148話 ニーナのステータス
「ニーナさん変装してたんですか?」
「うん、こんな感じで」
ニーナはそう言ってくるんと回ると、俺と最初に会った時の姿になった。
「わぁー!ニーナさん可愛いです!!」
「こっちの姿も可愛いだと!?」
ミーナちゃんがニーナを褒めてローザはそう驚いている。舞は二人に賛同したのかうんうんと頷いていた。
「………」
一方、お菓子を食べていたサーシャはニーナを見て固まっていた。
「サーシャどうした?」
俺がそう聞くとサーシャは答えた。
「ニーナさん!その姿やめてください!キャラが被ります!」
あぁ、なるほどそういうことね、サーシャと変装ニーナの姿は赤い髪だからキャラが被るってことだな。
「確かに、でも赤い髪が二人いてもいいんじゃないか?」
ローザがそう言うが…
「ダメです!それは譲れません!」
サーシャはすごい勢いで否定した。
「え、ええと、取り敢えず見せただけだから基本、元の姿でいるけど…」
「ご、ごめんなさい、早とちりしてしまいました」
「いいですよ」
ニーナはそう言って元の姿に戻った。
「えっとそれで何の話をしてたんでしたっけ?」
ミーナちゃんがそう首を傾げながら言った。
皆んなも忘れていたみたいでうーんと悩んでいる。
「変装をしてた理由だよな」
ローザは憶えていたみたいでそう答える。
「そうでした」
ニーナはそう言ってからこほんと咳払いをして話を始めた。
「えぇと、単純にエルフが珍しいのと王女っていうのが理由ですかね、エルフは外に出ると捕まって売りに出されることは結構あることらしいんです。だから捕まらないように変装してしてました」
まぁ今こうしてここにいるわけだし、変装はいいアイデアだな。
「よく、ニーナのお母さんは許可したな」
普通娘をそんな簡単に外に出さないとは思うけど。
「変装するから大丈夫って言ったら許可が出ました」
「軽いな!?」
「今の訂正します、永遠と言ったらでした」
「おい!ゴリ押しじゃねーか!!」
ニーナのお母さんが可哀想に思えてくるな。
「そしたら、さっきのを条件に出ていけって追い出されました!」
ニーナが話の続きを話し始めた。
「追い出されたのかよ!ニーナのお母さん強いな!」
「まぁ嘘ですけど」
「どっからどこまでが嘘なの!?」
もう疲れた…
そう思っていると隣でサーシャが笑った。
「ふふっ」
「サーシャ、どうした?」
「いや、なんか熟練の夫婦みたい感じで面白いと思いまして」
サーシャはそう言って微笑む。
「///」
何故かニーナは耳を赤くしている。
「確かに、サーシャの言ってることはわかるな、入り込む隙が全くなかった…」
「そうですね…」
「///」
「私も混ぜてくださいよ!」
「何言ってるんだ皆んな…それより、ニーナ他の理由はないの?」
「うん、ないよ」
俺がそう聞くとニーナはキッパリと言った。
「そうか、じゃあこれからは俺たちがいるからその姿で大丈夫だな」
「そうですね!私達が全力でニーナさんをお守りします!」
ミーナちゃんも俺に乗っかってそう言った。
「いや、私守られるほど弱くないよ?」
「本当ですか?ちなみにステータスはどれくらいなのですか?」
「ミツキに旅に誘われてから魔物を狩ってレベルを上げて、今はだいたい40万ぐらいです!どうですか!?」
「「「「「………」」」」」
ニーナのステータスを聞いて黙り込む。
「あ、あれ?皆さん…?」
ニーナが不安になりながらそう聞いてくる。
俺はミーナちゃんと目を合わせ
「ミツキさん」
「あぁ…」
「これは鍛え直しが必要だな…」
そう呟いた。
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