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艦艇造船妨害工作戦闘日誌  作者: アザゼル9
1/1

恐るべき妨害員

第1戦目−プロローグ


ザッ!!

「ここか。」

大日本帝国海軍造船工作棟と書かれた大きな門の前で若い新兵が大きなリュックを背負いながら、見上げて言った。

大きな門は、人が、通る通路と車が通る通路にわかれていて、車の方は、踏切のバーみたいなのが付いているのが見える。人の通路らしい方へ進んで行く。すると門番らしき男が出てきて、品定めでもするかのように上から下まで見て、言った。

「今日、配属の作業新兵か?」

と、訪ねてきた。

急いで姿勢をただし、敬礼をして、こたえた。

「はっ、自分は、今日から配属されました。造船工作作業新兵、〇〇です。よろしくお願い致します。」

すると門番らしき男は、

「聞いている。ここは、戦場では、ないが、危険な現場では、ある。気を引き締めて大日本帝国の為に頑張って欲しい!!」

「はっ!!精一杯努力致します。」

と改めて背筋を伸ばしつつ、『危険?』っと心では、疑問も感じた。

 門番らしき男は、自動改札機見たいな方を指差し、

「送られてきた階級章をそこにかざす事で入館出来る様になっている。入ったら、まず、館内バスのバス停があるのでそこから階級章を見せてバスに乗り、配属先のバス停で降り各棟のリーダーの指示に従って行動してくれたまえ。」

「ありがとうございます。」

頭を深く下げ、自動改札機へ向かい、届いていた階級と顔写真が記載されている。自分の階級章をかざすとガチャン!!っと音を立てて扉が開いた。

 『ここからがお国の為に働けるチャンスだ!!』

心に強い決意を持ちバス乗り場へ向う。そこには、多くの人が並んでいて、階級章の顔写真を警備員に見せて本人確認をしてから乗り込むようだ、前の人と同じ様に階級章を見せ「良し!!」っと、言う声を聞きバスへ乗り込む、バスは、各棟のそばにバス停があり、そこの棟名がバス内にアナウンスされた。色々な形の棟がある。普通にビルのような形やデカい2階建てのプレハブ小屋見たいな棟やフォークの様に何列にも別れその間に海があり船が浮いている上に動く屋根のついた小屋型のクレーン見たいな場所もあるし、横に長い半円形のかまぼこみたいなのが何列にも繋がっているような棟など、と外の建物を眺めていたら、このかまぼこみたいなのの前で、

「次は、作業棟〜作業棟〜」

『自分の配属先は、ここだ。』

バスから降りて、作業従事者事務所と書いてある方へ向かう。

ガチャ!!!

扉を開く。するとそこには、受付らしいカウンターがあり、そこに女性が座っていた。

「おはようございます。新しく配属された方ですね?」

「はい、今日から配属させていただくこともなりました。〇〇です。よろしくお願いします。」

姿勢をただし敬礼をした。

「2棟責任者の石井いしい隊長が3階でお待ちです。」

と表情を変えずに言い終わるとパソコン画面に向き直る。(冷たい感じの女性だ)

「はっ、了解しました。」

と敬礼、階段に向かった。

階段を上がると2階が見えた。2階は、多くの長い机と椅子がならび、他の作業兵がくつろいでいるようだ。入口には食堂と書かれていた。更に、上がり3階に着くと長い廊下と何箇所かの扉、その中に、2棟隊長室と書かれた扉があった。

『ふうっ、緊張するな』

心を落ち着け、扉をノックしながら。

「今日、2棟配属になりました。造船工作作業新兵の〇〇です。」

と、大きな声をだした。

「入りたまえ。」

と中から返事が帰って来る。

ノブに手をかけて、

「失礼致します。」

とドアを開く。そこには、高そうな机に一人の強面の男が座ってこちらを見ている。

「話は、聞いている。私は、2棟の責任者の石井と言う。君は、この2棟で、歪み職人について、学び君も歪み職人になってもらう。これから案内をするが、まず入館説明会に出て貰う。案内を用意するので2階の席に君の名前が書いてある席がありそこに作業着もおいてある。案内が来たら、ロッカーと説明会会場に案内させる。それまで、2階で待っていてくれたまえ。」

