99話 ステータスについて
「お主よ、なんだこれは?」
「俺のステータスだけど?」
「そんなのは分かっている!なんだこのステータスはという意味だ!」
半透明のステータスが表示されてからしばらく、4人は放心状態だったが放心状態が解けてローザがそう言った。
「えーっと桁が一、十、百、千……」
「どこからツッコミを入れればいいのかわかりません」
「そうですね」
石井さんは指を使って桁を数えていて、ミーナちゃんとサーシャはお手上げ状態。
「ステータスに関してはもう放置することにしたからいいとして…」
「いやいやよくない!よくない!どうやったらこんな上がり方するんだ!」
「それは完全に異能の所為だな俺にはどうしようもできない。というか称号の最後にある人災ってなんだよ!この称号消えろ!」
そうこの人災って称号は気に入らない、別に人災でもなんでもないだろ俺。
「気にするところそこ!?」
「ステータスのことはもういい、それよりお主、異能は二つじゃなかったのか?」
「ローザさんはさらっと流した!?」
石井さんがツッコミを入れている。
「いや、もともと四つあってさっきもう一つ解放されたんだ。それでスキルと魔法のレベルがおかしなことになってる」
「異能が5個か…それにもう一個増えそうな感じがあるな」
「まぁ6個目の異能も条件がわからない以上待つしかないか」
「条件?」
「なんか条件があって、その条件を満たすと異能が解放されるんだが自分でもその条件がわからないんだよ」
「なるほど…まぁ異能は普通一個だしな、異例中の異例ってことか…」
「そうだな」
「あ!そういえばミツキ様!」
「どうした?」
ローザとの話が終わった直後ミーナちゃんが俺のことを呼んだ。
「ミツキ様が戦争の時に使った魔法はなんですか!?」
「あぁ、あれね。あれは古代魔法、よくわかんないけど考えてたらあの魔法ができちゃったんだ」
「そんな簡単な感じであんな魔法を創ったのですか…」
「お主…」
やめてくれそんな目で見ないでくれ。
「古代魔法?どんな魔法なんですか?」
「簡単にいうと隕石を落とす魔法ですよ」
「い、隕石!?」
「なんだ、舞は隕石とやらを知っているのか?」
「えぇ私たちの故郷では知らない人はいないですよ。というかそんな魔法、本当に大丈夫なんですか?」
「いや、大丈夫じゃなかったな。地面が隕石でグチャグチャになってた。」
「もう!何してるんですか!?」
そう言って石井さんは疲れたような表情をしていた。
「ツッコミお疲れ様」
「ミツキくんの所為ですけどね!」
俺がそういうと石井さんがそう返してくる。
「まぁそれはいいとして、ミツキくんはそっちの方がいいね」
「え?なにが?」
「いや、ほら、私にだけ敬語だったじゃない?敬語使わない方が仲良くなった感じでいいなって」
「あ、いつの間にか敬語やめてました。なんか普通に素で話してました。」
「私は素のミツキくんの方がいいから今後は敬語なしでお願いね」
「わかったよ」
「あと、私のことは舞でいいからね!」
「は、はい」
勢いで返事をしちゃったけど歳上なんだよな。いいのかな?まぁ石井さんがそういうならしょうがないと割り切ってみるか。
「お主、これからどうするつもりだ?今日はもう休むか?」
「あぁ、少し休む。後のことは起きたら考えよう。皆んなはどうする?」
俺はそう4人に聞く。
「私もミツキ様と一緒に寝ます!」
「ミーナちゃんはミツキくんと一緒に寝るの!?」
「はい!」
「一緒の部屋ね」
「むーミツキ様のケチ!」
最近のミーナちゃん素を出しすぎじゃない?
まぁ可愛いからいいんだけど
「よ、良かった…(小声)」
舞が小声で何か言ってるが聴こえない。
「私はお風呂に入りたいです」
「あ!私も!」
「わかった、ローザはどうする?」
「私は戦争の報告などをしなくてはならないから一旦砦に行くよ」
「そうか、ありがとうなローザ。起きたら俺も手伝うよ」
「ありがとう。それじゃあ行ってくる」
「あぁ、行ってらっしゃい」
そう言って4人でローザを見送った。
「さてそれじゃあ、〈超異空間〉」
俺は〈超異空間〉を発動する。
「これは?」
舞が歪んだ空間を見て俺に言った。
「あぁ、これは俺の『異能』で中には俺の部屋があるんだ」
「へぇーそうなんだ、すごいね」
「取り敢えず中に入ろうか」
俺はそう言って3人を中へ促し、3人が中に入ったあと自分も入り、歪んだ空間を閉じる。
「そういえば舞はローザの部屋か俺の部屋どっちに泊まる?」
「え、ええと、ミツキくんの部屋で…」
「わかった。それじゃあ」
俺は設置物一覧を開いて、ベッドを選択する。
「舞は今出したベッドを使って」
「わ、わかった」
「それとサーシャ、舞に着替えを貸してやってくれ」
「えぇ」
「それじゃあ俺は寝るから、お休み」
俺はそう言ってから【クリーン】を自分にかけ、ベッドに入った。
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