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Express BRZ  作者: Elena
第四章 赤城大沼公道レース
44/82

足尾本山

 草木ダム湖畔のワインディングロードは沢入駅まで。

 ここから足尾の町までは、国道122号の一本道だ。

「はぁっ」と、三条神流の溜め息。

(いつもこれだ。まともに明るい時間にデートしようにも、日菜子や恵令奈、玲愛が入って来て、二人きりになる事は夜。それも、ラブホでレイプされている時。前の彼女、美穂の時もそうだった。なんで、俺の気持ちに横槍入れるんだよ。そして、いつも、その第三者の横槍で、積み上げた物が台無しにされる。ふざけるなよどいつもこいつも。だから目的の為なら手段を選ばないって決めたんだ。)

 と、三条神流は思う。

 なぜなら、松田彩香と三条神流の2台だけだったのに、今、三条神流の後にロータスが2台付いて来ているからだ。

 日菜子と恵令奈。二人と松田彩香の会話を、三条神流は遮る事は出来ず、また、遮る権限も与えられておらず、結局4台体制の隊列だ。

 原向駅を通過し、わたらせ渓谷鐡道の線路と立体交差して、足尾の町に入ると、旧街道である銅街道に入って足尾の町の中心部を通り、通洞駅、足尾駅を通過して、わたらせ渓谷鐡道の終点である間藤駅を通過。行きついたのは、足尾銅山の中心だった足尾本山駅。今は廃駅になり、かつての鉱山施設とともに、その残骸を今に残している。

 赤倉バス停の転回所から、バックで古河橋に入ってそこで車を止める。

「こんなところに。路上駐車じゃねえか。普通に駐車違反。」

 三条神流は舌打ちする。

 だが、その舌打ちの意味は別にあった。そして、恵令奈と日菜子は勿論、松田彩香が一番その意味を分かっていた。

「分かっている。」

 と、松田彩香は肩を落としながら言った。

「咲さんも、草木通過してこっち来るって。」

 恵令奈が言う。

「そっか。」

「随伴あり。」

「ビックセブン?」

「そうらしい。」

 その話を聞いた三条神流、嫌になった。

 三条神流、いきなりZD8型BRZに飛び乗るとエンジンをかけて赤倉バス停から、更に山を登って足尾ダム方面へと飛び出して行ってしまった。

 路肩の埃を巻き上げながら、三条神流のZD8型BRZは足尾ダムまで登って行くと、バスの転回所で盛大にスピンターンを決める。

 そしてまた、赤倉バス停まで降りて来ると、そこでまた転回。

 不満が爆発して、憂さ晴らしをしているのだが、ただ闇雲に走っているのではない。

(ターゲットタイムマーク!)

 赤倉バス停から足尾ダムまでの往復のタイムを計って、タイムアタックをしているのだ。

 龍蔵寺前バス停を飛び越えるように通過。

 横目に、足尾本山のお化け煙突を見ながら駆け抜けると、前方に右コーナー。

 タイヤを鳴らして通過し、橋を渡って緩い左コーナーを通過。

 ストレートを一気に加速しながら駆け抜ける。

 緩いS字を抜けた先が、足尾ダムのバス転回所。

 そこでスピンターンをして、また戻る。

 赤倉バス停で再度ターン。

「よし次!」

 タイムを確認すると、もう一度アタック。

 バックミラーを見ると、遠くにダークグリーンのN-ONEが見えたが無視だ。

 だが、その周回を終えた所で、松田彩香に止められた。

「やるならここでやれ。」

 と、松田彩香は案内を見せる。

「群馬サイクルスポーツセンター。通称「群サイ」の走行会の案内だ。行くだろう?」

 と、ナガトが言う。

「霧降艦隊も行くってさ。」

「要するに、強制参加だろう?ああ。分かった。行く。行きゃいいんだろ。」

 三条神流、不貞腐れる。

「話は草木でしよう。」

 ロドネイが指で草木ドライブインの方向を指す。

「なら、最初から草木で集まれば良かったのでは?」

 三条神流舌打ち。

「察しろ。お前らの立場-。」

 ナガトが言う。

「前にも言った。」

「くだらない。」

 三条神流は溜息を吐く。


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