表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんか妹の距離が近い気がする。  作者: シマイノ=ユリスキー
19/56

19. 疲れた姉と寄せる妹

~姉視点~


 今は大学からの帰り道、美優と一緒に駅のホームで電車を待っている最中だ。もちろん手は繋いでいる。姉妹だもの。


「いやぁ久しぶりの大学はやっぱつかれたなぁ…。」


 本当に疲れた。今すぐ座りたい。席空いてるといいな。


「お疲れ様です。今日は帰ったらすぐにご飯らしいですよ。」


「おっ、やった~。おなかぺこぺこ。」


 ………くぅ。


 ご飯のことを想像したからか、お腹の音が鳴ってしまう。めっちゃ恥ずかしい。


「ふふっ、そうですね。私もお腹が空きました。」


 美優の微笑みが私の恥ずかしさを加速させる。止めて!!そんな微笑ましい顔でこっちを見ないで!!


 その時、都合よくアナウンスが入る。良かった、これで誤魔化せる。


「ほ、ほら、もうすぐ電車来るからこっち見てないで前向いて。危ないでしょ?」


「ふふっ、分かりました。可愛らしい音のことを忘れて前を向いておきます。」


 むぅ…、くやしい。美優にからかわれてる…。お姉ちゃんの威厳が…。私は完璧なお姉ちゃんのはずなのに!!!




 電車が到着したので乗車する。都合よく二人分の席が空いていた。


「ふぅ…。座れてよかった。」


 今日は疲れてたから座れて本当に良かった。


 …はぁ~、それにしてもちーちゃんのほっぺたすべすべだったなぁ。萌ちゃんのほっぺたももちもちで良かった。…美優のは……なんというか、恥ずかしくて触れなかった。


 てか猛烈に眠い。やっぱり体力めっちゃ落ちてるなぁ。数か月病院生活だったし、しょうがないか。


「ふわぁ…。」


 思わずあくびが出てしまう。美優に見られていて恥ずかしい。………今日恥ずかしい事いっぱいあったな。


「お姉さま、眠いのですか?」


「うん…ねむい……。」


 まぶたが重い。


「後で起こすので、寝てしまって大丈夫ですよ?」


「ん~、じゃあおねがい…。」


 げんかい。むり。ねる。


「はい。おやすみなさいお姉さま。」



―――――


~妹視点~


 お姉さまは寝てしまった。


「ふふっ可愛い。」


 お姉さまの寝顔はとても可愛い。もちろん普段から可愛いが。


「大学お疲れさまでした。」


 やはり久々の大学は精神的にも肉体的にも非常に疲れるのだろう。


 私達のために同好会の集会も開いてくれた。感謝しかない。お陰で千咲さんと知り合うことができた。


「もうすこし自分のことも大切にして欲しいのですが…。」


 お姉さまは私のことを可愛がってくれている。出会った当初からそうだった。ただ、それに感謝こそすれ慣れてはいけないだろう。しっかり恩返ししなくてはいけない。


「うぅん…。」


 お姉さまが頭を揺らしている。そっと頭を私の肩に寄せる。


「ん~…みゆちかいぃ…」


 寝言のようだ。どうやら夢の中でも私はお姉さまに迫っているらしい。


「ふふっ、姉妹なら普通ですよお姉さま。」


 私は小声でささやく。


「そぅなの…。」


「はい、そうですよ。」




 降りるまでまだ時間はある。そのまま夢の中の私と楽しんでもらおう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