145話 ニーナとミーナちゃん
あれから少し歩き、今俺とニーナは王城の前にいる。
「こんにちは」
王城に入るため門番に話しかける。
「お、ミツキ様じゃないですか!どうぞ中へ」
「ありがとう」
俺はそう言ってからニーナと一緒に王城に入る。
「私王城の中に入って大丈夫なの?」
「俺の連れだから大丈夫だよ」
「なんでミツキそんな信用されてるの?」
「まぁ色々あってね、それも後で話すよ」
「わかった」
それから王城の廊下を歩き、俺が借りてる部屋の前に着いた。
「ここが今俺が泊まってる部屋だ」
俺はそれだけ言ってドアを開ける。
ガチャ
「取り敢えず中に入って」
「お邪魔しまーす」
俺とニーナは部屋の中に入り、ドアを閉める。
「わぁ〜広いね、あれ?でも何も置いてない?」
ニーナが部屋の中を見回しながらそう言った。
まぁこの部屋はほぼ使ってないから当然だよね。
「この部屋使ってないからね」
「へ?それってどういう…」
ニーナはそこまで言って、固まった。
「ん?どうしたの?ニーナ」
「ミツキ、あれ何?」
ニーナはそう言って、部屋に設置してあるテーブルの横を人差し指で指した。
「どれどれ」
俺はニーナの後ろから、ニーナが指をさした場所を見る。なるほど…あれのことか。
「あぁ、あれは家だ」
俺はそうニーナに言った。
ニーナが指した場所には歪んだ空間、つまり俺の家に繋がる〈超異空間〉が設置されている。
「ごめん、ミツキ言ってる意味がわからない」
ちょっと説明足らずだったか。
「正確に言うと、あの歪んだ空間は俺の家に繋がってるんだ」
「そうなんだ、それなら最初からそう言ってよ…ってあれをくぐるとミツキ家があるの!?」
「うん、そうだけど…」
「ミツキ、魔力の消費とかすごいんじゃないの?大丈夫?」
「いや、あの歪んだ空間は異能で出してるから、特にデメリットはないよ」
「そうなんだ、なんか色々凄いね…」
「まぁ取り敢えず中に入ろう」
俺はそう言って歪んだ空間の方へ歩いていく。
ニーナも俺の後ろをついてくる。
「ただいま〜」
「ミツキさん!早かったですね!」
歪んだ空間に入って挨拶をするとミーナちゃんがそう言ってきた。
「ミツキ、あれ結構…」
ニーナも入ってきてそこまで言うとミーナちゃんの方を見て固まった。
「その方は…もしかしてニーナさん?」
「は、初めましてニーナです」
「私はミーナっていいます!ニーナさんってエルフだったんですね!」
そういえばニーナは今本来の姿に戻ってるけど大丈夫なのか?何か理由があって変装してたんだよな。
「ニーナ、今更だけど本来の姿を見せて大丈夫なのか?」
「あぁ、それね。変装してたのは旅をするのに本来の姿じゃ色々と不都合があったから、詳しいことは後で話すよ。それに仲間に私の本当の姿を見せないのは良くないと思ったからね」
「ニーナさん…」
「ニーナ…」
「それよりさ、他のみんなは居ないの?」
「私以外は皆んな部屋にいると思いますよ」
「ミーナちゃんみんなを呼んできてくれる?」
「はーい!」
ミーナちゃんそう言ってリビングを出て言った。
「取り敢えずニーナ、そこに座って」
「うん」
俺はニーナをソファに促すとニーナは返事をした後、ソファに座った。
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