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なんか妹の距離が近い気がする。  作者: シマイノ=ユリスキー
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37. 浴室での姉

~姉視点~


 夕食を取り、リビングのソファでスマホをいじりながらだらけていると、軽快な音楽が聞こえてきた。これから一日の疲れが取れる楽しみが待っている。そう、お風呂だ。


「美優、お風呂先に入っちゃうね。」


「はい、どうぞ。いつものように洗濯物はカゴに入れておいて下さいね。」


「いつもありがとね。たまには洗濯私がやらなきゃって思ってはいるんだけどね…。」


「気にしないでください。私がやりたくてやっているだけですので。」


「そんなこと言われるとずっと甘えたくなっちゃうじゃん。いつか美優なしじゃ生きられなくなりそう。」


 熱出した時に本気でそう思った。もう少ししっかりしないととは思っているんだけどねぇ。このままだとどっちがお姉ちゃんか分からなくなっちゃいそう…。


「そうなればベストですね。」


「真顔でなに怖い事言ってるのさ。そこまで堕落する予定はないよ。じゃあ行ってくるね。」


 真顔の美優に少し恐怖を感じ、その場から逃げ出す。あれはマジの顔だった…。


 洗面所兼脱衣所についた後、服を脱いでカゴに入れておく。最初のうちはしっかり畳んで入れていたが、最近はある程度整っていれば良いだろうって感じで適当になってしまった。


 浴室に入った後は先にクレンジングと洗顔を済ませる。面倒くさがりやな私ではあるけれど、こういうケアはしっかりしておかないと後々さらに面倒くさいことになってしまう。


 シャワーを浴びながら髪を洗うためにシャンプーを探す。………?なんかいつもの場所にない。


「シャンプー…シャンプー…。」


「はいお姉さま。」


「ああ、ありがとう。」


 私がシャンプーを探していると、美優が渡してくれた。助かった。


「あっ、たまには私が髪を洗いましょうか?」


「いいの?じゃあお願い。」


「任せてください。」


 どうやら美優が髪を洗ってくれるらしいので素直にお願いする。


 最初は頭皮をマッサージするように、そのあとは髪の毛を撫でるように洗われる。ゾクゾクとした気持ちよさが頭から全身に広がる。初めて美優に髪を洗ってもらったけれど、結構気持ちいい。………ん?美優?


「えっ!?美優!?なんで!?!?」


 思わず飛び上がり目を開けてしまう。当然のようにシャンプーが目に入り、激痛が私を襲う。


「あ゛~~~~~~!!!!!!!!!!目がぁぁぁぁあっ!!!!!!!!!!」


「お姉さま!?い、急いで目を洗って下さい!!」


 美優に促され、急いで目を洗い流す。




 数分後、痛みが取れた私と美優は浴室で向かい合っていた。上下共に腕で隠そうとするがやっぱり恥ずかしい。それに、美優は何故か隠す気ゼロなので必死に視線を向けないようにする。ちょっとは羞恥心を持ってくれない???


「それで、どうして美優がここに?あまりにも自然すぎて気づくのに遅れちゃったよ。」


 当然のように会話してたから反応に遅れた。いや会話始めた時点で気づけよ。


「ふと、一緒にお風呂に入りたいなと思いまして。」


「考えてからの行動の早さにお姉ちゃんびっくりだよ。」


 もうちょっと迷ったりしようよ。なんで入ってきちゃうのさ。


「嫌でしたか…?」


「別に嫌ではないんだよ?でもさ、ちょっとは躊躇しようよ。ほら、私達大学生だよ?子供じゃないんだよ?」


「嫌ではないなら大丈夫ですね。続きをしますので前を向いてください。」


「私の言葉一切響いてなくない??」


「細かいことは気にせず前を向いていて下さい。また目に入りますよ?」


「うっ…。それはいや…。」


 おとなしく前を向いて身を委ねると、再び髪を洗われる。丁寧な手つきで洗われるからか、やはり自分でやるより気持ちいい。


 美優の鼻歌まで聞こえてきた。ちょっと前から私の髪を梳かしてくれるようになった美優だが、その時も鼻歌を歌っている。私の髪を触っているときに鼻歌を歌うのは多分無意識なんだろうなって微笑ましく思う。言ったら止めちゃうかもしれないから言わないけどね。




 ………ん?あれ?なんか気づいたら一緒に入る流れになってない???


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