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22話 手紙



お元気ですか。

わたしは元気です、といっても、わたしみたいな不死の存在(化け物と言うとロディやイヴが怒るので最近止めました)に元気も何もないのでしょうが、特に変わりなく過ごしています。

突然このような手紙が届いて驚いていることと思います。

もしこの手紙を迷惑だと感じたら、この時点で破棄してくれて構いません。

文字の読み書きの練習をするのに、手紙を書くと良い、と助言を受けたのですが、送る相手があなたしかおらず、こうして筆をとってみました。

まだ練習中のため、ところどころ文章がおかしいかもしれませんがご容赦ください。


ここまで読んでくれているということは、破棄しなかったということでしょうか。

そうだったら嬉しいです。


昔も今も文字の読み書きができるあなたからすれば何故読み書きを、と思うかもしれません。

わたしは五百年生きていますが、今まで読み書きどころか、勉学というものをしたことがありませんでした。

しかし、この世界に来て、色々とあって、わたしは読み書きを学ぶことを決めました。

最近は簡単な計算も学んでいます。

少しずつですが読める本も増えてきて、嬉しいと感じています。

何かお薦めの本があれば教えてください。


最近、ますます暑くなってきていますね。

わたしがいた街よりは涼しいと思いますが、それでも日差しが強いと感じる日が続いています。

そちらはどうですか?

海に近い街なので、王都よりは涼しいと聞いていますが、やはり暑いのでしょうか。

本当は直接会いたいのですが(あなたはきっと嫌がるでしょうね)、ロディとイヴに止められています。

残念です。

もしこの部屋から出る時が来たら、会いに行きたいと思います。

どうかその時までお元気でお過ごしください。


ロディとイヴといえば、わたしは二人の番となりました。

二人の男性に、一人の女性(といっても不死の吸血鬼という特殊な種族ですが)なんて不思議な話ですが、話を聞いてみると、この国ではそこまで珍しい話ではないそうです。

一人の夫に二人の妻、二人の夫に一人の妻、といったことはよくあるそうです。

その話を聞いたときは少し驚いてしまいました。


番といえば、最近、少し悩んでいます。

人とのお付き合い、交際というのはどのようなものなのでしょうか。いえ、どのようなことをするのでしょうか。

実はもう一ヶ月も経つのに、二人とも何も変わらないのです。

しかし、どこか苦しそうな、我慢をしているような様子も見られるのです。

わたしはどうしたらいいのでしょうか。

すみません、このようなこと手紙で聞かれても困りますよね。

今日あたり、勇気を出して二人に直接聞いてみようと思います。

隠し事は離別の始まり、とわたしが昔お世話になった女性も言っていました。


わたしの話を長々としてしまいました。

もし、ここまで読んでくれていたのなら、嬉しいことこの上ありません。

ありがとう。


どうか、これからのあなたが少しでも笑顔で、元気にすごせますように。


追伸

わたしへの返事は中身を確認しないと約束してもらいました。

何か力になれることがあればいつでもお手紙をください。

できる限りの力になることを約束します。


サトウハナコ様

アイより





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