登場人物紹介(2)
ネタバレあり
・アルベリヒ
当世の妖精王。古代の彫刻のような凛々しい外見をしている。
存在自体を別物に変える大魔法で小妖精アルフに身をやつしていた。君臨すれど統治せずという放任の王で、その場の勢いで行動してしまうのはアルフの時と変わらない。
・マーリエ・ヴィド=シセロン
三つ編みの若い魔女。箒で飛ぶ。ヴィド族シセロン家のマーリエが名乗り。
魔王時代には森の賢女ドルイダスと呼ばれた一族で、今では森の中で生きる魔女の一族となっている。無知ゆえの純粋さを持つ少女であり、乱暴な騎士には嫌悪感を持つ。
・ネーナとニーナ
暗踞の森に住み、妖精王の伝言係をする風の妖精シルフ。
冷静沈着なブルネットのネーナと、天真爛漫な赤毛のニーナ。女性の美と虚栄心を増す特性があり、一人では弱いのでいつも一緒にいる。
・ボリス
暗踞の森に住む火の精。火でできた少年の姿をしており、遠目から見ると火の玉。
焚きつけにしか役立たず、森を飛び回れば小火の元となる無力を嘆いてフォーレンに相談していた。ニーナとは何かと反目するが仲が悪いわけではない。
・シュティフィ
暗踞の森に生を受けたドライアドで、ドライアドたちの姉的立場にあった。
怒りに支配され、苦難の茨の力で凶暴になっていたが、フォーレンの助力で苦難の茨を制御し、守りの妖精へと生まれ変わった。
・メディサ
ゴーゴン三姉妹の末妹。緑の蛇が頭から生え、猪の牙、青銅の腕、黄金の羽根を持ち石化の魔眼を持つ怪物。かつて魔王軍に所属していた。
今は妖精王の身の回りの世話をして森の中に隠棲している。
・ロミー
水の妖精ウンディーネであり、森に迷った騎士を愛するために生まれた。
結婚したものの浮気をされて報復のため元夫の命を狙う、ヤンデレ系妖精。
少女らしさと人妻の貞淑を併せ持つ故に、浮気者には死の制裁を科す愛の妖精となる。
・アーディ
暗踞の森に住む人魚の長。人に近い姿をしている。
水中では無敵だが、水辺から離れると能力は半減する上に常に体力が減り続ける。
妖精王の思いつきで住処に続く湖を蓮根だらけにされて激怒したことがある。
・マウロ・ベノイス
オイセンの騎士で領主に抱えられており、妖精対策に意見を求められる立場。
ロミーの元夫で領主の取り込み工作の一環で宛がわれた女性に転んで命を狙われる。自分が悪いのはわかっているが死にたくはないし、妻の奇行に対する不満もあった。
・ウーリ
行商をるするケット・シー。四足で歩くとただの白い猫。
各地の猫情報網により商売相手になりそうな魔法使いの間を旅して回る。臆病であると同時に商機を掴もうという意欲も強い商売人。
・モッペル
仲買商をするクー・シー。四足で歩くとただの犬に見えるが体毛は緑色。
本来は妖精の土地を守る番犬。変わり者なのでウーリと出会って行商の旅に出た。良く旅先でウーリと再会しては同行するということを繰り返す。
・ケルベロス
かつての冥府に通じる穴に置き去られた冥府の番犬。三つ首の黒い犬。
生死を問わず捕まえるということに特化した怪物で、捕まると逃げることはできなくなる。かつては感情のない番犬だったが、起き去られた五百年の間に犬らしさが目覚めた。
・フレーゲル
髭の生えていないノームの若者。後ろから見るととんがり帽子を被った毛玉。
妖精の中では理性的で温和。森の中で鍛冶仕事を請け負い、妖精王の下にも遣いで訪れる。ノームの言葉のわからない者のために通訳をすることもある。
・アングロス
フレーゲルの祖父で妖精王の冠作成にも寄与する玄人鍛冶師。
普段は髭のせいで何を言っているのかわからない。気分が高揚すると歌舞伎のような喋り口になる人情派。
・ルイユ・エキュー
眼鏡をかけたリスの獣人。
軍属の文官で獣人の国を離れて森の異変の調査を請け負うこともある。
獣人の中では非力な部類で分を弁えた振る舞いを心掛けている。ただし言うことは言う。
・ドラゴン
黒くて小さなドラゴン。自称怪物系。名前はまだない。
妖精王が不在の間に入り込み、ノームの創作物を盗んで回っていた。妖精王の冠まで盗んだことからフォーレンが捕獲に乗り込む。
・恥ずかしがり屋なダークエルフ
暗踞の森に住むダークエルフの青年。
フォーレンを見ると自己完結して用事を済まさず帰ってしまう。
実は元魔王軍の部隊指揮官をしていた。
・ヴィーチェ・ヴィド=アルフト
魔女の里長。
実は孫娘が人間に捕まっていた。本来は身内を守るために血を流すことも厭わないが、マーリエたちは掟破りのため見限る決断を下す。それでも妖精王のいる方角を妖精を使って伝えた。それなりに歳だが見た目は四十代。アンチエイジングの魔法薬の開発に熱心。
・オーリア・ヴィド=セシロン
マーリエの祖母でフクロウの守護獣に姿を変える魔女の長老。
実年齢は孫にさえ教えておらず、百歳を過ぎているとまことしやかに囁かれる。
若い頃は女傑と呼ばれ、森を出て冒険者業をしていたこともある。