静かに淡々と話しているが、威圧感と値踏みされている感じが感じ取れた。

「了解しました。それでは、失礼致します。」

と、敬礼をして部屋を出て、2階に向かう。

2階は、職人たちが大勢いた。その中から自分の席を探す。

周りを見ると天井から1棟〜6棟など書いたプレートが吊るされていた。その中から2棟のプレートの下の長テーブルを見ると、椅子の前に名前が書いたシールが貼ってあった。その中から自分の名前を探し席に着いた。席には、言われていた。作業着とヘルメットと防塵マスク、防火頭巾、脚絆、革手袋、が置いてあった。

『着替えて待っていた方が良いのだろうか?しかし、後で、ロッカーも案内すると言っていたし、待っているか。』

少し待っていると優しそうなイケメンの男が近づいて来た。

「おはようございます。自分は、神谷かみや 信事しんじといいます。よろしくお願いします。こちらの案内を任されました。」

と、挨拶をして優雅にお辞儀をする。

「よろしくお願い致します。自分は、今日配属の〇〇と言います。」

勢いよく席を立ち敬礼をする。

「それでは、その荷物を持って付いて来て下さい。まず、ロッカーにそれから、入館説明会の会場にご案内しますね。」

と、優しく柔らかい感じに話し、後ろを気にしながら移動しようとする。

「はい、よろしくお願いします。」

と、言い終わるのを聞くと神谷さんは、移動を始めたので付いて行く。

3階に上がり、その中の男子ロッカー室と書かれた扉に入って行く。

中は、大量のロッカーが並んでいた。列ごとに1棟とか天井からフダがかかっているのは、2階と同じ見たいだ。

「ここが君のロッカーだよ。作業着に着替えて荷物は、しまって、説明会場に行こう。それでは、自分は、外で待っているから、着替えて出てきてね。」と言って廊下に出て行った。

「了解しました。」

と答え、慌てて、ロッカーを開けて荷物をしまい作業着に着替える。マスクなど置いてあった物ももって、ロッカールームから出ると、入口に待ってくれていた神谷さんに

「お待たせしました。」

と、頭を下げた。

「早かったですね。それでは、行きましょう。」

と、返すと歩き出した。そして、作業従事者事務所から外に出て、しばらく歩くと、管理事務所と書かれた大きな建物(さっき通過したビル見たいな建物)に入って行く。2階に上がり、入館説明会場と書かれた部屋の前で

「この中で席に付いて待っていてくれれば始まるので後は、中の担当者に従ってくれればいいので頑張ってね。自分は、作業に戻るから」

と、工場へと戻って行った。後ろ姿に敬礼しながら、

「ありがとうございました!!」と声を上げると、ヒラヒラと手だけで挨拶を返しながら、さって行った。

緊張しながらノブに手をかけ、ガチャ!!ドアを開けて中に入ると他にも何名か座っていた。

「入口の名簿にサインして空いている席に座って待っているように。もうしばらくしたら始まるから。」

黒板の前にいる。上官らしき人物が間髪入れずに言う。

「了解しました。」

名簿に自分の名前を探してサインをして、空いている席に着く。

カーンコーンと、ベルの音がなる。

「それでは、入館説明と注意事項を行う。まず、ここが戦場で無いとなめてかかるな!!!この場にも敵は、いる。ナメた者からケガや死によって退役する事になる!!心して任に付いて欲しい!!それでは、詳細を説明していくので、今から渡す。小冊子に沿って説明を始める。」

上官は、デカイ声で言うと小冊子を回してとって行くように1番前の者に渡す。とった事を見ると説明が冊子の順序に進んだ。その中には、作業中に気を抜いた者が焼けたり、防塵マスクをつけずに作業を繰り返し肺に鉄粉が大量に入り、とても作業出来なくなり退役した者達や機器に挟まれて死んだり高所から落下して死んだりと多々危険な行為の注意をされた。その危険事項の中に妨害工作員がいると書かれた項目もあり、上官は、強く危険視するように言っていた。長い説明が、終わり最後にヘルメットに説明会に参加した証明らしきシールを貼って貰い退席した。

 ヘルメットをかぶり、2棟に向かって歩く。

『ッ!!』後ろから、何か殺気を感じ振り返るがそこには、工場の暗闇が広がるだけだった。

 不思議な感覚は、残ったが2棟に着くと、ヘルメットの色が違う白い色のヘルメットの上官と思われる人が近づいて来た。(自分ら多数は、黄色ヘルメットなのだ)

