87話 残滅開始!
「まず一つ目、この国の王は今どこにいる?」
「…っ」
だんまり決め込むつもりかよ…
しょうがないちょっと脅すか…
「【ファイヤーボール】×1000」
俺がそう唱えると、上空に魔方陣が1000個現れ、その中からファイヤーボールが1000個出現する。
「ヒィッ!」
聖国騎士団長は悲鳴は上げながらその場にへたり込みガクガクと震えている。
「今すぐ答えろ」
俺は威圧しながらそう言った。
「はひぃ!王は今神殿にいると思われます!」
騎士団長は怯えながらも答える。
どうやら入れ違いになってしまったみたいだな。
取り敢えず他のことも聞いておこう。
俺はファイヤーボールを全て消し、二つ目の質問に入る。
「二つ目、悪魔と呼ばれている奴を知らないか?」
「悪魔なら何回か会ったことがあるので知ってます!」
「そうか…取り敢えずそいつの特徴を教えてくれ」
目的に関してはこの国の王に直接聞いた方が早いから取り敢えずは特徴だけだな。
「悪魔の見た目は50歳ぐらいのおっさんだ」
「もっと他にないのか?」
「あと、そうそう、そのおっさんは白髪だ」
「それだけか?」
「あ、ああ、それだけだ。それ以外は特徴のない普通のおっさんだ」
「そうか」
俺の会った中でで白髪の人物は一人だけいるが決めつけるのは早計か…
取り敢えず神殿に行くか…
俺はそう思い、三重結界を解除する。
三重結界を解除したあと動かれるとめんどくさいと思い拘束系の魔法を発動させる。
「【ロックバインド】」
俺がそう唱えると騎士団長と兵士1人1人に向かって輪っか状の岩が飛んでいき騎士団長と兵士達を縛り上げる。
「な、なんだこれ!?」
「外れない!?」
「なんて拘束力だ!」
俺は叫んでいるそいつらと無言になっている騎士団長を無視して一旦王城の方に戻り、超結界を解いて石井さんに話しかける。
「石井さん大丈夫ですか?」
「う、うん。すごいねミツキくんは…」
「大したことないですよ。それより俺は神殿に行くんですがついてきますか?」
「もちろんいく!」
「わかりましたそれじゃいきましょうか」
そうして俺は石井さんと一緒に歩き出した
カンカンッ!!!カンカンカンッ!!!!
「なんだ?」
俺と石井さんが一緒に街を歩いていると急に鐘みたいな音が鳴り始めた。
それと同時に街の人たちが一斉に何処かへ走り出した。
「ミツキくん、これは…?」
「わかりません。取り敢えず石井さんは俺から離れないでください。」
街の人がすごい勢いで走っていて街の中は人の濁流となっているため石井さんと逸れないように近くにくるよう指示する。
しばらくして街の人たちがいなくなり俺と石井さんは静寂に包まれた街中に取り残された。
本当に何が起こっているんだ?
「グラァァァァッ!!!」
そう思った瞬間、何かの叫び声が聞こえてくる。
「あれは…ドラゴンか…」
叫び声の方、南の上空を見ると火竜とは比べ物にならないぐらい大きい真っ黒色のドラゴンが上空を飛び回っていた。
「ミツキくん!あれはやばいですよ!逃げましょう!」
石井さんも俺と同じ様にドラゴンを見たのかそんなことを言ってきた。
さて、どうしようか…今のところ攻撃してくる感じはない様だが…
俺がそんなことを思っているとドラゴンが口を開け叫び出した。
「グォォォォッー!!!」
ドラゴン叫びながら口に魔力を貯め火の塊を作り出していた。
(おいおいまじか、フラグ回収早すぎるだろ!)
「ミツキくん!あのドラゴンなんか攻撃しようとしてきてますよ!」
「えぇ」
「なんでそんな冷静なの!?本当やばいですよ!」
「大丈夫ですよ。まぁみといてください」
ドラゴンの口にある火の塊は直径10メートルぐらいのボールになってこっちに発射してきた。
「虚無魔法発動」
俺は虚無魔法を発動させた。
虚無魔法は火の塊を呑み込み、数秒で跡形もなく消失させた。
「ね?」
「ミツキくんはやっぱりすごいですね」
取り敢えずこれからどうしようかドラゴンが何故現れたのか突き止めないとな。普通に考えればこんな街中にドラゴンが急に現れるはずがない。誰かが連れてきたか…召喚したと考えるのが妥当だな。
「やはり聖国の王か、悪魔の二択か…」
「どうかしたの?」
「いえ、ちょっと考え事を少ししていただけです。取り敢えずあいつをどうにかしますか…」
「どうにかするってどうするの?」
「普通に倒してきます。石井さんは危ないのでこの中にいてください」
「うん」
さっきと同じ様に石井さんを守る様に超結界を張ってから俺は飛行スキルを発動させる。
「"飛行"発動!」
俺は飛行を発動させ空へ飛び立つ。
「ミツキくんが空を飛んでる!?」
あ、そういえば空を飛べること言ってなかったか…
そんなことを思っているとドラゴンが急接近しているのがわかる。
「グォォォォッ!!!」
「うるさいトカゲだな!さっさとかかってこい!」
俺はそう言ってレーヴァテインを〈超異空間〉から出し構えた。
さぁ残滅開始だ!
読んでいただきありがとうございます。




