144話 帝都
「取り敢えず行こうか」
「うん///」
俺はニーナの返事を聞いてから、ニーナの手を取り再度、結界魔法と"飛行"を使い帝都を目指して進む。
「それでさっき言ってた理由っていうのはなんなんだ?」
「それは帝都についてからでもいい?皆んなにも話しておきたいし…」
「そうか、わかった。それじゃあ早く行った方いいな…皆んなも待ってるだろうし」
「そうだね」
「それじゃあスピードを上げるけど大丈夫?」
「うん、結構慣れたし大丈夫だと思う」
「わかった、それじゃあ」
俺はそう言ってからスピードを今の1000倍にして、進みだす。
ヒュンッ!
ちなみに【絶対障壁】を張っている為、何にぶつかっても安全だ。
「ミツキ、これは流石に速すぎない?てか景色が全く見えないんだけど…」
出発して2分、ニーナがそう言い出した。
「ニーナ、このぐらいで景色が見えなくなるなんてダメだな。もっとステータスを上げないと」
「いや、普通の人なら絶対見えないからね?それに私ステータス高い方だからね?」
「まぁ30分もかからないと思うし、景色は気にしないでいいと思うけどな」
30分なんてあっという間だからな、別に景色を見なくてもいいと思う。
「30分!?ミ、ミツキ、一応聞くけど、それなんの時間?」
ニーナは動揺しながらそう聞いてきた。
そりゃ決まってるでしょ…
「帝都に着くまでの時間だけど?」
「………速すぎるってレベルじゃないよそれ…」
ニーナは呆れるようにそう言った。
「よし、着いた」
「本当に30分…」
帝都の上に着いた俺たちは帝都の西門の近くの茂みに降り、街道を歩く。
しばらくすると西門が見えてくる。
「ニーナはギルドカード持ってる?」
「うん、持ってるよ」
「じゃあ大丈夫か」
そう言いながら進んでいると俺たちは西門に着く。
「身分証の提示をお願いします」
西門に着くと門番がそう言ってきたので、俺とニーナはギルドカードを出した。
「よし、通っていいぞ」
門番にそう言われた俺とニーナはギルドカードを受け取り帝都の中へ入る。
「それで、ミツキが泊まってる宿はどこにあるの?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「うん、聞いてないよ」
「そうか…」
俺はそう言って一呼吸置いてから指で王城を指す。
「ん?なにその指?王城?王城に何かあるの?」
「いや、宿、あの建物」
「ミツキ、ちょっと待って…」
ニーナはそう言って左手でこめかみに手を当て右手で待ったのポーズを取る。
「もう一回聞いていい?宿はどこ?」
「だから王城だって」
「聞き間違いじゃなかった…ミツキ!なんで王城が宿なの!?ミツキは旅人でしょ!?どうやったら王城に泊まることになるの!?」
ニーナは大声でそう俺に問いただす。
「ニーナ落ち着いて…ほら周りの人びっくりしてるから…」
周囲を見ると何があった?見たいな目でこっちを見てる。
「落ち着けないよ!」
「わかったわかったから。後でちゃんと話すから」
「絶対だよ!」
「うん」
なんとか騒ぎにはならなかったな。
それから俺とニーナは王城を目指し歩いた。
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