185話 ゲームの説明
あれから3日たち、今日もいつもと変わらず直線の道を馬車で走っていた。
「さて、そろそろやろうか」
馬車が出発して1時間俺はそう切り出した。
もちろんなにをやるかは明白だ。
「例のゲームですの?」
「あぁ、流石にこの道も飽きただろうからな。ちょうどいい」
「はぁついにきてしまいましたか…」
「もう腹をくくるしかありませんね」
「まぁそんなきつくはしないから大丈夫だって」
「「「「「…」」」」」
「信じてないな…まぁいいや、取り敢えず何をするかだが」
俺はそう言ってから一呼吸置いて
「魔物を狩ってきてもらう」
そう言った。
「そ、それだけです?」
「まぁ細かい条件は色々あるが簡単に言えばこれだけだな」
「なんだ、身構えて損した」
「だから言ってるじゃんそんな怯える事ないってたかがゲームだよ?」
「そ、そうですね…」
そうこれはゲームだからな…
「それじゃあ取り敢えず細かいルールを説明する。
まず二人一組を作って今来た道を戻ってもらう」
「戻るんですの?」
「あぁ、走ってでもいいし、飛んでもいい、そして森を見つけてSランクの魔物1体とCランク以上の魔物を50体狩ってきてもらう」
「Sランクですの!?それにCランク以上の魔物を50体…」
縦ロールのツッコミは無視しよう。
「まぁそれぐらいなら余裕ですよね」
「そうですね、案外簡単に終わりそうですね」
「まぁ、気楽にいこう」
「そうだな、気楽に狩って来ていいぞ、あとはそうだな、今いるところより前の森ならどこでもいい、例えばそうだな、帝都より前の森でも可だ。だがここで一つ制限を設ける」
「制限?」
「そう、時間制限、制限時間は3時間。3時間で魔物を狩って馬車のところまで戻って来ればいい。」
「なるほど三時間ですか…」
「割と厳しめです?」
「そして、ここからが本題」
「え?ここから?」
「あぁそうだこれは戦闘訓練だからな。簡単な縛りを設ける。
1つ、魔法は使わないこと
2つ、今から出す武器だけを使うこと
3つ、今言った2つの縛りをしながら俺が撃つ魔法を避けること。以上だ」
「えーっとミツキさん?最後のはいったいどういうことです?」
「詳しくいうと俺が何分か置きにここから、魔物と戦っている皆んなのところへウォーターボールを飛ばす。それを避けながら魔物と戦ってくれ」
まぁウォーターボールの速度に関しては早過ぎないぐらいにはするつもりだ。どうやって飛ばすかは〈心眼〉を使うつもりだ。〈心眼〉で皆んなの位置を随時把握してそこにウォーターボールを飛ばす感じだ。
「「「「「…」」」」」
「一つ目の条件でもきついですのに、さらに鬼畜になりましたわ…」
そんなことないと思うけどな。
「それでこれはゲームだから罰ゲームがもちろん存在する。罰ゲームの内容は後で言うとして、最下位になる条件を今話す」
「え?一番遅くについた人じゃないの?」
「それでもいいんだが、時間制限が若干厳しいからポイント制にする」
「ポイント制?」
「まず3時間以内に戻ってこれたら50ポイント、Sランクの魔物を狩ったら50ポイント、Cランク以上の魔物は1体につき1ポイントだ。そしてウォーターボールに当たった場合はマイナス10ポイントだ」
「なるほど、わかりました」
「それでミツキくん、罰ゲームはなに?」
「そうだな…俺と5時間耐久訓練でいいか」
まぁ戦闘訓練にはこれが一番いいだろうな。
「「「「「…」」」」」
「皆さん頑張りましょう、負ければ死にかけるかもしれません…」
「ええそうね、あの様なことはもう二度とごめんだから今回本気で行くわ」
「でも、この中で一組は…」
「ミーナ、それは今言うな」
ミーナちゃんがそう言うとローザがすぐに止める。
皆んなに現実を突きつけるミーナちゃんいいと思う!
「そうですね…」
「それと一応一位の人たちにはご褒美があるからな」
「それは本当ですか!?」
「あぁ」
「やる気が出て来ました!」
「これは負けてられませんね」
「ミツキくんのご褒美期待してるね!」
「よし、頑張るよー!えいえい」
「「「「「おー!」」」」」
ニーナの掛け声と共に皆んなもそう掛け声を発した。
読んでいただきありがとうございます。