると言った時までも
ジヘはヨンウへの思いを
完全に畳むことができなかった。
「アア」
タクシーの中でヨンウはかかってきた電話を
確認してすぐには出なかった。
声を整える ヨンウを見てジヘは少なからず当惑した。
「ヨンウさん、もう退勤しますか?」
愛嬌たっぷりの女の声が
ヨンウの電話越しに小さく流れた。
「はい、でも時間がちょっと かかりそうです、
ちょっと用事がありまして。」
牛乳だけ買っていけばいいのかと
尋ねるヨンウは限りなく優しく、
表情もついさっき自分と話した時とは
全く違う穏やかな表情だった。
「あの…お休みにならずにしばらくお待ちください、
すぐ行きます。」
ごまかして呟くヨンウ。
顔を赤らめて照れくさそうに言う ヨンウの表情はジヘが見るに
恋に落ちた男の顔だった。
「ジヘ、私とあなたただ
ユンギュを中心に集まろう。
復学したらずっと顔を合わせるのに
その方が楽じゃないかな。」
タクシーがジヘが言った住所の前に立ったとしよう。
ヨンウは降りようと準備するジヘを見て
確かめようとするように聞いてジヘも黙ってうなずいた。
ジヘの「心配」という言葉から
ヨンウは不快感を覚えた。
その間とても心が忙しいの
余裕がなかったし、
多くの人の口に上るのは嫌だった、
静かに暮らしたかったからヨンウは
友達を作ることにあまり興味がなかった。
本人が考えても非常に狭い 対人関係であることを
知らないわけではなかった。
ミンジェと実弟のヨンスがなかったら
ヨンウは完全に一人だったかもしれないけど
無理に結ぶ関係がないから
大きな不便さを感じなかった。
今度復学を控えて
ユンギュに会って'友達'という言葉を
考えてみたが、どう考えても
信頼をもとに同等の
関係を維持する存在ではないか
というヨンウなりの結論を出した。
ヨンウが下したその結論。
ジヘからは信頼より疑いが先に感じられた。
こうやって疑いから出すんですが
私たちは友達になれないと
積極的に自分を訪ねてきたジヘに話し、
ジヘもヨンウのその言葉にすぐに納得しているようだった。
その後、ジヘは何も言わず、口をぎゅっと閉じた。
ジヘが両手で握っていたカモミール茶は
だんだん冷めていった。
ジヘはアパートの入り口に自分を
降ろして去るタクシーを見て
袖で目元をぎゅっと押さえた。
好きだなんて一言も言わずに
ヨンウにひどく振られたことを。
ジヘも知らないことではなかった。
むしろその話をしなかった方が
幸いだと自ら慰めた。
ヨンウは散歩道がきれいな
シンユルの高級ビラに
これからは完全に一緒に暮らすことにした。
一人で決める問題じゃないから
地方のお母さんと相談したら
もしヨンウが一緒に暮らそうと思った
人がヨンウのような学生ではないかと
確認だけして、素直に息子を信じると言った。
部屋を抜いたお金はヨンウが
持っていろとおっしゃりながら 一緒に住む人に
迷惑かけないで気をつけろという言葉もも忘れなかった。
お母さんにどう言うか悩んでどうやって説得するか
悩んでいたヨンウは 心がひときわ軽くなった。
引っ越して散歩道がきれいな
高級ビラであるシンユルの家の中ゲストルームは
ヨンウが使う部屋になった。
部屋にはベッド、机、小さな引き出しと
原木ハンガーが全てだったが、ヨンウは幸せだった。
ヨンウが前に過ごしていた部屋はフルオプションの部屋なので
ヨンウの個人の荷物というまでもなく、衣類や本がすべてだった。
大学街近くの部屋なので、ヨンウが出た席はすぐに埋まった。
それでヨンウはもう少し金銭的に余裕ができた。
「こんにちは、私は「チェ&チャン」法律事務所で働く
チェ·ギョンシク弁護士と申します。」
ヨンウが引っ越して間もなく
501号のシンユルの家から出てくるときに
後ろにある男がヨんうに歩いて来ながら自分の名刺を見せてくれた。
その名刺はチェ·ギョンシクという人の
個人名刺ではなく、会社代表の名刺だった。
「私は名刺がないので。」
ヨンウの答えにチェ弁護士が
ヨンウを見る視線が変わった。
「この辺で初めて見る顔なんだけど、
この階にはどうしたの? デパートからの配達?」
チェ弁護士は、最初より言葉も短くなった。
ヨンウはブランド品で包んだその男の全身から
漂う嫌な香水の匂いいやに感じられた。
エレベーターに一緒に乗りながらも
好奇心から蔑視に変わったチェ弁護士のその視線は
終わりなくヨンウに目を通した。
「私は、シンユルさん、彼氏です。 501号に住んでいます。」
ヨンウが自分をこう紹介すると、
チェ弁護士は当惑して唇をゆがめた。
私が書いた話を読んでくださって心から感謝申し上げます。




