91話 儀式
「神殿か…」
「そうですね…」
悪魔の後ろをついて行き、行き着いた場所は先ほど行った神殿だった。
「それでは中へ入ってください」
悪魔にそう促され、俺と石井さんは扉を開ける。
キィィバタン
中に入り目線を前にすると異様な光景が目に入ってくる。
神殿の中心に円形の魔法陣が描かれその上に白い玉見たいな物が何百個も浮いていて、魔法陣を取り囲むように十二人の人たちがいる。
「これは…何をやっている?!」
俺は後ろを振り返り異様な光景について悪魔に説明を求める。
「まぁ見てればわかりま…」
「「「天使召喚!!」」」
悪魔の声を遮って十二人の人たちが声を一斉に揃えそう言葉を発した。
同時に魔法陣が光り出し、白い玉たちはどんどん魔法陣に吸い込まれていく
「今すぐやめろ!」
俺はこいつらが相当やばいことをやっていると直感し止めに入る為叫びながら剣を抜く。
ザシュッ!
俺は魔法陣を取り囲んでいた十二人の内、三人の首を飛ばした。
これで止まるか?
「ハハハハハハハ!!、儀式が始まったら止まることはないですよ!!!やっとやっと!!私の悲願が叶います!!!」
悪魔は前に出てそう言いながら両手を広げている。
「クソッ」
俺は悪態をつき石井さんの元へ戻り魔法陣を見る。
「石井さんは少し後に下がっててもらえますか?」
「は、はい」
石井さんを後ろに下がらせ、石井さんに結界魔法、【超結界】を張る。
「おい、ところでおっさん」
「なんだ?」
「あの白い玉はなんだ?」
そう俺が最初から気になっていたのはあの白い玉だ。
「あれは人間の魂ですよ」
「やはりそうか…」
「意外と冷静ですね」
「それであの人間の魂をどこで集めた?」
「貴方がここにくることはあらかじめ知っていたので、聖国の北側にある街を何個か魔物に襲わせてました。誰かが計画を邪魔しなければ聖国の人間は殺さなくて済んだんですがね」
なるほど帝国の領民たちは生贄として聖国へ集まる予定が、阻止されたから聖国の人間を殺して魂を集めたって訳か…
正直いうと聖国がどうなろうと知ったこっちゃない。石井さんを誘拐した時点で敵だし聖国はどうでもいいが…この儀式みたいなのはまずい気がする。放置してたら帝国が滅びかねない。少なくとも帝国は俺が守る対象に入っているから滅ぶのは阻止したい。
俺がそんなことを思っていると、すごい音が耳に入ってくる。
キュィィィィィィィインッッッ!!!!!
「やっとやっとです。さぁ出てきてください天使よ!!!!」
悪魔がそういうと全ての魂が魔法陣に吸収され神殿全体を光が神殿全体を覆う。
「高貴なる私を呼び出したのはどこの下等種だ」
光が収まると魔法陣の真ん中から2枚の羽を生やした男が立っていた。
こいつ割と強いな。
直感が告げている、こいつは強いと…
「お目にかかれて光栄です。天使様」
悪魔がそう言った。
「お前は悪魔か…」
「さすがは天使様私の正体を見破るとは」
「魔力の質が人間とは違いすぎるからなお前は、さすがにそれぐらいはわかる。それと私は天使ではない、熾天使だ」
「なんと!熾天使様でしたか。これは申し訳ない」
悪魔と天使?が会話していた。
「こいつら何を言ってるんだ?」
「さぁ」
俺は石井さんに話しかけると石井さんもわからないのかそう返事が返ってくる。
意味がわからなすぎて思わず素に戻ってしまった。
天使?悪魔?熾天使?意味がわからん。
普通天使と悪魔は敵同士じゃないのか?小説とかだと大体敵同士で争ってるみたいなのが多いけど。
熾天使は天使の上位互換でいいのか?ていうか天使って天使族なのか?あの昔いたっていう。
「なぁお前ら意気投合してるところ悪いが聞いてもいいか?」
「ええ、いいですよ」
「お前は天使族であってるのか?」
「なんだ?こいつは?人間ごとき下等種族が私に話しかけるな。汚れるだろう」
こいつ殺していいかな?めちゃくちゃイラつくんだが…
「ええ、このお方は天使族、それも上位に位置する、熾天使という位の方です」
「そうか。それでお前は魔王の手下なのか?」
「いえ私は独立した正真正銘の悪魔族ですよ。魔王の手下、通称四天王のことを悪魔と呼ぶらしいですがそんな輩とは違いますよ。」
なるほどなこいつは悪魔族で魔族とは別らしいな…
「こんな変な天使を召喚して何をするつもりだ?」
「おい下等種、今聞き捨てならないことを言わなかったか?それに名乗りもしないのか、さすがは下等種だ」
まじで殺したい。今すぐ殺したい。
「あーそれはすまんな。俺は逸脱者だ」
名乗るのもめんどくさいので適当に返す。
「ほう、逸脱者か、通りで普通の人間とは魔力の質が違う訳だ。それにしても懐かしいな」
そこは人間って言うんだな…それになんか知ってそうだな。
「逸脱者について何か知っているのか?」
「1000年前、神に逆らって地上に追いやられた憐れな人間たち、あの頃は楽しかったな、熾天使で異能者狩りをやったあの頃は。」
なるほどこいつは完全に敵だな。
「最後に一つ聞きたいお前の目的はなんだ?」
俺は悪魔に質問をする。
「そうですね教えてあげましょう。世界を支配することですよ」
ここでこいつらは消しておかないとダメらしいな。
読んでいただきありがとうございます。




