138話 雑談
短めです。
「ミツキ、一つ聞いていい?」
「ん?なんだ?」
フィーナちゃんが部屋から退出してからすぐニーナがそう口を開いた。
「フィーナ、なんでミツキにあんな懐いてるの?」
「…俺でもわからない、なぜか懐かれてる」
「なにそれ?」
そう言ってニーナは笑った。
正直自分でもわからないほど懐かれてる会ったのはたったの1回きりなのに…
「まぁ、懐かれてるのは悪いことじゃないし、それはミツキの良さなんだと思うけどね」
「良さ?」
「ほら、ミツキって何かと面倒見良かったり、親しみやすいでしょ?」
「俺に聞かれてもわからないけど…」
「まぁわからないならしょうがないね、少なくとも私はそう思ってるけどね」
「そうか」
まぁ悪いことではないし、それは俺の長所だと思うからそれでいいか。
「それより、ニーナは若干変わったか?」
「え?そう?」
「うん、前々から思ってたんだけど初めて会った時より喋り方とかラフになったよな」
「あーあれは仕事の時の喋り方だからね、友達と喋るときは違うよ」
「そうなのか?てっきりずーっとあの喋り方なのかと思ってた」
「流石にあの喋り方は友達の前ではしないよ、ミツキだって敬語使ったりするでしょ?」
「まぁ、確かに…」
「そんな感じで使い分けてるだけだよ」
なるほどな、どっちのニーナも可愛いと思うからいいけど。
「まぁ、今のニーナの方が喋りやすさはあるな…」
仕事の時の話し方だとどうしても堅苦しさが残るしな…まぁそれはそれで良さがあるんだけど…
「そういえばニーナ、この前言ってた話し…」
ガチャ
俺が言い終わる前に部屋のドアが開く。
「お待たせしました〜!」
そう言って入ってきたフィーナちゃんは左手と右手と頭にお盆を乗せていた。
それを器用にテーブルの上に置いた。
「その運び方、危なくない?」
「え?なにがです?」
「あ、いや、なんでもないよ」
自覚がないのか…まぁ宿屋では普通のことなんだろうなぁ。
俺はそう無理やり納得した。
「そういえば、今何か話してませんでした?」
あ、ニーナに聞こうと思ったんだった。
「そうだった。ニーナ…」
俺がそこまで言うとニーナが待ったをかけて来た。
「ミツキ、その話はまた後でいい?」
「わかった」
後ででも全然大丈夫なので俺はそう了承した。
「それじゃあ夕食にしようか」
「はーい!」「うん」
二人はそう返事をして椅子に座る。
「いただきます」
「「いただきます」」
そうして俺たちは夕食を食べ始めた。
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