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ストップ

 ▲




 三方向に分かれ、捜索が始まった。


 委員長はゲームセンターやカラオケ等の娯楽施設を、石越先輩はアパレル系統を見て回っていくという。


 そして俺はと言うと……。


《なんでホテル方面担当なんだよ……》


 仕方ねぇだろ……。女性たちに来させたら変なのに捕まってその場でチェックインされちまう。


 それに、援助交際って確かホテルでの密会が多かったはずだ。

 うろついていれば事前で会うことも出来るし、最悪事後だったとしてもその場で助けることは可能だ。


 そしてここは人通りが少ない。お前も気配察知できるだろ?


《まぁ、それに近いのが辺りにちらほらと……》


 近い? どういうことだ?


《多いんだよ……未成年の気配が。ここら辺は特にヤバい……。至る場所からあのギャルと同じのが感知できる》


 それって……。


《あのギャルだけじゃなく、他のヤツも『援助なんとか』って言うのをやってるってことさ》


 マジかよ……。


 黒瀬から衝撃的な言葉を受け、立ち止まってしまった。

 俯けた顔が上がらない。


 視界に、目前の建物を入れたくなかったからだ。

 となると、石越も……もう──。


《大丈夫だ安心しろ》


 は? 分かったのか?


《今、気配をひとつひとつ集中させて確認した。スゴク気持ち悪かったがな……》


 で、それで大丈夫って言うことは……アイツはまだ入ってないってことか?


《絶対とは言えないがな……》


 いや、その情報だけでも有り難い。

 黒瀬、ナイスだ。


 そうと分かればここに長いは無用だ。


 駆け出すと、制服を着た他校の女子と、スーツ姿の男性が横切るのを見掛けた。

 楽しそうに手を握っているが、あれが恋人同士なのか違うのかは判断できない。


 できれば年の差がある恋人同士であってほしい。

 しかし、しばらく様子を見ていると、ホテルに入って行くのが見えた。


 あれを止めるべきか止めないべきか……。


《ほっとけ。向こうが嫌がってないんなら、止めなくて良いだろ。それより……》


 ああ、そうだな。

 わりぃ、足止めちまって。


 やはりこの場所は俺が担当を受け持って正解だった。

 委員長や石越先輩には、絶対見せたくない……踏み入れてもらいたくない。


 ただひたすらにそう思った。

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