表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Express BRZ  作者: Elena
第一章 出会い、SUBARU BRZ
11/82

車屋・S660

 タクシー会社を出て、松田彩香は次に前橋市亀里町に向かうのだが、その途中の下佐鳥付近で「あっち向け!」と言う。しかし、そこに何もない。なので、「何?」と聞いて「ああ」と三条神流は納得。

 そこには、日本中央バスの本社があって、明和県央高校のスクールバスで使用している日野セレガHDが止まっていたのだ。

 松田彩香は一瞬驚いたが、バイト中にバスを見て発作が起こる事は無くなったようだ。

「ああ、ごめん。なんでもない。それより、霧降と昨日話したんだけど、昨日、カンナ「車欲しい」って言ってたじゃん?霧降がキャンピングカーを下取って代わりにちょうどいい車を用意しているって。」

 松田彩香は言いながら、亀里町のカーショップに入る。

 ここは、霧降要の働くカーショップ「マルシェ」。「両毛連合」の内、松田彩香率いる旧連合艦隊のメンバーの車のほとんどはここでチューニングやメンテナンスをしている。

 霧降要は、松田彩香の赤いGR86の姿に気付いた。

「来たな。」

 と、霧降要。

「一応、候補は数台用意してある。」

 言いながら、霧降要はそれを案内する。

「俺は、アヤへの憧れから、スポーツカーが欲しい。アヤの隣に居るに相応しいような。」

 三条神流は言うのだが、霧降要の用意していたのはどれも軽自動車。

「あのさ、何これ?N-ONEって、加賀美と被る。つか、代車をそのままボッタクリ売りするの?」

 と、松田彩香。

「なら、こっちはどうだ?」

 霧降要はその隣のCR‐Zを見せる。

「ふーん。まぁ良いかな。でも走行距離は―。って20万キロ越え!?」

 松田彩香、納得しない。

 その隣、蒼いHONDAのS660に目が留まる三条神流。

 三条神流は「ふーん」と、S660を眺める。

 後ろから、松田彩香に肩を叩かれる。

「ごめん。カンナの車を決めるのなら、カンナが決めること。私があまりギャンギャン口出ししちゃね。でも、変な車買って後悔して欲しくないの。」

 と、松田彩香は言う。

「いや、気になってさ。」

 三条神流が答える。

「一応、これでもお前のキャンピングカー下取ってお釣り来る。HONDA S660モデューロX。掘り出し物だぜ。」

 霧降要がニヤリと笑って言う。

「こいつは、走りを良くするパーツがデフォルトで付いているハイグレード車だ。かなりお買い得だ。」

「待って。なんでその値段なの?」

 松田彩香が口を挟む。

「いやぁそれが、少々訳ありなんだよ。前のオーナー達さ。最初のオーナーは酒の飲みすぎで死んで、次のオーナーは女遊びが過ぎて、借金抱えてトンズラし、競売にかけられここに格安で来たってわけ。おかげでこの車は、オーナーを破滅させるって曰く付きになっちまったのさ。」

 苦虫を嚙み潰したような顔をして、霧降要が答える。

「要するに、ハイグレード車ながら、前のオーナーの戯言で、その真価を発揮できないでいるから、格安ってわけね。」

「買う。」

 三条神流は言う。

「よし分かった。なら、キャンピングカー持ってこい。そいつと交換だ。まぁ試に1週間試乗して、それから本決めと行こう。」

 霧降要に言われ、三条神流は一旦実家に戻ると、ここからは一人で、キャンピングカーをマルシェに持って行き、そして、S660を引き取ると、そのまま試運転に向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