141話 猫の安らぎ亭での一泊
「それじゃあそろそろ寝ようか」
あれから少し雑談をしてから俺はそう切り出した。
「そうだね」
「はーい!」
俺は二人の返事を聞いてから〈超異空間〉から布団を取り出し、床に広げる。
「ミツキさん、なにしてるんですか?」
「布団を敷いてるんだけど…どうかした?」
「え?一緒に寝ないんですか?」
フィーナちゃんはそう言いながらベッドを指差す。
「いや、3人はきついと思うから俺は布団で寝るよ」
「そうですか。そうですよね…」
そういえばニーナは?
そう思いニーナの方を見ると、頬を赤く染めながら俯いていた。
「ニーナ大丈夫?」
「ひゃっ!?な、なに?ど、どうしたの?」
「いやなんか顔赤いから…」
俺がそこまで言うとニーナはすぐに言葉を挟んできた。
「だ、大丈夫だよ!だから気にしないで!」
そう言ったニーナの顔はまだ赤い。
「本当に大丈夫?」
「本当に大丈夫だよ、ちょっと考え事をしてただけだから…それよりさっきなんか言ってた?」
「あぁ、俺は布団で寝るよって」
「え…そうなの?てっきりベッドで寝るのかと…」
「でも3人じゃ狭いでしょ?」
「確かにそうだけど…」
「だから二人で寝て」
「うーわかったよ」
俺はそう言って無理やり納得させた。
「それじゃあおやすみ」
あれから少したち寝る準備を済ませた俺たちは寝るためそれぞれ布団とベッドに潜った。
(なんか寝れないな…)
あれから2時間ぐらいたったが俺は何故か眠りにつけずにいた。
「ミツキさん起きていますか?」
(ん?フィーナちゃんか?)
「起きてるよ、どうしたの?」
「あの…その…ミツキさんの方に行ってもいいですか?」
「え?」
「ちょっとその…また会えないと思うと寂しくて…だから…一緒に寝てもらえませんか?」
なるほど、そう言うことか…
まぁフィーナちゃんはまだ子供だし、仕方ないか。
「わかった、いいよ」
俺はそう言って布団をめくり、布団の中に入るよう促す。
「ありがとうございます。それでは失礼します」
フィーナちゃんはそう言って立ち上がり、俺の布団の中へ入って来る。
「大丈夫?きつくない?」
「はい、大丈夫です。えへへ」
「それじゃあおやすみ」
「はい、おやすみなさい」
そうして俺とフィーナちゃんは眠りについた。
チュンチュン
ペチペチ
(ん〜なんだ?)
ペチペチ
「い、痛い…」
「おはようミツキ」
ペチペチ
「おはようニーナ、それでなにやってるの?」
ペチペチ
「ミツキが起きないから起こそうと思って頬を叩いてる」
ペチペチ
「いやもう起きてるから叩くのやめて、地味に痛いし」
「わかった…けどなんでミツキはフィーナちゃんと一緒に寝てるのか説明して」
そう言うニーナの表情は若干怒っていた。
「あぁ、これは…昨日の夜にフィーナちゃんが少しの間会えなくなるのが寂しいって言ったから布団に入るのを許可したんだよ」
「そう…それならまぁ…仕方ない…」
ニーナはそう言って怒りっぽい表情からいつもの表情に戻った。
納得してもらえたようで良かった。
「ところで今何時?」
「朝の9時だよ」
俺がそう聞くとニーナが答えた。
結構寝ていたみたいだな…よし起きるか。
俺はそう思い布団から出て立ち上がる。
「出発は昼頃にしようか」
「うん、わかった」
フィーナちゃんは…まだ寝かせておこうか。
読んでいただきありがとうございます。