「君が、ここに配属された新人君かね?」

緊張が走り、敬礼をしながら、

「はい!!2棟に配属されました。○○です。よろしくお願いします。」

と挨拶を返すと、妙な迫力がある、上官は、答えた。

「あー、よろしく。私は、この2棟を監督する竹元タケモトだ。よろしく頼むよ。それで、ついてすぐで悪いが君が担当する歪み作業を教えてくれる。人を紹介するからその人について、作業を覚えながら、やっていってほしい。その為の道具は、その人にまかせてあるから、ついて来てくれるかな?」

と言うと、反転して歩き出した。

「了解しました。」

と答えながら、付いて行く。少し歩くと、バーナーで鉄板を熱しながら水をかけている職人の後ろに止まり、

おかじい、弟子を連れてきたぞ。育ててやってくれ!」

と竹元監督が大声で声をかける。

 コクリと頷きながらしかし、手は、止めずに

「わかった。これを焼いたら準備するから、そこで見てて貰って、」

と男が返す。

「わかった。それじゃあ、私は、戻るから後、よろしく!」

と監督は、帰って行った。

「それじゃあ、ちょっと、見ててな。」

岡じいと呼ばれた。小柄な老人が言った。

「はいっ!!学ばせて頂きます。」

と返事をして、見入った。曲がった。鉄にバーナーで炙りながら水をかけていく。すると、鉄は、みるみる真っ直ぐに戻っていった。バーナーの火を消しながら、こちらを振り返り、マスクを外し黒い丸メガネをパカリと上げて、メガネから目が見える。

「さて、それでは、自己紹介からかな?、ワシがおかという。君に歪みという作業を教えて行くように言われている。よろしく頼むよ。」

と作業が一段落したのか。自己紹介をした。

「はい、よろしくお願いいたします。自分は、○○と申します。今日から、しっかり歪みを覚えて、お役にたてるように努力いたします。」

 そして、岡さんは、道具一式を準備してくれた後、手近にある、四角い缶を裏返したような椅子に座り、タバコに火をつけてから、造船のざっとした流れを説明してくれた。

「まず、造船のザッとした。流れを説明しようかね。まず、ここの船は、知っての通り艦船が主なので、鉄でできている訳だね。だからまず、鉄板を切る。『加工』という作業、ここでプラズマ切断機やレーザー切断機によってプログラム通りにオペレーターが切断して行く。それをここ、『小組』と『中組』が設計図通りの物に取り付け、溶接して行く。その際、溶接の熱で歪みという曲がってしまうことが起こるので、ワシ達、歪み屋がそれをなおす訳だね。それをクレーンとゴンドラなどを使い『大組』にそこで更に大きく組み立てる。ここからは、同じ作業の繰り返しだね。取り付け、溶接、歪みとり、クレーンで運ぶ、棟の外に出て更に大きく組み立て、最後にドックで形にする。形になったら塗装や、内装、電工や、パイプ、艤装など行い完成させる。ワシらが行うこの歪みとりや曲がりなおしがなければ、更に大きく組み立てる事が出来なくなる訳だね。サイズが設計図と変わってしまうからね。まー、焼き過ぎても縮んでサイズが変わるから気をつけて作業しないといけないから、しっかり教えて行くよ。」

その後、道具の装備のしかたや、使い方、身の守る為に、しっかり見につけるように説明してくれた。

「溶接の火は、裸眼で絶対に見ては、いけないよ。寝る前に激痛が起こり涙が止まらなくなるからね。起きた時も目ヤニだらけで目が開かなくなるんだよ。だから、この、黒眼鏡や黄眼鏡や防災面や溶接面などで守るんだよ。溶接は、当たり前だけど、鉄が弾けて飛んで来る事があるから、服も燃えにくい素材中に着ている物も同じだよ。ポケットや、すきまから入って燃える可能性もあるからね。ヘルメットの下にも頭巾をかぶって髪の毛や襟元を守るんだよ。袖も心配なら革の腕カバーをつけるといい、そして靴は、当然、安全靴でつま先に鉄板や硬いプラスチックが入っている物をこれは、あつかっている鉄板は、重く落とした時に足が潰れるなどしてしまうからね。でも、これでは、足りないから甲プロテクトを足の甲にもつけて更に脚絆など巻くといいね。」

と、まず自分の身体を守る物から教えてくれた。

「つぎは、ルールだね。ここ2棟は、まず、クレーンの下には絶対に入らないこと、当然、吊った物が絶対落ちないとは、限らない。当たればペチャンコになる物もあるわけだ。更にコンベアが回る時は、入らない。挟まれたりして大怪我をおう事になるからね。スキッド側は、何枚かの台自体が押されて動く仕組みだから、最後尾の1枚を吊り1番前に回して行く。これも落ちればペチャンコだから絶対に近づかない事!!他にも細かい事は、あるがその都度、教えて行こうかね。そろそろ、作業を教えて行かないと、喋っているだけで、終わってしまうからね。」

