41話 ヤタマノオロチ戦
今回はいつもより長めです。
さぁ、始めようか!
俺は飛行スキルを使って、レーヴァテインを鞘から抜き取り、ヤタマノオロチの元へ空を駆け出す。
もちろんレーヴァテインに付与していた能力は解除している。あれついてると一撃で終わってしまうからな。
俺は飛行スキルでヤタマノオロチへと超スピードで迫って行き、それに反応したヤタマノオロチがハイド○ポンプの体制に入った。
(ここまでは読み通り。)
俺は超スピードから右に回り、ヤタマノオロチの背後を取る。
そして俺はレーヴァテインをヤタマノオロチの一頭の首を斬るため、レーヴァテインを横にして一閃したが……
「おいおい嘘だろ、こいつの首何出て来てやがるんだ?硬すぎだろ。」
レーヴァテインとヤタマノオロチの首がぶつかった衝撃で辺りの水と森に生えてる木が何本か、衝撃波で倒れる。
だが、ヤタマノオロチの首にレーヴァテインの刃が通ることはなかった。
「レーヴァテインの刃が通らないとなると結構まずいな。なんとかしないと。」
俺は一度距離を取り、対抗策を考える。
その間にもヤタマノオロチはハイド○ポンプを何回も放って来て後ろの森が大変なことになっているが気にしてはダメだ。
「よし、物は試しやってみるか。」
俺はそう思い魔法を発動させる。
「魔力付与!」
俺は魔力を直接レーヴァテインに付与した。イメージは俺の魔力を薄く、刃のような形状にして、レーヴァテインに纏わせる感じだ。それと風属性もイメージして纏わせた。
結果は成功。
(スキル"魔力付与Lv1"スキル"風属性付与Lv1"を習得しました。)
「よしちゃんとできたな」
魔力が付与で来たことを確認し、ヤタマノオロチを見ると、ハイド○ポンプを撃つのをやめ、4頭は前を向き、もう4頭は背後を警戒していた。
「なるほど流石に知能があるな」
じゃあこっちも!
「【ファイヤーボール】×8」
【ファイヤーボール】をヤタマノオロチめがけ放つ様に見せかけ、ファイヤーボールがヤタマノオロチに当たる寸前で、ファイヤーボール同士をぶつける。
ドォォオンッ!!
ファイヤーボール同士をぶつけた理由は至極単純、ただの目くらまし。お陰でヤタマノオロチの周りは爆発によって煙が発生していて、何も見えない。その隙に俺は『異能』〈心眼〉を発動させ、ヤタマノオロチの位置を完璧に捉える。
「はぁっ!」
そのまま駆け出し、煙の中に突っ込みレーヴァテインを横に一閃する。
ザシュッ!
ドサッ
効果音とともに前にあった頭が、首から4つ地面に転がり落ちる。
「シャーー!!」
ん?早いなもう再生しやがった。
痛みに悶えていたと思ってたヤタマノオロチを〈心眼〉で見ると、もうすでに首から上が元どおりになっていた。
もう一回いけるか、次は全部斬って見るか。
そのためには…
俺は右手で持っているレーヴァテインの刃に左手を添え、魔力付与を行うさっきと同じ風属性だ。
レーヴァテインに付与してる風属性の刃を伸ばす感じにして…
「よし、できた!」
風属性の刃を10mくらいまで伸ばし、俺はヤタマノオロチの右サイドに回り横から一閃。後ろ前になっている首を4つ落とし、そのままヤタマノオロチ左サイドに回りもう一閃。これをほぼ同時に行いもう4つの首を落とす。
「さて、どうだ?」
「シャァァー!!!」
「うわ!気持ち悪っ!」
煙が晴れて肉眼で見ると8つの首から上が再生していく。
「これでもダメならMPが尽きるまで耐久戦だなっ!?」
再生し終わったと同時にヤタマノオロチが首を三つ使って攻撃して来た。
ザシュ!!
「くそっ!あぶなーな!」
上、左、右から迫って来ていた、首をレーヴァテインを持ちながら回ることで斬り落とした。そのまま俺は後退する。
結構危なかったな、反応が遅れてたら食らってた。
それにしても敏捷100万の速さは侮れないな。
「さて、こいつに弱点ってないのかな?」
長期戦がめんどうなことには変わりはないので弱点があるか〈心眼〉で探って見る。
名前:ヤタマノオロチ
Lv300
情報1
弱点: 尻尾を斬ると再生できなくなる。この原理は尻尾から魔力を供給しているため、その尻尾がなくなると魔力を使う自己再生Lv-は使えなくなる。
「なるほど、尻尾が弱点か…」
「!?」
俺が小さくそう呟き、ニヤリと口角を上げると、ヤタマノオロチはイヤな感じを悟ったのか、びっくりしてから、身を若干縮み込ませた。
さて、どうやって尻尾を斬るかだが。
もちろん尻尾は湖の水に浸かっていた見えないので、対抗策を考えないといけない。うん、無難に風魔法で行くか。
「【ウィンドストーム】!!」
風魔法Lv5で覚えられる、【ウィンドストーム】をヤタマノオロチめがけて使う。
すると上から竜巻の様な風がヤタマノオロチめがけて落ちて行き、その風圧で水を跳ね除け、30mいないの水は全て吹き飛び、地面が見える。森にその水が押し寄せて木が倒れているのは無視しよう。
その間に上空に飛んでいた俺は、ヤタマノオロチの尻尾目掛けて滑空して、尻尾をレーヴァテインで斬る。
「シャァァー!!」
風圧で目が開けられないのか、ヤタマノオロチは尻尾が斬られたことしか判断がつかない様だ。
ちなみに俺は【超結界】を張っている。さっきの首での攻撃の対策と今の風対策だ。
風が止み、俺はヤタマノオロチの前に立つと、ヤタマノオロチは血走った目でこちらを睨んでくる。
「シャァァー!!!!!」
ヤタマノオロチは8頭の口を中心に寄せ、そして口を開き光線の様な速さと直径10mはある、ハイド○ポンプを放って来た。
「流石にまずい!!【太陽】!!!」
俺はとっさに火魔法Lv9の【太陽】を発動させた。この魔法は簡単に言えば、擬似的な太陽を生み出す魔法だ。サイズは直径20mぐらいと小さすぎるが温度は太陽そのものなので相当熱い。
俺の【太陽】とヤタマノオロチの巨大ハイド○ポンプが衝突し、ハイド○ポンプがジューッ!!っと音を立てながらどんどん蒸発していく。
「今回は割とマジで危なかった。」
はぁーはぁーと息をして俺は【太陽】とハイド○ポンプがぶつかってた場所を見る。
流石に【太陽】の勝ちだな。
ハイド○ポンプは勢いをなくし、完全に蒸発した。
そして俺は【太陽】を解除する。
「はぁっ!!」
【太陽】を消した瞬間に、俺はレーヴァテインを持ち駆け出して、ヤタマノオロチの首を全て落とす。
ザシュッ!
ドサッ!
全ての首が落ち、そのままヤタマノオロチの身体も湖に落ちていった。
それを上空から確認し、ヤタマノオロチ戦は幕を閉じた。
ちなみに余談だが、なぜヤタマノオロチが魔力の供給源である尻尾を斬られたのに、ハイド○ポンプを使えたかというと、斬られる前に魔力を口に移動してハイド○ポンプを発動させた、これは〈心眼〉で魔力の流れを見ていたからわかったことだが、あの時は焦っていて気にしていなかった。
読んでいただきありがとうございます。