188話 遅れ気味なローザと縦ロール
☆☆☆ミーナちゃん視点☆☆☆
「ふぅ、やっと着きましたね」
「そうだね」
私と舞さんは全速力で走って数十分、一つの森に着きました。
「取り敢えず入りましょうか」
「そうだね、時間も限られてるし行こっか」
そう言って私と舞さんは森の中へ歩いて入っていく。
森の中は薄暗く木々が等間隔で生えていて、葉っぱの隙間からは少しの光が射し込んでいます。そして如何にも魔物が多そうな森です。
「ちょっと前に通った森と似てますね」
「1日目で通った森だよね?」
「そうです、若干暗いですけど雰囲気は似てます」
「確かに、光の射し込み具合とかすごい似てるよね」
そう言いながら私と舞さんはで森の中を見渡しました、すると木の陰からから何かがこちらを見ているのがわかりました。私はすかさず舞さんに声をかけます。
「舞さん!あそこ!」
私は木の後ろを指差しそう叫ぶと舞さんは落ち着きながらそちらを見て言いました。
「やっとお出ましだね、時間も限られてるしさっさと終わらせようか」
「はい!」
こうして魔物狩りが始まった。
☆☆☆サーシャ視点☆☆☆
私とニーナさんはしばらくの間走り、結構な広さを誇る森に着きました。
ここは帝国でも有名な森でBランク以上の魔物が多いことで知られています。
「では行きましょうか」
「そうだね」
そうして森の中に入ると
「グォォ!!」
すぐにそんな声が遠くから聞こえてきました。
「ニーナさん、今の聞こえました?」
「うん、聞こえたよ、さっさと倒しに行こうか」
「そうですね、早く行きましょうか」
私とニーナさんはそうして森の奥の方を目指して歩き出しました。
☆☆☆ローザ視点☆☆☆
「よし!休憩終わり!いくぞロール!」
あれから休憩をとって5分、時間が勿体無いので私は縦ロールにそう言って先を促す。
「はい!わかりましたわ!」
縦ロールは思いの外元気な声をだし、了承した。
もうちょっと休みたいとか言うと思ったんだけどな…
「まぁいいか…」
「さぁ!ローザさん!出発しますわよ!」
「あ、あぁ」
そうして私たちは再度出発した。
しかし…その数分後
「ローザさん速いですわ!休憩をお願いしますわ!」
うーんこれでも結構抑えているんだが…それにしてもこの調子じゃいつまでたってもつかないな…
「ロール、休憩はなしだ!」
「そんな!これ以上持ちませんわ!」
「わかっているだから、ほれ」
私はそう言って縦ロールの前で屈む。
「え?」
「おんぶだ!早くしろ!」
「は、はい!」
時間がないので強めに言うと驚きながら返事をして私の背中に乗った。このままでは負けてしまうからな。
「ローザさん本当にいいんですの?」
「あぁ、今私たちは明らかに遅れているから、な仕方ない処置だ」
「そうですか…ではよろしくお願いしますわ!」
そうして私は縦ロールを背中に抱え走りだした。
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