191話 魔力濃度
☆☆☆ローザ視点☆☆☆
私は今縦ロールを背中におぶって、森を目指して草原を駆け抜けている。
「ローザさん、後どれくらいですの?」
しばらく進み縦ロールがそう聞いて来る。
「そうだな…後2分ぐらいで着くぞ」
私が今目指しているのは不浄の森、Cランクの魔物が多い森だ。
割と近くまで来ていたので縦ロールにそう伝えると縦ロールは「わかりましたわ」とだけいい、背中に再度しがみついた。
「着いたぞ」
それからちょうど2分が経ち、私はそう言ってから縦ロールを下ろす。
「ローザさん、ありがとうございますですわ」
「…なに気にするな」
私は縦ロールがお礼を言った事に若干驚きそう返す。
(丸くなったな縦ロール…やっぱりサーシャの調きょ…教育が効いたか…)
まぁ今はそんな事よりやる事があるな…
「さて、それじゃ森の中に入ろう、ただでさえ遅れ気味だからな」
「はいですわ!」
その返事を聞いて私と縦ロールは森の中へ入った。
「ローザさんここ不気味ですわね…」
森に入って数分縦ロールが俯きがちにそう言った。
確かに薄暗いな、前の森と似ているが魔力濃度が若干前より濃い。Cランクの魔物が出てくる森でここまで濃いのはなかなかない、明らかに変だ。
「まぁ森はこんなもんだろう、出てくる魔物はCランク程度だしそんな怯えるな」
私は縦ロールに気休めの言葉をかける。
「そ、そうですわね」
魔物は弱いしなんとなるだろう、まぁ不気味なのには変わりないが…
そんなことを思っていると通信魔法がかかって来た。
私は通信魔法に出るため縦ロールにストップをかけた。
「お主かどうした?」
((ローザとロールを見ていたんだがその森が変だと思ってな))
「お主もそう思うか…」
((あぁ、明らかに魔力濃度が濃い。一応警戒しておいて))
「わかった」
((それともしSSランク以上の魔物が出てきたら魔法は使っていいよ、縦ロールを守りながらだときついだろうから))
「わかった、その時はそうする。でも今ならSSランクぐらい縛りの武器でも倒せると思うぞ」
((まぁ、念のためだ…))
「ふふっお主は優しいな」
((……それじゃ切るよ))
そう言って通信魔法が途切れた。
「今のはミツキですわよね」
「あぁ、ちょっとした連絡だ」
「そうですか、わかりましたわ!それじゃいきますわよ!」
「あ、あぁ」
急にテンションが戻った縦ロールに驚きながら、ミツキの言ったことを頭の中で反復させ前に進み出した。
☆☆ミツキ視点☆☆
「…」
ローザとの通信を切った俺はローザと縦ロールがいる森について画面に映るローザと縦ロールを見ながら少し考えていた。
「やはり魔力が濃いな…ていうか濃すぎるな…」
俺はローザ達の周りの魔力濃度を見ながらそう呟く。
こんなに濃いのはなかなかないよな…明らかに異常事態だし俺の方でも対策はしておくか。
「何も起こらないといいが…」
そう言って俺はちょっとの間固まり思考する。
(あれ…?今のフラグ立った…?)
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