ラーメンを極めた私が近年のラーメン家になろうに一言物申したい。味噌ラーメン食おうぜ!!
酢を入れる派です。
ラーメン、それはロマンである。
それと同時に私は近頃のラーメン家になろうにおけるラーメンの在り方に疑問を呈している。
昔、友人達とラーメンをしたときの出来事を話そうと思う。少し長くなるがご容赦願いたい。
その日、私は友人の車で隣の県に住む別な友人の家へと向かった。
ラーメンが美味しいと有名な場所とあってか、私達のテンションは高かった。
友人宅へ着くや否や、私達は誰から言うでも無くラーメンを食べに行くこととなった。
たしか男女七人だったと記憶している。車二台で昼時の町を走った。
友人の案内で美味しいラーメン屋へと着いた。
奇跡的に数グループ待てば座れる好条件だった。
空腹とハイテンションで、待つのは全く苦にならなかった。醤油ラーメンが美味しいのだと、友人が嬉しそうに話してくれた。
三十分程待っただろうか、ようやく席に座れた私達。大テーブルに、男女七人が腰を下ろした。
友人は席に着くなり、受け取ったおしぼりで顔を拭いた。のっぴきならないラーメンマンだなと思ったのはココだけの話だ。
メニューを見てオーダーを決めるメンバー。
私は既に決まっているので、口元に手を当て悩む友人達を待った。
最初に何を頼むか。それでその人のラーメン力が知れる。友人と言えども、私は容赦しない。
「じゃあ……チャーシュー麺かな」
無難。
それが率直な私の感想だった。
「お前は?」
私は口を静かに開いた。
「味噌ラーメンで」
アホかと友人が失笑したが、これには理由がある。
醤油ラーメンが美味しい店で何故味噌ラーメンを頼むのか。
それをココでハッキリと申し上げよう。
「俺は味噌ラーメンが好きなんだよ!!!!」
だからって折角来た店で頭大丈夫か?
そんな疑問が沸きそうだが、一つだけ言い訳させてくれ。
「何食おうが俺の自由だろ!!!!」
そんな訳で私は味噌ラーメンをオーダーした。
勿論友人達は全員醤油ラーメン。
次々運ばれてくる醤油ラーメンと味噌一つ。最高!
私自身、ラーメン屋に行くことはたまにあるが、いつも味噌ラーメンだ。
どんなに他のメニューが有名でも、いつも味噌ラーメンだ。
味噌ラーメンを頼むことになんら躊躇いは無い。
それ程までに味噌ラーメンが好きだ。
「味噌ラーメン美味いのか?」
友人が一口食わせろの姿勢を見せている。こうなれば私の勝ちだ。
三つ星味噌ラーメン家ともなれば、味噌をシェアすることすら厭わない。
が、その日は流石に一筋縄でいかなかった。
「俺も」
「俺も」
「俺も」
「私も」
「私も」
次々とレンゲでさらわれてゆく味噌スープ。
「味噌も悪くないな」
「だろ?」
俺は満足げにこたえた。
「でも麺と一緒に食べたらもっと美味いんじゃね?」
友人の一人が悪魔のささやきを漏らした。
以前エッセイに載せた、焼き肉屋で一緒にパフェを食べた友人だ。
容赦なく麺とスープをさらってゆく友人。
「俺も」
「俺も」
「俺も」
「私も」
「私も」
私の味噌ラーメンは、瞬く間に消えた。
以上だ。
如何にラーメン屋における味噌ラーメンが重要だったか、実に良く窺い知れた出来事だったと思うし、読者の方にも鮮明に伝わったと思うだろう。
最後に、ラーメン屋を出た友人が発した一言を残して、ラーメン家になろう極上エッセイを締めようと思う。
「やっぱり醤油が一番だな!」