151話 ゲーム
前の馬車が進み出し、俺たちが乗っていることな馬車も進み出す。
「ミツキさん、勇者国まではどれくらいかかるんですか?」
そう言えばまだ話してなかったな。
「そうだな、受付嬢には馬車で順調に進めば大体1ヶ月で着くって言われたけどほとんどの場合が順調に進まないらしい」
「どう言うことです?」
「なんか、ここから勇者国まで行く道のりに結構深い森があるらしいんだけどそこの魔物の出現率によって進む時間が変わるらしい」
「なるほどです」
「でもお主、私たちなら関係なくないか?」
「まぁ確かにな、それにAランクの魔物しか出ないみたいだし」
「それなら楽勝ね!」
「あぁ」
まぁ仮に何かが起こったとしても俺たちなら大丈夫だと思うから気にしない方向で行こう。
「それにしても1ヶ月か…結構、暇になりそうだな」
ローザがそう呟いた。
「そうですね…」
その呟きを舞もそう同意する。
「そう言うと思って一応、暇つぶしになりそうなことは考えてきたよ」
「ミツキ?暇つぶしって何をするの?」
「ん?戦闘訓練だよ」
俺はそうニッコリ微笑みながら言った。
「「「「「…………」」」」」
「あの、ミツキさん、今ゲームって言いました?」
「うん、戦闘訓練だよ」
「あれ?やっぱりなんか、違う気がします…」
「気のせいじゃない?だってただの戦闘訓練だよ?」
「「「「「…………」」」」」
「皆んな、私、嫌な予感がするんだけど」
「ニーナ、奇遇だな私もだ…」
「ミツキさん、ニーナさんみたいにはならないですよね?」
「うん、ニーナみたいにはならないと思うよ。だってだだの暇つぶしだし」
「そ、そうですよね…」
「良かったです…」「良かった…」
皆んなが俺の言葉を聞いて安心する。
「まぁ皆んなの頑張り次第だけど…」
だが俺はそこで恐怖の一言をみんなに言った。
まぁ冗談だけどね、なんか面白そうだから言ってみた。
「「「「「!?」」」」」
俺の言葉に皆んながびっくりする。
「ミツキさん!それどう言うことですか!?」
「お主、私たちの目的はなんだ!?旅をすることじゃないのか!?」
「いや、だってローザが暇そうって言うから…」
「ミツキの言う通りローザが暇って言ったからこうなったんだよね!?ならローザ一人でミツキの戦闘訓練をやるべきだと私は思うよ!」
「ニーナ!私を犠牲にするのか!?」
「だって私、もう二度とあんな思いはしたくないもん!」
「そういえば!舞も私の意見に同意してたよな!」
「……してません」
「舞まで私を!?」
「さぁローザ、一人で頑張ってください!」
そろそろ止めるか…
「落ち着いて二人とも、さっきのはちょっとした冗談だから…」
俺がそう言うと、ニーナとローザはホッと同時に息をついた。
「あれ冗談だったんですね…」
「ミツキくん、目がマジだった気がするけど…」
「いや、本当に冗談だから、あくまでゲームだし、楽しくやろうと思ってるから」
「まぁミツキくんはそう言うところちゃんと考えてそうだし大丈夫だとは思うけど…」
「そうですね…」
「でも、あの冗談はちょっと怖かったですね」
「ごめんごめん」
「それでミツキ、そのゲームはいつするんですか?」
「1週間後くらいにやろうか、それまではゆっくり旅を楽しもう」
「わかりました」
こうして俺たちの旅はスタートした。
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