ハンヨン学院長.(過去の物語)
本作は仮想で作られたフィクションの物語です。 実在する人物、事件などとは無関係です。
「え~ヨンウ!! ヨンウ!こち!こちだよ!」
ヨンウより背が低く、体つきのぽっちゃりした男が校門の前で
しきりにふっくらとした小さな手を振りながらヨンウを呼んだ。
ヨンウは自分を呼ぶ声に驚き、
目の前の男が誰なのか確認しながら眺めた。
「あれ?ハンヨン先生、ここはどうしたんですか?」
目の前の男はヨンウ兄弟が幼い時
通った近所の数学塾の
2番目の先生として働いていたハンヨンだった。
この人は自分を訪ねる 人じゃないのにどうして分かったのか、
こうやって来たのが不思議で気になる。
ヨンウは男をしばらく見回した。
それでももし何が起こるか わからず警戒を緩めることができなかった。
弟に電話してちょっと近くの図書館に 行けと言って、
ヨンウはその男の後をついて 学校の近くの大型ペストフード店に入った。
「ねえ、ヨンウ、あなた.. 最近塾に通ってないよね?」
ヨンウが直接誰かに
自分の事情を話した件は
ただ今担任だけだった。
夜間自習をすると
弟の面倒を見てくれないから、
今の成績を維持する条件で
夜間自律学習をサボった。
ヨンウじゃなければヨンス?
弟はヨンウと性格が違った。
親しい友達がたまにいて
家に連れてきたりもした。
もちろんこの家に来てから。
お父さんがお酒を飲み過ぎると、
弟のヨンスの友達が遊びに来たことがなかったが。
もし...もしヨンウの話が出たら、
弟のヨンスの友達だったはずだ。
ヨンウは弟のヨンスを責めるのではなかった。
ヨンスが自分の具合を恥じることなく
話せる相手がいる ,その点がむしろありがたく感じられた。
「ところで、何の用で学校まで来られたんですか?」
ハンヨンは自分が買ってあげると言いながら
最初はハンバーガーセットを2つ注文した。
ヨンウが食べきれないとお金の無駄遣いだと止めたが、
ハンヨンは結局、ハンバーガーセットを2つ注文した。
「ねえ、ヨンウ.. あなた.. 今も勉強頑張ってね、でしょ?」
ハンヨンは何かを確認するように質問しながら
ウェットティッシュで手を拭いて、
まだ 熱いフライドポテトを取った。
「それはなぜ気になることなんですが?」
ヨンウもウェットティッシュで手を拭いて
ハンバーガーのビニールを注意深くはがした。
「ヨンウ··· 先生を助けてくれ、いや、助けてくれ。」
“....”
「私の妻が臨月なんだよ。
でも塾に子供たちがいない。」
“....”
「だから.. 一人もいないわけではないけど、
今後このようにはならないようだ。」
ハンヨンは前にあった二つのフライドポテトのうち一つが
瞬く間に空になった。
コーラまで一口、しっかり食べる
ハンヨンの表情は暗くて苦々しかった。
「それで、私に何を望みですか?」
ハンヨンの話を聞いてばかりいたヨンウがハンヨンに質問した。
実はヨンウは他の人に
自分をさらけ出したくなかった。
人の口に簡単に出たり入ったりしたくも
変なうわさに同情されるのも嫌だった。
ハンヨンはためらいながらも口を開いた。
「自習室を開放して 今いる子たちでも
自由に勉強して行かせるつもりなんだけど
君がその自習室の先生をちょっとしてくれないかな、
うちの塾はみんな小·中学生だからお前が見てくれるには
そんなに大変ではないだろう。 年上の私よりは
同じ年頃が教えてくれると負担にもならないし...」
ハンヨンが何を言おうと最初から
断るつもりだったヨンウは
ハンバーガーを終えて、
2回目 フライドポテトをかき回すハンヨン という男が
昔どんな人だったか思い出してみた。
ヨンウが初めてハンヨン 先生に会った時
彼はただ町の数学塾の
二番目の先生だったのに今いつのまにか
自分の数学塾を運営していた。
「英数学」
ハンヨンが自分を紹介して
ヨンウに先に差し出した名刺の
前後を見つめながらヨンウはにやりと笑った。
塾の名前が本当に目の前の男にぴったりだと思った。
「それで、私が得るものは何ですか?」
ヨンウはそれでもまず
男の条件を聞いてみようと思った。
アルコール性認知症。
父親が病院で受けた診断名はそうだった。
認知症…これ以上家で過ごすことができない病気だった。
いろいろ調べたあげく、叔父がいる地方に場所があり、
国家補助金までもらってお迎えできるという
話を聞いた時、ヨンウはほっとしたが
少なくない個人資金が必要だという事実だけを確認した。
‘学業をあきらめようか’
ヨンウは一人でそう考えたりもした。
勉強は見逃さなければ、いつでもやり直せると、
今は少し苦労してもいつでも勉強はその気になればまた始められると思った。
ヨンウは一日も早く母親の力になってあげたかった。
私はアルバイトをしながら文を書いています、仕事がある日は夕方に、アルバイトがない日は午前に掲示するようにします。 日曜日は個人的な都合で休載します。 私が書いた話を読んでくださって本当にありがとうございます。




