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  作者: 小説愛好家
3章 聖女救出編
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79話 慢心


「それじゃあそろそろ本題に入ろうか」

「本題ですか?」

「お前らは聖国に脅されて戦争を帝国に仕掛けたなな?」

「!!?」

「!?」

俺がそう言うと二人は驚いたような顔をする。


「なるほど…そこまで…」


王女はそこまで言ってからちょっと間を置いてから言った。


「はい、そうです。」

「サーティ!?それは…」


国王が王女に何かを言おうとしていたが王女がそれを遮る。


「私たちはもう戦争に負けていますし、もし仮に今言わなかったとしても拷問されて吐かさられるのが落ちでしょう。今の状況を考えればこうするしかありませんよ。」

「………」



王女は話がわかるな。

だが国王の反応がちょっと気になるな…何を言おうとしたんだ?まぁそれは今じゃなくていいか。


「聖国の目的はわかっているのか?」

俺は王女にそう問いかける。


「いえ、わかりません。ただ帝国に戦争を仕掛けろ、言うことを聞かないなら聖女を殺すとだけ」


知らないとなるとただ単に脅されて戦争をしただけっぽいな。


「何故聖国の言うことを聞いたんだ?」

「簡単なことです。私たちは戦争がしたかったからと言うのと聖女を殺されては色々面倒だからです。聖女の称号を持っているものは後に凄まじい力を発揮します。だから後の戦争で使うために殺されたくはないのですよ。」


なるほどな、こいつらは戦争で聖女を使い潰すつもりなのか…ほんと終わってるな…


「俺がここに来た時点でその選択肢は消えるけどな」

「はい。ですのでもう聖女が殺されようがどうでもいいのです。だから貴方に話しました」

そう言って王女は不敵な笑みを浮かべた。


「チッ!」


俺は全てを理解し舌打ちをする。


さっき王女が答えたのは戦争を負けたからとかじゃなく聖女が殺されてもどうでもよくなったから。そして国王のあの反応は多分聖国にこの事を他に漏らしたら聖女殺すと脅されていたからか。おそらくこの状況は聖国に監視されている。王女が答えた時点で聖女が殺される事が決定したと言う事。


クソッ!なんで俺はその可能性を考慮しなかった?聖国がそういった手を使うことは可能性として事前にわかっていたじゃないか!完全に俺は自分の力を慢心したその結果がこれか…


今はそんなこと考えている場合じゃないな。早く聖国に行かないと。

そう思い俺は走り出そうとする。


「待ってください」


走り出そうとする俺に王女から声がかかる。

「何だ!?」

「ここにテレポートの腕輪があります。もちろん聖国に繋がっています。これを貴方に渡しますので私たちを見逃してください。」


最初からこれを狙って出て来たのか…

ほんとこの王女頭が切れるな。


一刻も早く聖国に行かないといけない状況だが一旦冷静になれ俺…

そう思いながら深呼吸をする。



まずこいつらは敵だ信用してはいけない。それにテレポートした場所が聖国だと確信はないし…いやでも早くいかないとまずいよな。いや、まてよ俺のスピードならテレポートの腕輪を使わなくてもあまり変わらないんじゃないか?それより早く行かないと…


「聖国に早く行く手段なら持っているから腕輪はいらない、それと今回はお前らを見逃してやる。」

「本当ですか?」

「あぁお前と話している時間も勿体無いし殺す時間も勿体無いからな。あと最後に忠告だ、次何かしようとしたら確実に殺しに行くからな。覚えておけ。」


俺はそういってから走り出しドアを出た。



読んでいただきありがとうございます。

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