序章
お久しぶりです。
さァ、今月も暴れちゃうよ。
選びなさい 道を
逆らいなさい 運命に
もがき続けなさい 一生を
他愛もない言葉だった
だが、そう言った者は、モノローグをやってるこの人を殺して消えたのです。
アリアという、聖安国の女王でした。
モノローグは続きます。
どんなに恋い焦がれても 手は届かなかった
どんなに恋い焦がれても 表現することはかなわなかった
彼の漆黒の髪を、風がゆさゆさと揺らしています。
『闇の王』と云われる彼は、我らが世界、魔法界でいう“無族界”に来ています。
一波乱起こりそうです。
『ヅラじゃない キャプテンカツーラだ』
もうおなじみの目覚まし音の後、愛美はスグに起きました。
「おはよう。竜、ベル」
「「おはよう。マナ」」
「…はい、はい。はあ。分かりました。気をつけます」
ガチャン☆
魔法界と繋がる電話を、ロジャーは置きました。
そして「む~ん」と唸ります。
「どうした?」
愛美ちゃん作のクッキーをつまみ食いしながら、竜がやって来ました。
本日はテイカー邸にて、お菓子作りが行われているのです。
ちなみに、竜はすでに五回ほどオーブンを紅蓮の炎の世界にしたので、休んでいます。
クッキーも炎上させていました。
「いや~なんか。闇の王さまがこっちの世界に来てるらしい」
「日本に?琉球王国に?」
「さあ。どこにいるのかまではわかっていないみたい」
ふ~んと鼻をならす竜。
しかし、ふたりは知りませんでした。
愛美がホットケーキミックスを混ぜながら、その話を堂々と聞いていることに。
「闇の王」
一瞬、愛美の茶色い瞳が青色の光を帯びました。
でもそれは、マナミ本人を含む誰も気がつきませんでした。
最終章に突入しました。
今から次回作を考えています。
候補は、王様モノ。旅物語。魔法界の学園モノ。悪魔2匹と女の子の話。
どうしようかと思っていますが、一番やりそうなのは“戦記モノ”ですかね。
じゃあ、サヨナラ。