突発おまけ・・・今日は猫の日なのですって
猫の日だということに気づいて……
被害者1 ランドルフ=アダマス
午前の授業が終わり、いつものようにシルフィーヌを誘ってラウンジへと思ったが、何故か断られてしまった。
「ソフィ姉さまとお約束がありますの。後程、ラウンジでお待ちしておりますわ。あ! ゆっくり、くれぐれもゆっくりいらしてください。お姉様からのご指示ですわ」
そう言い残して、シルフィーヌは淑女としてギリギリのラインで走り去っていった。
唖然と見送った俺をトレイシーがニヤニヤと何か含みのある顔で眺めている。仕方なしに、もう一度、席に戻って窓の外を眺める。
ゆっくりとは、どれくらいゆっくりすればいいのだろう。
俺としては、一分でも、一秒でも長く彼女といたいのに。
「もういいだろう? トレイシー行くぞ」
5分が限度だった。
駆けだしたい気持ちを何とか抑え、いつもの歩調でラウンジへと向かう。
魔力感知を抜け、ラウンジへ続く階段を進むと、中から彼女たちの少しはしゃいだ声が聞こえてくる。
やはり、女性同士は何かと華やかになるのだろう。こんなにも弾んだ声は、俺の前では出してくれない。中はどんなことになっているのか、気にならないわけがないが、覗くのはやはりマナー違反だろう。
すぐに扉を開けたいが、そうもいかない。
ぐっと気持ちを抑えて、扉をノックする。いつものようにしているはずなのに、いつもより緊張するのはなぜだろうか。
ふぅっと息を吐いたところで扉は開かれた。
そこに居たのは……
被害者2 セシル=コランダム
今日は学園へソフィリア……じゃなく、王弟殿下を訪ねる日だった。
王宮の執務室で王弟殿下への書類を纏め、ついでに今日のソフィリアを記録する魔道具を忘れずに荷物へ入れた。
出来ることなら、毎日、登下校の時に送り迎えをしたいが、俺の方が王宮に上がるために時間が早く、それに彼女を合わせさせるわけにはいかない。
早く王宮の職を辞して、彼女と共にコランダムでゆっくりした結婚生活を送りたいが、父が引退するまでは帰ってくるなと言われている。彼女も卒業後、しばらくは魔術師団に入るから仕方のないことだが。
のんびりと暮らせないなら、いっそ、魔術師団付きの職に変えてもらうのもてかと、移動願を出すことを考えている。
そうなると、今度の壁はジェラルド義父上となる。なんとも悩ましいところだ。
学園に着いた俺は、最短ルートでソフィリアのいるラウンジへと急いだ。
だが、どうしたことか、そのラウンジの扉の前で王弟殿下が固まっているではないか。
「殿下、どうしたんです? 何故、中へ……」
殿下の隣で苦笑いのトレイシーは、黙って首を振るばかりで、どうやら呆れてものも言えないといった体だ。
一体、何が起こっているのかと彼らの隙間からラウンジの中を伺うと……
――――――――――
「どうですか、これ? 今日は猫の日なのですって! この耳、ソフィ姉さまが作られた魔道具なのですのよ。ほら、触ってみてください。ふわふわですの!」
「あ、あぁ、本当だ。ふわふわだね。この色は君にとても似合っている」
「髪色と同じ銀で作っていただいたのです。私の意思で動かせるし、撫でていただくととても気持ちがいいです……」
「っ! シルフィーヌ、撫でさせるのは、俺だけにしてくれ」
「……?」
「あら、セシル来たのね。どう? これ、意識同化も出来るようにしてみたの。動くし、感覚もあるのよ。触ってみる?」
「ストップ! そのまま、笑顔はこっち……動かないで」
「……発作?」
「あぁ、その見下すような顔も素敵だよ、ソフィ―リア」
「相変わらずなのね……」
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被害者3 トレイシー=パライパ
その後の皆さんはもう食事どころか、授業や仕事どころではなく……
「お嬢様方、とても可愛らしいですよ。さぁ、お茶を飲んでゆっくりしてください」
何とか落ち着かせて食事をとらせ、午後の授業に四人分の欠席届を出し、今日提出しなければならない書類を分けて、震える殿下の手を眺めながらサインを待つ。
いつか、僕にも猫耳つけて微笑んでくれる彼女は出来るのだろうか……
というわけで、急に思いついて書いてみました。
大体、一番の被害者は側近たちになる (;^_^A




