147話 旅の理由
「ニーナ大丈夫?」
俺はまだ固まっているニーナに声をかける。
「………ミツキどう言うこと!?なんか色々わかんないことだらけなんだけど!?」
ニーナが戻り、俺にそう勢いよく言ってきた。
まぁそうなるのは仕方ないよね。
「ごめん、先に言っとけば良かったね」
「本当だよ!取り敢えず、ミーナちゃんとサーシャさんは前までみたいな言い方だったけど、どう言うこと?」
ニーナが疑問をミーナちゃんとサーシャに聞いた。
「ミツキと旅に出るために辞めてきたんです」
「私もです!」
サーシャが先に答えミーナちゃんもそれに続く。
「あーなるほど、旅に出るから辞めたと、そりゃそうだよね………って、えぇぇぇ!!それ大丈夫なの!?よく辞めれたね!?」
「まぁ元々引退するつもりでしたし、私の人生なので…」
「なるほど、ミーナちゃんは王女だし大変なんじゃないの?」
「いえ、私は第三皇女なので特に問題ないですよ」
「そう…」
「ニーナもギルドマスター辞めてきたでしょ」
「確かにそうだけど…」
「まぁ旅に出ることを決定なんだし」
「そう、だね…」
「あ、ちなみに舞は俺と同じ別世界出身だから」
「………もう、重要人物だらけじゃん…」
ニーナは力なくそう言った。
「それじゃあそろそろニーナの話聞かせて?」
「うん、わかった」
あの話は一旦終わりとなり次の話に行くため、そう声をかけると、ニーナはそう返事をしてから話を始めた。
「まずは、私が旅に出た理由から話すね」
「私は王女ということもあってずっとエルフの郷内で暮らしてきたんだけど、これから先もここで一生暮らすのかって思ったら嫌になってね」
「それで旅に出たの?」
「まぁ、旅に出た理由はそれもあるけど、外の世界を知りたいっていう気持ちもあるかな。それでエルフは基本的に外に出ることは禁止だからもちろん色んな人に止められた。でも私が女王、つまり私のお母さんにごり押ししたらある条件付きで許可が出たの」
エルフは基本的に交流を持たないって本にも書いてあるし、それに王女となれば易々外に出せないから相当きつい条件つけられたんじゃないか?
「その条件が『異能者』を見つけて郷に連れてくることなんだ」
「なるほどな」
「それでミツキさんに?」
「ううん、ミツキと旅に出るって決めた後にミツキが『異能者』って知ったからね」
「確かにあの時、そんな感じだったな」
「でも、ニーナさんはミツキを連れて行かないといけないんじゃないんですか?」
「ううん、それはもういいかなって、私はミツキと純粋に旅を楽しみたいからね」
おい、大丈夫なのかそれ。
「それにお母さんに見つからなければ大丈夫だし…」
「ニーナそれフラグだ…」
「フラグだね…」
「フラグって何ですか?」
「元の世界の言葉だから気にしなくて大丈夫だよ」
「ミツキの元いた世界の言葉!?教えてください!」
やばい、サーシャが暴走する、何とか止めないと!
俺はそう思い〈超異空間〉を開き
「サーシャ、後で教えるから今はこれでも食べて落ち着いて」
そう言ってお菓子を選択してサーシャに渡す。
「わかりました!」
本当異世界の事となるとキャラ変わるな…
「えーっと…今の何?」
「あぁ、サーシャは異世界の話が出るとああなるんだ、まぁあまり気にしないでくれ」
「いや、すごい気になるけど…まぁ話の続きをするね」
そう言ってニーナは話の続きを話し出した。
「私はミツキと、皆んなと旅をしたいからエルフの郷には行かない」
まぁ正直めんどくさそうだから俺も行きたくないからありがたい。
「ニーナさんがそうしたいならいいと思いますよ」
舞もそう言って賛同する。
「そうだな…それで『異能者』を連れてくる連れて行かないといけない理由は聞いてないのか?理由が理由だったら行ったほうが良さそうだけど」
めんどくさいけど、理由がやばそうだったら行かないといけないしな。
「それに関しては何も聞いてないんだよね、取り敢えず『異能者』を見つけたら連れてこいとしか」
「なるほど、それならまぁ重要ではなさそうだな、それで変装してた理由はなんだ?」
取り敢えず旅に出た理由は聞けたので俺は次の話に移った。
読んでいただきありがとうございます。