22話 フィーナちゃん
今回短いのでもう一話投稿しようと思います!
図書館の外にでて街の中を歩き[猫の安らぎ亭]へ向かう。
「それにしても、本当に異世界ファンタジーだな」
本の内容を思い出しだしながら、街並みを見て一人感傷に浸る。まさか自分がこうなるとは思ってもみなかったからな。
旅をしながら異世界の街を観光するのも楽しみの一つかな。
そうんなことを思いながら歩いてると[猫の安らぎ亭]についたのでドアを開ける。
「いらっしゃいませ〜!あ、ミツキさん!」
挨拶をしながらこちらに振り返ると、俺だとわかったのか名前を呼びながらトテトテと走ってくる。
「約束通り昼食を食べに来たよ」
「ありがとうございます!注文は何にしますか?」
「あぁ、そうだなオオスメをお願いしていいか?」
「はい!わかりました!」
そう言いトテトテと厨房の方へ走っていく。
昼はあまり客がいないみたいで静かだ、冒険者をしてる人たちはこの時間にクエストをこなしてるのかな。
それとも今日は偶々いなかったのか。
しばらくして料理が運ばれてくる。
「お昼はパンとボアのステーキとサラダです!」
「ありがとう」
運ばれてきたのはザ・ステーキみたいなステーキで香ばしい香りが漂ってきて、めちゃくちゃ美味そうだ。
米がないのが少し悲しいがまぁ仕方ないか、ここ中世ファンタジー世界だしパンが主流だよな。
「いただきます!」
挨拶をして食べようとするとふと視線を感じたのでそちらを見ると、フィーナちゃんが顔に?を浮かべながらこちらを見ていた。
「どうしたの?フィーナちゃん」
「ええとあの、朝も思ったんですけど、いただきますってどういう意味なんでしょうか?」
なるほどやはりこっちの世界にはそういう習慣はないのか。
「これは故郷の挨拶で料理を作ってくれた人と食材に感謝していただくという意味で、いただきますというんだ。」
「なるほど!私も今度から真似します!」
意味が理解できたのか手を合わせながら「いただきます」と呟いている。
なんとも微笑ましい
それから雑談をしながらご飯を食べて「ご馳走様でした」と挨拶をして席を立つ。
「それじゃあそろそろいくね」
そういうと悲しそうな顔をしてるフィーナちゃんが俺を見てくる。
「は、はい」
「偶には戻ってくるからそんな顔しないで」
そう言いながら泣きそうになっているフィーナちゃんの頭を撫でる。
「絶対ですよ!約束ですよ!」
「あぁ約束だ」
そういうとフィーナちゃんの顔がパァァと晴れる。
そして俺は会計を済ませる。
「フィーナちゃん それじゃまた今度」
「はい!また今度!ありがとうございました」
笑顔でそう言われながら振り返りドアを開け外にでる。
「さてと、それじゃあソルト帝国に向かいますか」
俺は一人そう呟き、東側へ向かう。
読んでいただきありがとうございます。
これにて1章終了となります。それでは2章へどうぞ→