コトの始まり
お久しぶりでございます。
マナミは起きたら、まずはご飯にかかりました。
トーストを焼いてバターと苺ジャムを塗り、冷蔵庫に存在するケーキを食べました。
ベルにはミルクを与えておきました。
あとは勝手に物色して食べるので、放っておきます。
父母は仕事。
妹は修学旅行。
兄はどこぞ?
家には今、マナミとベルのふたりだけです。
ベルは遠慮なく人型になり、お玉で素振りをしています。
マナミはアリアの頃を思い出しているので、全国語を知っています。
この間に宿題を終わらせました。
一応、ところどころ間違えておきました。
一時間後。
だらだらとふたりで『銀魂』を観賞しています。
「マナよ。まだ桂小太郎は好きか?」
「大好きさ」
「そうか」
「カワイイよ。小太郎くん」
「……。ま、中身もカワイイからな。ヅラ様」
銀魂の単行本が開かれました。
「高杉晋助、イイな~」
マナミはぼそっと言いました。
「え?マナは銀サンだろ。百歩譲っても白夜叉だろ」
「高杉は夜叉(アリアの友達)にソックリだろーが!」
「どこが!?」
「もしくは…グイル?」
「うむ。グイルくんだ。確かに」
『この世界をぶっ壊す』
そう。奴はそう言ったっけ。
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ロジャーの絶叫が聞こえてきました。
「!?」
「何?何?どうした?」
マナミとベルが戸を開いて聞くと、ロジャーは泣きそうな声で答えました。
「りゅーくんがされわれたァァァ!!」
沈黙・・・・・
「「なんじゃとゴルァァァァァああァァあ!!!」」
ふたりは勢いよく室内に戻りました。
ベルが真剣を素振りしている間に、マナミは巫女の衣装に手早く着替えました。
「何でそんなもんがあるのか」という質問には、床に四散したプリンセス、ナース、妖精、ミニスカポリスなどのコスチュームを御覧になることで勘弁していただきたい。
戦闘態勢になったふたりは、テイカー邸に踏み込みました。
「「たのもーーー!!」」