新たなる光
今作がはじめての執筆・投稿となります。
不出来な点など多数あると思いますが、よろしくお願いいたします。
目をあけると、光り輝く太陽の光が降り注ぐ。
どうやら俺は倒れてしまっていたようだ。
むくりと身体を起き上がらせると心地よい風を感じる。
「ふぅ…。どうやら本当に異世界転生をしてしまったようだ。」
湿った地面に座ったまま、気持ちを落ち着ける。
少し寝ぼけたままの頭で辺りを見回す。
しかし、目に入るのは一面に広がる木々。
そしてそこの間にある簡易的な広場みたいな場所にどうやら自分はいるようだ。
耳を澄ますと聞こえるのは、鳥とおぼしき綺麗な鳴き声のみだ。
「さて、ここからどうしたものか。何にもわからないぞ。」
重い腰をあげ、途方にくれていると後ろのほうから、ふと声をかけられる。
「あれ、気づいたんだ!大丈夫…ですか?」
振り返ると、そこには女性が1人。ゆっくりとこちらへと歩いてくる。
綺麗な薄水色の肩にかかるくらいの髪に、薄緑色の目をしている。
身長は…自分の身長と比較するに、大体150cmから155cmくらいだろうか。
服装などはRPGなどでよく見る簡素な村人の服といっても差し支えないだろう。
「身体のほうは問題ないんだが…頭のほうが問題でね。ここがどこかもわからないんだ。」
彼女はふふっと口に手を当て、小さく微笑むと、小さなコップに入った水らしきものを差しだしてくれた。
「とりあえずは飲んで落ち着いてください。地球からの探索者さん…ですよね。」
コップを受け取るも、飲むのを躊躇してしまった。
まさか異世界の住人から先に地球出身を言い当てられてしまうとは。
ゆっくりと水を口に含み、思考をまとめる。そして真っ先に考えた言葉を発する。
「俺、天雲 蒼と言います。お姉さんの名前も教えてくれませんか?」
少しの間のあと、微笑むお姉さんの顔が俺の印象に深く残ることになった。
◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆
目を覚ましたときには明るかったが、現在は夕焼けになっている。
「鳴さんの勉強会、めっちゃくちゃためになりました!!」
「まだまだ話しておかないといけないことはあるんだけどね。遅くなっちゃったね。」
時計などないので時間はわからないがかなり長時間、お姉さん。もとい、鳴さんにこの世界について色々教えてもらうことができた。
話して頂いた内容を要約すると、この世界の名前は「ディザイア」。
そして、俺が今いる地は7つある国のうちの1つ、カタルギ王国という国にある小さな森らしい。
誕生や歴史などはわからないが、ディザイアには昔から語り継がれる伝説がある。
暗闇に7つの星が集うとき、強大な力を呼び起こし、どんな願いをも叶える。
そしてまた新たな7つの星を呼び出すことだろう。
この伝説を聞いた時、改めてディザイアにきた理由をはっきりと認識する。
たった1つの目的のために俺はここにきたんだ。
「蒼くんも、探索者ってことは願いがあってここにきたんだよね?教えてくれないかな?」
「少し長くなりますけど、それでも良ければ…。そうですね、自分が16歳のときのことなんですが…」
ふと空を見上げると、暗闇に星が綺麗に瞬いていた。