171話 情報収集
「ダメだったねー」
今は情報収集が終わり帰り道、テクテク歩いているニーナがそう呟いた。
あれから聞き込み調査&図書館で本を探したが収穫はほぼなかった。聞き込み調査は「女神ヴェクトリ様は偉大なお方だよ」って勝手にまとめて世間話をして来た老婆がめんどくさすぎてそれしか印象にない。
本に関しては、女神ヴェクトリアがこの世界を作ったとか本当に大雑把なことしか書かれていなかった。
「やっぱり重要な場所にしかないのかな」
小声で俺はそう呟いた
本はとても貴重だし、それも神に関する情報となれば王族などが所有していても不思議ではない。
(ヴェクトリア聖国で調べておけば良かった)
一度ヴェクトリア聖国に行ってるしその時に王城をちょっと漁ればよかったと後悔をするが意味のないこと。
(まぁあの時はそんなことしている余裕はなかったしな…仕方ない)
そんな事を思いつつ歩いていると前から声がかかる。
「ミツキさーん!」
そう言いながら手を振っているミーナちゃんがいた。
どうやら宿に着いたみたいだ。
その証拠にミーナちゃんの左側には見覚えのある宿がある。俺はミーナちゃんに手を振り返しながら前に進んだ。
「ミーナちゃん達の方は収穫あった?」
宿の前まで着き、そう聞く。
「いえ、全くです…ミツキさんの方は?」
そう答えたミーナちゃんは若干落ち込んでいた。
「俺たちの方もなかった…」
「そうですか…」
「取り敢えず中に入ろうよ」
落ち込んでいるのを見た舞がそう提案する。
「そうだな、取り敢えず戻ろうか」
そうして俺たちは宿に戻った。
「そういえば、ミーナちゃん達はどこに行ってたんだ?」
部屋に戻り俺がそう聞く。
ちなみに宿の部屋ではなくて、異空間の部屋だ。
「私たちは掘り出し物がないか見た後、図書館に行ってました」
「掘り出し物か…その考えはなかったな…」
神に関しての情報はそんな簡単に入手できるものじゃない、実際図書館にはなかったしな。でも掘り出し物なら入手できる可能性は結構高い。
「私もその考えはありませんでした」
「ってことは…」
「舞さんです」
「舞、すごいな」
「なんか神の情報ってボロボロの本に記されていそうなイメージがあったので掘り出し物にあるのではと思ったんですけど…結局なかったです」
「でも、そのやり方は間違っていないと思う、今度からはそのやり方もやっていこうか」
実際図書館を回って情報を探すよりそっちの方が案外早く見つかったりするかもしれない。
読んでいただきありがとうございます。