と、椅子を立ちタバコを消した。

「はい、よろしくお願いいたします。」

その後に続いた。

「防護類は、しっかり装備されてるか、しっかり確認してから作業しよう。大丈夫かな?」

と、確認をうながされた。

「はい、火が入らないよう、しっかり確認します。」

頭巾のよれを確認して、作業場に移動する。

「それでは、バーナーは、二又のバーナーと1本口の普通のバーナーがあるから使い分けて行くんだけど、二又は、溶接の歪みをとる時に基本的には、使い、曲げやゆがみをなおす時に1本バーナーを使うんだけど、やりながら覚えて行ったほうが自分のやり方もあるからね。あとは、切断用とガウジング、削り取る用に使うバーナーがあるこれものちのち使って行こう。」

説明が続いていたその時である。

「ぎゃああああああ」

大きな悲鳴が工場内にこだました。

「!!!若いの丁度この工場で最も恐ろしいスパイからの攻撃があったようだ!!これからここで働く以上隠しても仕方がない。この妨害工作を避けながらやっていく為にも攻撃された者の末路を見ておきなさい!!ついてくるのだ。」

と岡さんは、悲鳴の聞こえた方へ歩き始めた。自分は、恐怖を感じながらついていくしかなかった。

現場は、壮絶を極めていた。多くの高官らしい人物が支持を出し、白い白衣の衛生兵が慌ただしく動き、防護服に身をまとった者たちが人を遠ざけて、何やら回収、洗浄作業を始めていた。

「まずい!!精神汚染が進むぞ!!衛生兵!!被爆物のバイオハザード処理と医療室にて、 精神回復のアロマと音楽、映像を俺は、トトロがオススメだ!!」

そうなのである!地雷(猫の糞)を踏んで仕事のヤル気を一気に削がれ、踏んでしまった装備(靴)は、踏んだ記憶が残りかなり精神汚染(ヤル気がなくなる)が進むのである!!匂いと感触でズタズタに精神をやられてしまう。恐ろしい生物兵器と言っても過言ではないだろう!

現状の悲惨さにヒザをついた。辺りには、かなりの悪臭が漂い、顔をしかめる者やハンカチで鼻を覆う者もいた。

「!!!」

その時、背後から視線を感じ、自分は、振り返った。

そこには、暗闇から黄色く光る目がこちらを見ていた!

「いかん!!」岡さんが叫ぶ!!

「見ては、いかん!!奴らは、我々が防塵マスクで匂いがわかりにくいのを良い事に凶悪な罠をはり被爆ウンコふみさせて、精神と肉体をおとしめるだけでは、ないのだ!!姿を見ればたちまち魅了されてしまう。現に仲間の幾人かは、自分の朝ご飯をささげたり、給料のほとんどを貢物(猫缶もしくはチュール)にしてしまうのだ!!」

自分は、固まった。視線を感じながら、少しづつ目をそらす。

こちらを向かないのに痺れを切らしたのか。視線が消えていくのを感じた。

「行ったようだな。気をつけろよ。出来るだけ、姿を見ないことだ。現在、上層部がスパイの排除(去勢)にのりだしているが、取り込まれる者があとを立たないそうだ。」




第2戦-完全に落された森さんと工作員(猫)


だいぶ作業にも慣れてきた頃、歪み屋と仕上げ屋の休憩所での事。

森さん「さー今日も持ってきたからねーー。」

仕上げ屋という仕事をしている森さんは、ダメと言われているのに工作員(猫)に今日も食べ物を渡していた。

「も・・・・・森さん、上官が毎朝、駄目だって言っていたじゃないですか。除隊され、工作員(猫)も連れて帰る事になりますよ。」

自分は、毎朝、朝礼で言われている。「工作員(猫)が可愛すぎるからと敵であるのは、明白!!絶対にエサなどやって、地雷生成の手助けをしないように!!」と上官が、くちを酸っぱくして言っているのに、一部の可愛さに負けた。作業員は、エサをやっていた。

森さん「良いんだよ。私は、もう、定年も近い、首になったところで、さほど変わらんよ。」

そう言いながら、食べ物をまいている。それに群がる猫達、自分も可愛すぎるので注意は、しても、追い払う事が出来ずにいたので、かかわらないようにはなれることにした。


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